平成26年9月議会(一般質問)
◯22番 (松原和生君)
発言の通告に基づきまして、順次お尋ねをいたします。
まず初めに、固定資産税などの毎月払いについてお尋ねをいたします。
市税の約40%を占める固定資産税の納期は、地方税法の規定により年4回、
〔私語する者あり〕
4月、7月、12月、2月とされてきました。固定資産税は所有する土地・家屋、償却資産などに課せられる税金で、居住している場所だけではない場合もあり、年4回で納める場合、1回当たりの納付額が高額になることもあって、特に年金受給者やサラリーマンのような人には必ずしも納めやすい制度ではありません。一方で、個人市民税は多くの市民が特別徴収──サラリーマンや公務員の場合ですが、また、年金特別徴収によって毎月納付される仕組みとなっています。また、電気やガスなどの公共料金も無理なく支払いができるように毎月請求されることが一般的となっています。そして、最近ではクレジットカードなどの普及により、ものの支払いについて月払いの感覚が定着をしてきていると感じています。
そうした中、新潟市において、申し上げたような納税の負担感を軽減したいという考え方から、全国で初めて毎月納付制度をスタートをさせました。
資料によると、固定資産税の取り扱いを規定している地方税法上、毎月納付の実施が可能であるかどうか検討し、年4回の納付を定めた条文の後段に、特別の事情がある場合は、これと異なる納期を定めることができるとあり、納税者の便宜を図るためという理由で総務省に照会を行ったところ、問題ないとの回答を得たということです。
次に、事務処理の負担の問題ですが、納付書で納める方法と口座振替で納める方法があり、納付書が12枚にふえることや割高なコンビニなどの手数料の増加という懸念がありました。そこで口座振替の限定とし、希望申込者を特例納付と位置づけることで実施が可能だというふうに判断をされ、昨年度から取り扱いを開始したのであります。従来の納付方法に加えて新たな納付方法を追加をしたことで、納税者がみずからより納付をしやすい方法を選択できるようになり、まさに納税者の目線に立った制度改革であると言えます。また、結果としてですが、口座振替の一層の普及によって収納率の向上を図ることができるものとも期待をされています。
そこで、財政部長にお伺いをいたします。
まず、申し上げた固定資産税の毎月払いに関するメリットの御認識について。
また、その導入における本市での課題について。
そして、それらを踏まえて本市での今後の取り組みに向けたお考えについてお尋ねをいたします。
なお、この質問に際し、新潟市財務部・本間浩一郎氏が月刊「地方自治職員研修」という政策情報誌に寄せた資料から引用させていただいたことを申し添えます。
次に、岐阜市食肉地方卸売市場の今後についてお尋ねをいたします。
岐阜市食肉地方卸売市場は本市の境川5丁目に位置し、敷地面積は岐阜中央中学校や岐阜清流中学校などとほぼ同じ約2万2,000平米。屠畜処理能力は1日当たり、大動物──牛や馬ですが、1日当たり75頭。小動物──豚や羊などですが、1日当たり600頭。冷蔵能力は小動物に換算して1,050頭。収容能力は大動物115頭、小動物560頭という規模を持ち、岐阜市民のみならず、岐阜市周辺地域の住民の食生活を支えてきました。大昔には私設、私の屠場として旧長良村にあり、明治の終わりに旧本荘村に移転、大正に入って岐阜市が買収をして上加納山に移し、そして、昭和42年、現在の地に移設、竣工してから現在に至っています。築50年を目前に老朽化もかなり進んできているところです。
現在、県内には4つの屠畜場が稼動しており、本市のほか養老町立食肉事業センター、関市食肉センター、飛騨食肉センターがあり、ちなみに関市はほとんど豚だけで、飛騨は完全に牛だけなのだそうです。あと大垣市が休止中とのことでありました。岐阜市の県内における屠畜割合は2位の養老を大きく上回り、県内の50.3%の屠畜を行っています。
さて、このうちの飛騨を除く岐阜市、関市、養老町の屠畜場を統合させようという協議が進行をしています。その準備委員会の中で統合場所を養老町とする方向で調整がまとまりつつあるとも聞こえています。心配な点もありますので、ここで農林部長にお伺いをいたします。
まず、これまでの経緯と現状、協議の状況について。
また、市内の畜産農家・生産者の皆さん、市内のお肉屋さん・販売者の皆さんは、市場が遠くなることの不便を了解しているのかどうか。実は市場と呼べるのは県内では岐阜市だけであって、養老町は、例えば、お肉屋さんが生きた牛を購入して持ち込み、屠畜解体をさせて持ち帰るという形式です。その養老町で市場の機能をどうしていくのか。運営母体というか形態、本市のかかわりや費用負担などはどうなるのか。そして、今後に想定されるスケジュールなどについてお伺いをいたします。
次に、介護保険要支援の市町村事業移行についてお尋ねをいたします。
去る6月18日、医療法や介護保険法の改正を一本化した地域における医療・介護総合確保推進法が成立、これにより介護保険制度が来年度・平成27年度から改正されることが決定をしました。
制度改正の主な内容としては、特別養護老人ホームの新規利用対象者を原則要介護3以上に限定することや、一定以上の所得のあるサービス利用者の自己負担を現行の1割から2割に引き上げることなどがありますが、特に地方自治体として準備を急がなくてはいけないことは、要支援1、2の方に関する予防給付で、訪問介護、通所介護を市町村事業である地域支援事業に段階的に移行させ、多様化をさせるという話です。
ボランティア、NPOなども活用をして柔軟効率的にさせようという考えですが、利用者からは、今まで受けていたようなサービスが引き続き受けられるのか、必要なショートステイやデイサービスを同程度の金額で、1割負担のままで使うことができるのかなどの心配の声も上がっていて、また、逆に一部ですが、身近な市町村事業になることから、もっとフォローのきいたサービスが安く提供されるのではと、そうした期待の声も聞こえてもきます。ボランティアにどこまでのサービスを任せられるのかと具体的な姿が見えない中、ケアマネジャーなどの方なども戸惑っておられるという話も聞きます。
いずれにしても、予防給付の訪問介護、通所介護は、来年度・平成27年度から遅くとも平成29年度までの3年間の間に市町村事業に移行しなければなりません。その間は全国で、これまでどおりの地域と市町村事業に移った地域とが混在することになるようです。多様な主体による柔軟な取り組みによって、効果的かつ効率的にサービスを提供できるこの仕組みを準備せよと。イメージ図を見ると、既存の事業者、NPO、住民ボランティア、コミュニティーサロンなど地域主体の交流の場などが想定をされていて、サービスの充実と費用の効率化を同時に実現できるという理想が書かれています。
私の所属する政党が法改正に反対したかどうかは別としまして、岐阜市としては必要な担い手、受け皿づくりを急がなければなりません。
そこで、福祉部長にお伺いをいたします。
まず、改めて法改正の目的と概要について。
また、制度の担い手や受け皿づくりの方針と準備状況について。
そして、3年間のどこかで移行せよということですが、本市の対応に向けたスケジュールと利用者などへの周知についてお尋ねをいたします。
最後に、気候の変化と岐阜市排水基本計画についてお尋ねをいたします。
排水基本計画とは言うまでもなく内水の処理について定めたものです。先週の竹市 勲議員の質問で、幹線水路計画延長の45%しか完了していないということでもありました。
今、日本の気候が地球温暖化であるとか、さまざまな要因があるようですが、おかしくなってきています。テレビの報道番組、新聞記事などにも書かれていますが、何より私たちの肌で感じる感覚として、変化してきていると感じていない、そういう市民はおみえにならないであろうと思うくらいであります。
さて、6・7年確率。6・7年確率、これは6から7年に一度の大雨に対応できるように準備すること。それが本市の排水基本計画の根拠であって、それが時間56ミリの雨量であるということです。しかし、その6・7年確率がいつの間にか1・2年確率に変わってしまっているとしたら、そして、昨年、岐阜市でも時間100ミリのゲリラ豪雨があったように、雨の降り方が変わったとしたら、前提が根本的に変わる、つまり計画の見直しを考えなければなりません。
先週、今回の一般質問の発言通告締め切り日の朝、テレビのニュースでは北海道白老町で1時間に120ミリを超える大雨、しかも、100ミリ以上で3時間という報道。また、その夜には東京都や大阪府でも時間100ミリを超える猛烈な大雨。それぞれ道路などが冠水する映像が流れました。つい先月には広島市で甚大な災害が発生しました。近隣では高山市でも大きな被害が出ています。毎月のように聞く観測史上始まって以来という表現にもう驚かなくなるような現実、大変心配な状況です。
さて、見直しについてでありますが、担当課に聞き取りをしますと、例えば、単純に時間56ミリの基準を、数字を引き上げたらどうなるか。仮に下流が56ミリのままで、今や、やり残している上流の数字をふやすと、上流がふえて下流が56ミリのまま、ボトルネックとなってあふれます。そのため、これまでおおむね下流から順に整備をしてきていた。つまり直すならば、もう一度下流側から先にやり直しとなる。つまり極端な話、未整備とされる55%がさらに大きく先送りとなってしまいます。しかし、だからといって現状の計画のままで放置をしておくわけにもいきません。この大変難しい連立方程式の問題にどう対応したらよいのでしょうか。
そこで、基盤整備部長にお伺いをいたします。
まず、改めて現在の岐阜市排水基本計画の根拠と整備状況について。
また、この間の気候の変化の御認識について。
そして、対策として、当面でき得る取り組みと長期的な見直しの考え方についてお尋ねをいたします。
また、側溝については排水基本計画にはない、いわば毛細血管のようなものですが、この側溝が原因での道路冠水も見受けられます。こちらの対応方についてもあわせてお尋ねをいたします。
以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)
◯副議長(山口力也君) 財政部長、丹治克行君。
〔丹治克行君登壇〕
◯財政部長(丹治克行君)
固定資産税等の毎月払いに関する御質問にお答えいたします。
固定資産税の納期は、地方税法第362条第1項により、4月、7月、12月及び2月中において市町村の条例で定めることとなっており、原則として全納もしくは4期に分けて納付することとなっております。これは、その納期が他の税目の納期と重複しないよう法律で定められているものでございます。ただし、特別な事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができることとなっております。
議員御案内の固定資産税等の毎月払いにつきましては、新潟市が昨年度から全国に先駆けて実施した新しい試みであり、この法のただし書きにあります特別な事情を弾力的に運用して、口座振替払いに限り納期を月払いとすることができるよう定めたものであります。新潟市によれば、毎月払いによるメリットとしては、納付額が平準化されるため納税の負担感の軽減につながること、そして、口座振替納付が増加し収納率の向上が期待できるとのことでありました。しかしながら、実施されるに当たりコスト面や収納事務において幾つかの課題があるともお聞きしております。まず、コスト面におきましては、納期変更のシステム改修におおよそ1億円を要したこと、口座振替が毎月となるため金融機関に支払う手数料等が増加したこと。次に、収納事務の面では、納付方法の選択肢をふやしたことにより収納管理が煩雑になったこと、収納担当課の事務負担が増加したことなどが指摘されております。
また、これまでの実績といたしまして、新潟市では納税義務者総数の約8%に当たる2万6,000人が毎月納付を選択されたとのことでありますが、そのほとんどが既に口座振替で納税されている方が毎月払いに移行したものであり、現段階では必ずしも口座納付率の増加にはつながっていないとのことでありました。
いずれにいたしましても、新潟市のこの試みは実施されてまだ間もないところであり、具体的な効果が検証されるのはこれからとなりますので、その取り組みの成果や他都市の動向などを見守りながら研究してまいりたいと考えております。
◯副議長(山口力也君) 農林部長、市岡三明君。
〔市岡三明君登壇〕
◯農林部長(市岡三明君)
岐阜市食肉地方卸売市場の今後について大きく3点の御質問にお答えいたします。
岐阜市食肉地方卸売市場は、昭和42年12月に現在地で屠畜場を併設した市場として業務を開始しました。業務開始後47年が経過し施設の老朽化が進んでおりますことから、消費者が求める安全、安心な食肉を供給するためのより近代的で衛生的な施設が求められております。また、美濃地域には本市の施設のほかに関市、養老町におきましても食肉処理施設があり、施設の老朽化など同様の課題を抱えております。
そこで、1点目の、新市場建設に向けての協議の経緯と現状についてであります。
老朽化した施設の再整備に当たっては、平成21年5月に市町村及び関係団体等により構成する岐阜県食肉基幹市場建設促進協議会が設置され、国の補助対象となる広域的な食肉基幹市場の建設に向けた協議をしてまいりました。しかしながら、意見集約に至らないことから、まずは施設の機能と設置場所について岐阜県新食肉基幹市場整備準備委員会を設置し協議を進めたところであり、その結果、本年4月の建設促進協議会臨時総会において、新施設は市場機能を有した食肉処理施設とすること及び設置場所は養老郡養老町内用地とすることの整備方針が決定されました。したがいまして、新施設は現在と同様、市場機能を有した施設として整備されることとなります。
なお、本市内での建設についてでありますが、現施設は河川敷に立地しており、河川法の制限により現地での建てかえは困難であること、また、屠畜及び食肉処理に際しては大量の地下水を使用しているため、地下水の豊富な地域においてまとまった用地を確保することは困難であること、以上の理由から市内での建設は難しいものと考えております。
次に、2点目の、生産者等関係団体の理解についてであります。
新施設整備に当たって設置された建設促進協議会には、家畜生産者で構成される岐阜県畜産協会、食肉販売業者で構成される岐阜県食肉事業協同組合連合会が参加しており、両団体からは、近代的で衛生的な食肉処理施設の建設が急務であり、早期建設が最も重要である旨の意見が出されており、理解が得られているものと考えております。
最後に、3点目の、新市場の運営形態や本市のかかわり、費用負担と今後のスケジュールについてであります。
これまでに新施設の機能と設置場所についての整備方針が決定されたところでありますので、今後は事業主体、事務局体制などを含めた運営形態や今後のスケジュールについて、他施設の状況等も参考に建設促進協議会において検討されることとなっております。
いずれにいたしましても、本市の食肉市場は施設の老朽化が進んでおりますことから、より近代的で衛生的な新施設の建設に向け、県、各市町村、関係団体と連携して協議を進めてまいります。
◯副議長(山口力也君) 福祉部長、服部 剛君。
〔服部 剛君登壇〕
◯福祉部長(服部 剛君)
介護保険要支援の市町村事業への移行に関する3点の御質問にお答えします。
1点目の、法改正の目的と概要についてでございます。
今回の法改正は、2025年に向けて75歳以上高齢者数が急増するとともに、単身や夫婦のみの高齢者世帯が急増する中で、できる限り住みなれた地域で暮らせるよう介護、医療、生活支援、介護予防を充実させるため、これまでの取り組みをさらに本格化することにより、地域包括ケアシステムの構築を推進するものでございます。また、介護費用の増加に伴って保険料の上昇が見込まれる中で、低所得者の保険料の軽減の拡大や保険料上昇をできる限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担を見直し、給付の重点化、効率化により限られた財源で介護保険制度の持続可能性を高めるための改正とされております。
2点目の、制度の担い手や受け皿づくりの方針と準備状況についてでございます。
議員御案内のように、予防給付のサービスの一部が市の事業となりますので、利用者のニーズに合わせた利用しやすいメニューにしたいと考えております。それへ向けた準備としましては、新たなサービスの担い手となり得る組織の現状把握や移行するために必要な施策を検討しているところです。例えば、現在、国の基準のもと画一的に提供されている訪問介護については、現行に準じた有資格者である訪問介護員による身体介護や生活援助を提供するサービス以外にも、NPO法人などによる掃除、洗濯、庭の草取り、買い物支援や近隣住民相互の見守りなどの多様な支援を創出していきたいと考えております。
これらの支援活動は、現在、本市においてはNPO、協同組合、住民ボランティア組織などが取り組んでおられますが、受け皿の量としては十分ではありません。そのため現在活動している団体にはエリアの拡大や新たな活動への支援、また、現在は活動していないが、そのような活動をやってみたい人の発掘や組織に対する支援が必要になると考えます。したがって、このような支援を行うコーディネーターを現在検討しております。これにより新たなサービスの提供主体となる担い手の多様化、充実を図ってまいりたいと考えております。
3点目の、対応に向けたスケジュールと市民への周知についてでございます。
担い手や受け皿となり得るサービスを考えるに当たり、利用者の需要やサービスを提供する事業者等への調査を行う必要があります。したがいまして、これらの調査を来年度行い、事業内容の調整を行った上で平成28年度から実施できるよう進めてまいります。
周知につきましては、新しいサービスに関して要支援の方が戸惑うことのないよう現在、介護予防サービスを使われている方に対しては要支援認定者への認定結果通知書にパンフレットを同封するとともに、ケアプラン作成を担当している地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に対する研修、サービス提供事業所への説明などを行ってまいります。さらに、広報ぎふを通じ幅広く市民の方に新しいサービスを御理解していただいた上でスムーズに移行できるよう努めてまいります。
◯副議長(山口力也君) 基盤整備部長、吉村清則君。
〔吉村清則君登壇〕
◯基盤整備部長(吉村清則君)
気候の変化と岐阜市排水基本計画に関する御質問にお答えいたします。
順序が前後しますので、よろしくお願いいたします。
初めに、気候の変化についての認識でございますが、国連により設立されました組織であるIPCC・気候変動に関する政府間パネルが平成25年9月に発表されました報告書によりますと、世界規模で今後さらに温暖化が進むことや、強い雨が降る地域がふえていく可能性が高いことなどが報告されております。また、日本におきましても国土交通省の資料によりますと、1時間に100ミリ以上の激しい雨が降る回数は、昭和51年から平成3年における年平均が2.3回でありましたのに対し、平成14年から平成23年の年平均が3.1回と、およそ1.3倍に増加しております。近年、雨の降り方などに変化が見られるものと強く認識しておるところでございます。
次に、現在の岐阜市排水基本計画の根拠と水路の整備状況についてでございますが、岐阜市排水基本計画は、本市の過去の雨の降り方のデータをもとに、おおむね6年から7年に一度程度の雨に相当する1時間当たり56ミリの雨を計画規模とし、市内全域の排水路について断面や勾配などを定めているものでございます。現在この計画に基づきまして進めております幹線水路の整備状況につきましては、計画延長が約337キロメートルのうち約150キロメートルが整備済みでございまして、議員御案内のように、整備率は約45%となっているところでございます。
次に、道路冠水の対策についてでございます。
道路冠水は激しい雨により路面等の雨水が一気に側溝などに流れ込みまして、排水が追いつかずにあふれてしまうことなどから起こります。その原因としましては、大きく分けまして、側溝に起因するものと側溝の放流先となります水路の未改良に起因するものがございます。このため対策に当たりましては、冠水箇所周辺の側溝等の現状把握が重要でありまして、側溝の流下能力を確認するための断面や勾配、集水能力を確認するためのグレーチングぶたの設置状況、放流先の水路の状況などを確認する調査などを行いまして、それらの結果をもとに原因を分析した上で、グレーチングぶたの増設や側溝などの狭窄箇所の改修などの対策を講じ、改善を図っているところでございます。
最後に、当面の取り組みと長期的な見直しの考え方についてでございますが、当面の取り組みといたしましては、雨水を速やかに流す対策としまして、過去に浸水した地区を中心とした幹線水路の整備などを進めているところでありますが、今後もこれらについて国の交付金等の活用を図りながら精力的に取り組んでまいりたいと考えております。また、雨水の流出を抑制する対策としまして、開発などの際には個々の宅地で雨水を地下に浸透させるますの整備の指導も引き続き行っていくほか、今後、校庭等の高さを掘り下げる雨水貯留施設整備などの拡充の可能性につきましても検討してまいりたいと考えておるところでございます。
長期的な見直しの考え方につきましては、現状では幹線水路の整備率は、先ほど申しましたように45%であり、十分と言える水準には達しておりません。また、その完成までには相当な年月と多くの費用を要する状況にございます。こうしたことから、これまで下流から順次整備を進めている状況などを踏まえまして、現在の排水計画に基づき、幹線水路の整備率を積極的に高めていくことに重点を置いて進めてまいりたいと考えております。 また、気候変動への適応策などにつきましては、国におきましてもいろいろな分野で検討が進められておりますので、そうしたことも今後の本市の取り組みの参考にしてまいりたいというふうに考えております。
今後もハード対策としての排水路等の施設整備だけではなく、ハザードマップなどを活用した警戒情報や避難の周知など、ソフト対策を実施しております関連部署とも密接に連携しまして、総合的な治水への取り組みを市民の皆様のより安全、安心な暮らしの実現となるよう取り組んでまいります。
〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕
◯副議長(山口力也君) 22番、松原和生君。
〔松原和生君登壇〕
◯22番(松原和生君)
それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
要望、意見と少しだけ再質問をさせていただきます。
まず、固定資産税などの毎月払いについてです。
納付額が平準化されるため納税の負担感の軽減につながる、口座振替納付が増加し収納率の向上が期待できるというメリットです。一方で、コスト面や収納事務において幾つかの課題があるということで、システム改修に新潟市の場合1億円を要したこと、これは確かにかかるであろうと思われます。収納管理が煩雑になること、収納担当課の事務負担が増加することも課題だとされましたが、口座振替ですから、お願いしてでもやってほしいくらいだという気がします。
金融機関に支払う手数料の増加も心配ということですが、口座振替は1件当たり10.8円、郵便局だけは消費税をおまけしてくれるみたいで、1件当たり10円です。一方、コンビニ納付は1件当たり58.32円、つまり約60円、6倍です。ここからの移行だけでも単純にもとが引けるような、こんな割合なんですけども、この収納担当課の事務とか収納管理が煩雑になる、役所の都合のような話のわけですが、例えば、民間企業の中部電力さんや東邦ガスさんが収納管理が煩雑になる、収納担当課の事務負担が増加するからといって毎月払いをやめることが果たしてできるでしょうか。 ちなみに少し調べてみましたが、口座振替を選んだ場合に限り、中電さん、東電さんなどは毎月54円を割引、また、東邦ガスは割引なしですが、東京ガスではやはり月、口座振替の方は54円を割引することで、口座振替への誘導を図っています。ともにクレジットカード払いの場合には、この割引は適用をされません。ぜひ役所の常識からではなくて、市民目線の柔軟な発想に立って対応を考えていただきたいと要望をいたします。 なお、市県民税についてはサラリーマンや公務員、年金生活者、そして、私たちなどについては特別徴収、また、年金特別徴収、こうした手法によって毎月払いとなっていて、その合計は約67%、残る33%の方が普通徴収となっています。県民税との関係もあって県との協力も必要でしょうが、こちらのほうも次のステップとして研究をしていただければというふうに思います。
次に、岐阜市食肉地方卸売市場の今後についてです。
設置場所は養老町内とする整備方針だということです。業務開始後47年が経過して老朽化していること、安全、安心な食肉を提供するために、より近代的、衛生的な施設が必要ということについては了解をいたします。ただ、施設利用者の理解が得られているという点については、取り寄せた議事録を見せていただくと、岐阜市も関市も県中央での整備を望んでいるということでした。養老町は、そこにいう県中央だとは思えません。市内での建設が困難であるという説明に仕方なく応じたということだと思います。
現在、岐阜市食肉地方卸売市場には市の職員が嘱託員、業務委託を含めて20名、そのほかに現地での民間の業務従事者が82名ということです。合わせて102名ということですが、経済の波及効果などもあったことだと思います。商工観光部がものづくり産業集積地計画で6月に衣料品製造販売会社・トムスを誘致した土地は約2万1,700平米で、これはまさに岐阜市食肉地方卸売市場の敷地面積とほぼ同じ。そういう意味では、1つの産業をみすみす手放すという見方もできます。一方で、現地の地域事情に明るい方から、ここが迷惑施設という側面があったという話も聞き、その点では受け入れ先があったという考え方もできるでしょう。
いずれにしても、影響は農林部だけにはとどまらないと思うことから、関係者、施設利用者、地域住民など、しっかりと意見を伺いながら進めていただくよう要望をいたします。
なお、現地は堤外の3号地でありますが、隣接をする岐阜羽島衛生施設組合の焼却施設、平成28年3月までとされている使用停止後の跡地と一体的に利用できる土地であることも今後しっかりと検討していただきたいというふうに思います。
次に、介護保険要支援の市町村事業移行についてです。
新たなサービスの担い手となり得る組織の現状把握や、移行するために必要な施策を検討しているという状況でありました。現行に準じたサービス以外にもNPOなどによる掃除、洗濯、庭の草取り、買い物支援や近隣住民相互の見守りなどの多様な支援を創出したいということでした。そのためには我が会派の代表質問で石井議員が質問した地域包括ケアシステムの構築も、いよいよ理念だけではなく具体化をさせなければなりません。石井議員への答弁にあった岐阜市シルバー人材センターのシニア皆援隊の取り組みなどは、その一歩かもしれません。最短の平成27年度からの実施は見送り、平成28年度からの実施を目指すという話ですが、担い手、受け皿づくりでボランティアの皆さんにまで強制はできません。広く理解を得ながら上手に移行ができるとしたならば、これはすばらしい話であります。とにかく待ったなしの市町村事業移行であります。しっかりと準備を進めていただくよう要望をいたしておきます。
最後に、気候の変化と岐阜市排水基本計画についてであります。
このようにすれば解決するという方策がまだまだ手探り状態だというふうに私自身思う中、答えにくい質問をしたと思っています。私も議員になってから地元の水路拡幅などの要望にかかわると、市は6・7年確率の時間56ミリに対応しているから、今のところ基準に合っているという答えを受けたことがあります。また、逆に、ふだん水がほとんどない水路の幅を狭めて道路のほうを広げてほしいと、こういう要望にかかわると、やはり市は6・7年確率の時間56ミリに不足をすることになるからだめだという答えをいただいたこともあります。しかし、その岐阜市が信じる根拠自体が変わっているとしたら、どうすればよいのか。すぐに全てをやり直すことは現実的ではないことはわかります。まずは答弁にあったような当面でき得る取り組みをしっかりと行っていただきながら、長期的なことについてはしっかり検討を重ねていただきたいというふうに思います。なお、スクリーンが詰まってダムのようになり、あふれ返ることが繰り返される場所への対応や、一気に流れくる金華山の水路を担当される森林管理署との連携などについては、しっかりと行っていただくよう要望をいたしたいと思います。
さて、気候の変化を心配する話は、この岐阜市だけではなく、当然、今や全国共通の課題であるというふうに認識をしています。特にここ数年、国においては降り方が変わった大雨の状況と、その対応について真剣に議論をされていることと思いますが、果たしてどのような議論をされているのか、ぜひ御存じの点についてを佐藤副市長にお尋ねをしたいと思います。
以上で私の第2回目の質問を終わります。
◯副議長(山口力也君) 副市長、佐藤哲也君。
〔佐藤哲也君登壇〕
◯副市長(佐藤哲也君)
ただいまの再質問にお答えいたします。
まず、気候の変化に対する全体的な国の動向でございますけれども、先ほど部長の答弁の中にもありましたが、気候変動に関する政府間パネル・IPCCから第4次評価報告書が公表されました平成19年以降、各分野において気候変化への適応策についての取り組みが進められているところでございます。
まず、政府全体の取り組みといたしましては、平成25年7月に中央環境審議会地球環境部会の中に気候変動影響評価等小委員会というのが設置されております。ここでは政府全体の気候変動に対します適応計画策定に向けまして、既存の研究によります気候変動予測や影響評価などについて整理をして、気候変動が日本に与える影響及びリスクの評価について審議を今しているところでございます。この中央環境審議会の小委員会では、平成27年に日本における気候変動の影響及びリスク評価に関する報告と今後の課題を意見具申として取りまとめるという予定をされております。 一方、治水に関しましては国土交通省が中心になりますが、平成26年3月に国土交通省で改定いたしました「環境行動計画─環境危機を乗り越え、持続可能な社会を目指す─」におきましても、今後推進すべき環境政策の7つの柱の1つとして、地球温暖化対策・適応策の推進が掲げられております。その中にも水災害・沿岸分野における適応策を推進するということとされております。
また、並行しまして平成25年12月には国土交通大臣から社会資本整備審議会に対しまして、「水災害分野に係る気候変動適応策のあり方について」という諮問がされております。現在、同審議会、社会資本整備審議会の河川分科会に、気候変動に適応した治水対策検討小委員会が設置されております。そこで水災害分野に係る最近の動向などを踏まえまして、今後さらに取り組むべき水災害分野の気候変動適応策などについて検討が進められております。具体的な検討の内容といたしましては、例えば、現況の施設規模ですとか、計画規模を上回る外力──雨ですとか風とかですね、──への対応、それから、既存の施設の徹底した活用ですとか、維持管理を含めました施設による適応策。また、3つ目には、土地利用など地域づくりと一体となった適応策。また、4つ目には、ソフト対策など危機管理対応を中心とした適応策などについて検討が行われておりまして、これも平成27年に取りまとめの予定ということになっております。
先ほど中央環境審議会という話をしましたが、各省この適応策をつくっておりますが、この適応策を取りまとめて、平成27年の夏ごろを目途に政府の適応計画というのを閣議決定される予定というふうに伺っております。
今後はこのような国の検討状況などを注視いたしまして、本市におきましても必要なハード、ソフト対策を実施いたしまして、市民の安全、安心の確保に努めてまいりたいと思います。