岐阜市議会議員 まつばら和生

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平成25年11月議会(一般質問)

◯22番(松原和生君)
 原稿には「おはようございます」と書いたんですけども、ちょっと時間が遅くなりましたので、そこは飛ばしまして、発言通告に基づきまして、順次お尋ねをいたします。
 まず初めに、異常気象時などの児童生徒の学校待機についてお尋ねをいたします。
 近年の異常気象の多発、最近では伊豆大島やフィリピンでの自然災害の猛威を見ますと、まさかと思うような異常気象がまさかではなくなっているような気がします。
 岐阜市においても、この9月、1時間約100ミリという記録的な豪雨を観測しました。従来、異常気象時において小中学校では授業を打ち切る、つまり速やかに帰宅をさせるという対応をとってきました。しかし、一昨年9月、多治見市の小学校の児童が大雨による集団下校の途中で用水路に流され遺体で発見された事故や、ことし9月、関市の特別支援学校の生徒を大雨警報の発令中に1人で下校させ、増水した川に落ちて死亡させる事故が発生してしまいました。同じ年ごろの子を持つ親として胸が痛みます。御冥福をお祈りいたします。
 この間、それまで基本的には暴風警報の場合だけが休校で、大雨警報や洪水警報は休校とはなっていませんでしたが、その対応が大雨、洪水、大雪の警報の場合にも拡大をされました。そして、ことし9月の事故による県教委の対応を受けて、本市でも登校後であれば学校に待機をさせる、帰宅をさせるのではなくて学校に待機をさせる、保護者へ直接引き渡すという対応への見直しを確認したところであります。
 確かに学校の置かれた状況にもよりますが、鉄筋コンクリートの校舎であれば下校するよりも待機したほうが安全であるという考えは正しく、住民が避難に集まるような場所にもともといるのですから、児童生徒の安全確保のためには最も適切な方法であろうと考えます。
 さて、一昨日の本会議で自民クラブの須田 眞議員が触れられましたように、9月の3日、岐阜県立長良高等学校に落雷がありました。学校への電気ケーブルが焼け、配電盤がいかれ、停電となりました。トイレの水をくみ上げることもできなくなり、復旧に時間がかかり、翌日も休校になったそうであります。学校全ての電源が落ちたということです。
 大雨警報が発令されているわけですから、今後もそういった日に雷が落ちる可能性はあるでしょう。学校の電気系統が全て停止をする。トイレも使えなくなる。電話もファクスも使えない。今は先生方も携帯電話を個人的にお持ちでしょうが、保護者を初め、外部の人に番号を広く公表していることはありません。夕方になると学校は真っ暗になります。暖房もとれません。心配でありますが、長良高校のような雷が直撃したとき、本市でも一発で同じことが起きる構造の学校はどれくらいあるのか、お尋ねをいたします。
 異常気象時の学校待機の方針をはっきりと打ち出しました。迎えに来る保護者に引き渡すまで、たとえ24時を過ぎようとも最後の1人まで預かるということです。保護者が引き取りに来るように、学校から携帯一斉メールが送信をされます。順番に引き渡しますが、仕事でなかなか来れない保護者もあるでしょう。台風で名鉄もJRも運転を見合わせていて、名古屋などから戻るすべのない保護者もあります。保健室のベッドには限りがありますし、おなかもすくでしょう。私がPTA役員やコミュニティ・スクールの委員として学校に駆けつけたならば、児童の親と仲のよいであろう保護者の家に電話をして預かってもらうことも考えますし、買い出しも手伝います。必要ならば毛布も集めてくるでしょう。そうした可能性はゼロではありません。加えて、先ほどの例の停電にでもなればもっと大変です。全てを臨機応変というだけでなく、最低限必要な対応を考えておいたほうがよいと思いますが、何時まででも預かると決めた学校での待機の体制についてお尋ねをいたします。
 次に、長良川流域の文化的景観についてお尋ねをいたします。
 先月、長良川中流域における岐阜の文化的景観を国の重要文化的景観とする旨、国の文化審議会から文部科学大臣に答申されました。翌日の各朝刊紙には、「東海4県で初選定 誇れる風土」、「県の風景、宝物に」などと大きく取り上げられ祝福されるとともに、その今後について大いに期待がされています。
 重要文化的景観とは、「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」とされ、これまでに全国で38件が選定をされています。
 岐阜市の文化的景観の価値としては、「現在の町並みには、長良川や金華山と一体となり発展してきた城下町に由来する都市の構造が色濃く残っていること」、「そのような町の中で、地域の人々が、長良川や金華山の恵みを受けながら、またいつも川と山を意識しながら、昔ながらの生業・生活を営んでいること」だとされています。
 教育委員会は、これまで複数年にわたり、地域の同意を得るために地元自治会連合会や地元まちづくり会などに対し説明を行ってきました。そのほとんどに出席した私にとっても長いかかわりであり、この選定を大変うれしく思っていますが、地元住民として改めて議事録に残る場で確認しておきたいと思う部分を含めて質問をさせていただきます。
 まず初めに、改めて伺いますが、国の重要文化的景観に選定された長良川中流域における岐阜の文化的景観とはどういうものか。
 また、私はこの間、地域住民からそのメリットとデメリットを聞かれたとき、わかりやすい言葉で言えば、メリットとは町並み保存や整備などに国の補助金が得られるようになること、地域のイメージが高まることと住民が誇りに思えること、こんなふうに説明してきました。
 住民の生活におけるデメリットとは、文化庁の指定ですから、暮らしに何らかの規制がかかるということです。ゼロではありませんが、建物の高さや屋外広告物の規制などは既にもうかかっており、そのことも評価をされた理由の1つであって、今回、新たに上乗せになるものはありませんという説明をしてきたつもりです。また、岐阜公園の再整備計画に横やりが入ったり、おくれの原因になることもないと聞いています。それらの点について相違はないかどうか、お尋ねをいたします。
 そして、今後この選定を生かしてどのように具体的な取り組みを進めていかれるのか、以上を教育長にお尋ねをいたします。
 次に、有害鳥獣対策に係る猟友会への支援についてお尋ねをいたします。
 警察や市役所にイノシシなどが市街地にあらわれたという通報が入ると、市は猟友会の捕獲班の皆さんに出動を要請します。たとえ深夜であってもであります。市民の安全、安心を守るため、現場で危険と背中合わせの仕事を行っていただくのは、実は猟友会の皆さんなのであります。
 猟友会の皆さんには、イノシシ、猿、鹿、岐阜市では少ないですが、時には熊、また、カラスなども含めて有害鳥獣の駆除に携わっていただいています。
 苦労話を聞くと、山に入った有害鳥獣は当然登山道などを歩くわけもなく、足取りを追って危険な本当に道なき道を進んだり、キイロスズメバチの巣に遭遇したり、かぶれる植物の茂みを通ったり、マムシをしょっちゅう見たりということで、その御苦労には感謝をいたします。
 その猟友会の皆さんですが、全国的に会員数の減少を続けていて、また、高齢化も進行しており、このままでは、この先10年後も同じように協力いただける体制が維持できるのか、心配な状況になっています。
 山間部や農村部の多い自治体にとっては死活問題で、その危機感から、例えば、狩猟免許の取得、狩猟税、猟銃購入費、猟銃保管設備購入費などについて3分の2の補助を行ったり、社会貢献として表彰を行うなどで血なまぐさいというイメージからの脱却と社会的地位の向上を図るなど、でき得る支援策を講じています。また、国への係る要望行動も一緒になって行っています。
 岐阜市においても状況は同様であり、猟友会の皆さんの会員確保、社会的地位向上、わずかかもしれませんが、財政面など、でき得る支援策を講じなければ、近い将来、岐阜市の有害鳥獣駆除が成り立たなくなってしまうのですが、その現状と対策についてお伺いをいたします。
 ちなみに以前、金華山のイノシシの駆除に関する質問をしたとき、「食べるのか。」と、こういうふうに言われた議員がありましたが、決して食べられる代物ではなく、岐阜市の斎苑に運び込み、小動物の火葬場に持ち込んで、大きさによってはその持ち込んだ人の手で解体をして入れ、その焼却費もわずかな委託料から持ち出しなのだということです。
 一方、猟友会の皆さんの減少や高齢化に対応し、その負担を軽減するため、他都市では自治体職員に狩猟免許や銃の所持許可の取得を奨励したり、担当部の職員が受験するような事例が次々と見られるようになりました。直接的な対応策ですが、事情を聞くと簡単なことではないようです。そうしたよその自治体での、いわゆる公務員ハンター部隊養成の動きの状況と、本市でも実現をさせるお考えがあるのかどうかについてお伺いをいたします。
 最後に、徹明小・木之本小・本荘小校区が通学する中学校についてお尋ねをいたします。
 皆さん、想像してみてください。名鉄の岐阜駅、名鉄の岐阜駅で電車をおりた人が岐阜市民病院まで歩いていかれることがあるでしょうか。ウオーキング大会でもない限りありません。それを、そのさらに数百メートル先まで毎日歩いている人を知っています。それは徹明小校区から本荘中学校に通学をする生徒たちです。
 私の地元では、明郷中学や伊奈波中学の生徒たちが長良川を渡って通学するのを何とか解消してあげたいというのが長年の悲願でありましたが、何ともしてあげることがこれまでできませんでした。中心部に土地がなかったからです。しかし、昨年ついにそれが解消をされました。金華小と京町小の統合によって生まれた旧京町小学校の跡地に、小学校だけでは少し小さいので、隣の盲学校の敷地も合わせることで岐阜中央中学校が誕生したのであります。
 本荘中学校についても真横に並んだ3つの校区の中心につくってあげたいという思いはずっと持たれ続けてきましたが、さきの話と同じように、市内中心部には土地がなく、どうしてあげることもできませんでした。しかし、今、二度とない、またとない話が浮上しようとしています。中心部の学校統合により、木之本小学校の敷地があく可能性が出てきたということです。
 教育委員会や地域の関係者から伺った話ですが、学校統合に関する徹明小学校での説明会の場でこんな意見が強く出たそうであります。それは「小学校の話はともかく、中学校はどうなっているんだ。私たちは遠い本荘中学ではなく、近くに誕生した岐阜中央中学に通いたいが、なぜできないんだ。」といった意見です。    

〔私語する者あり〕

多くの人がうなずいていたそうです。

〔私語する者あり〕

こうした長い長い間の懸案を    

〔私語する者あり〕

今こそ解消してあげることができるのであります。
 私は以前に金華小学校のPTA役員を務めていた立場から、    

〔私語する者あり〕 金華小・京町小統合準備委員会の委員を立ち上げから最終まで、ずっと務めさせていただきました。そのときの経験を振り返って申し上げますならば、中心市街地における学校統合の第1号となることに地域の合意を得られることができたのは、跡地を中学校にすることがセットであったからだと思っています。思い出の場所が学校でなくなることは、  〔私語する者あり〕

つらく寂しいものがあることは間違いありません。   

〔私語する者あり〕

幾らきれいごとを言っても隠し切れません。また、地域活動の拠点として学校があり、子どもがいることは、はかり知れないプラス効果があることは疑いようのない事実です。   

〔私語する者あり〕

 そこで、京町小学校においては小さい子どもはいなくなるけども、少し年上の子どもたちが倍の人数になって戻ってくる、学校が学校であり続けたということが合意を得ることができた最大の理由だったと思っています。
 ちなみに今議会の会派精読で市民病院長に聞き取りをしました。「もしも本荘中学の敷地があいたとしたら、   

〔私語する者あり〕

使いたいか。」と聞いたところ、「絶対に欲しい。  

〔私語する者あり〕

今の敷地ではぱんぱんで限界である。災害拠点病院、急性期病院として中病棟の建てかえ、ベッド数の増床、駐車場の確保等々、さまざまな用途から、そんな話があるならば絶対に欲しい。」私が「広いですよ。」と、こう言うと、「広過ぎることはない。全部が欲しい。」というコメントでした。もちろん、かつて私が参加した統合準備委員会の中でも跡地を市長部局が欲しいという理由でどちらかを選ぶという話は絶対に禁止で、子どものためにという観点だけから決めるという約束でしたので、そういう意味では、市民病院長の話はあくまでも参考ですが、仮に跡地が生まれたときに無駄な空き地にはならない点だけは確認できたということです。
 木之本小の敷地面積は1万6,600平米強、隣の木之本公園の3,000平米強を加えて、その間の道路を廃道にしてつなげれば約2万平米の敷地面積となり、文部科学省の基準は楽にクリアします。ちなみに新設の岐阜中央中学校と岐阜清流中学校はともに2万1,000平米台であり、ほぼ近い面積が確保できます。都市公園である木之本公園の代替地としては、先方と交渉したわけではありませんが、道路を挟んだ向かいに朝日大学の空き地があり、また、香蘭地区には4,200平米の市有地の空き地が残っています。申し上げてきましたように、まさに四方よし、八方よしという話であります。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 徹明小、木之本小の2校の統合が校地が決まらず教育委員会に結論を預けたと聞いています。真横に並んだ3校の端から端、隣の精華中学校区との境目のような場所から、中学校を本来あるべき真ん中近くに持ってくる二度とない機会と捉えなくてはいけません。中心部に土地がなかったばかりに長年にわたって御苦労をおかけしてきました。このチャンスを間違って逃し、この先さらに50年、100年先も名鉄の岐阜駅から岐阜市民病院のさらに先まで子どもたちを歩かせ続けることのないように、徹明小、木之本小、本荘小の通学する中学校の再配置を検討するべきだと考えます。  申し上げました、この中学校の問題に関する御認識と客観的に移動が可能であるのかどうか、そして、今後の議論の進め方について教育長のお考えをお伺いいたします。
 以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)


◯議長(國井忠男君) 教育長、早川三根夫君。
   〔早川三根夫君登壇〕


◯教育長(早川三根夫君)
 議員から大きく3点について御質問いただきました。
 まず、異常気象時の学校待機の対応についての御質問に対してお答えいたします。
 9月3日に長良高等学校において校内の引き込み電柱付近に落雷があり、これにより全ての電気がストップし、給水ポンプや照明も使えなくなり、水道水も高置水槽って、──高いところに置いてある水槽のことですが、──にあった水がなくなった時点で断水をしました。徹夜での復旧作業により翌朝6時に全てが復旧したということです。
 落雷による被害をなくすために避雷器というものがあります。しかし、100%落雷を防げるものではなく、実際今回の長良高校にも設置がしてあったにもかかわらず、被害を受けたということでした。
 市内の小中学校にこのような雷が落ちた場合、ほとんどの学校が長良高校と同様な停電になるものと思います。停電になった場合は学校から教育施設課に携帯電話などで連絡が入り、至急職員及び保守点検業者を現地に向かわせ、現地の状況により修理業者の手配などを行い、速やかに復旧に努めるようにします。また、小学校には防災用倉庫が設置してあり、倉庫内に非常用の発電機が配置してあるため、停電時は電話交換機などの電源が確保できるかなどを含め、今後、都市防災部と協議しながら考えていく必要があります。
 なお、今回、長良高校にヒアリングをした中でトイレが使えなかったということが一番大変だったということでした。北隣に東長良中学校があります。今後はそうしたときには融通し合って使うことができるように申し合わせをいたしました。
 今回は校舎に被害がありましたが、より心配なのは子どもが落雷に遭うことです。安全確保に細心の注意を払ってまいります。
 また、9月4日に県内を襲った集中豪雨の際に、自転車で下校中の県立特別支援学校生徒が川に流され死亡するという痛ましい事故が発生しました。このことを受け、命を守るを最優先とした対応を重視し、岐阜市立の学校に対して、全ての警報発令時は学校待機、自宅待機という対応を原則といたしました。学校待機の場合、子どもを安全に帰宅させる方法として保護者への引き渡しを行います。家庭の事情によって保護者の方となかなか連絡がとれない場合も想定されます。このような場合には最後の1人まで教職員の管理のもと学校で待機させるように指示してあります。
 ちなみに9月4日における保護者引き渡しにおいては、最終は19時25分で全員子どもたちを無事帰すことができました。
 学校待機が長時間に及ぶ場合、学校長の判断で各校に設置してある災害用備蓄品の活用ができるよう今後も都市防災部と連携を図ってまいります。
 2点目、文化的景観についてお答えいたします。
 まず、議員を初め、金華地区や鵜飼屋地区の皆さんの御理解と御協力により、今回の国の重要文化的景観への選定に至りましたことを感謝申し上げます。
 また、この文化的景観事業は、本市が目指す長良川鵜飼のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みの一環で進めてきたものであり、登録に向けた大きな一歩になったものと認識しております。さて、文化的景観とは、地域の自然と人々の日々の生活の中でつくり上げた景観のことをいい、特に重要なものを市町村などの申し出に基づき重要文化的景観として国が選定する制度です。
 岐阜市では平成19年度から国の重要文化的景観への選定に向けた価値づけ調査に着手いたしました。調査の結果、斎藤道三公や織田信長公の時代からの道や町割りが今も残る地区であること、町家において格子を洗い、金華山が見える本座敷に大事な客人を招き入れてもてなすという岐阜人の気質をかいま見る習慣があることなどがわかりました。
 この調査結果を踏まえ、地元の皆さんや関係機関などと協議を経て、ことし7月に文化庁に選定のための申出書を提出したところ、国の文化審議会がその価値を認め、国重要文化的景観に選定するよう文部科学大臣に答申がなされたところであります。これは東海地区で初めての国の重要文化的景観です。また、文化的景観の多くは農村や漁村の景観が選定されていますが、その中で都市の町並みが文化的景観として選定されたのは、京都府宇治市、石川県金沢市に次いで全国3例目となります。
 さて、文化的景観は、景観法など既にある法令等により、そこに住む人々のなりわいや暮らしの変化に対して配慮しながら、地域の重要な原風景を守ることを使命とした新しい考え方の文化財です。したがって、議員御案内のとおり、地元の皆様の生活や岐阜公園の再整備計画に新たな規制がかかることはございません。ただし、選定区域内において文化的景観の価値を象徴する重要な構成要素として選んだ道路や水路、建築物や構造物など104件については、修理や修景の工事の際に国に届け出をし、工事費用の2分の1の補助を受ける仕組みになっております。
 次に、今後の具体的な取り組みについてですが、この文化的景観を過去から現在、そして、未来へ守り引き継ぐためには地元の皆様がその価値ある町並みの中で暮らし、子から孫へと受け継いでいただくことが重要です。普通に眺めている風景や習慣が、ほかでは見ることができない特別な文化的な価値のある誇るべき宝であるということを、さまざまな機会を通して皆様に知っていただけるように努め、制度を活用してまちの魅力を高めていくための準備に着手してまいります。
 3点目、徹明、木之本、両地区の本荘中学校に関することでございますが、徹明、木之本、両地区の自治会、PTAの皆様には、まずもって精力的に統合準備委員会において審議いただいたことに深く感謝を申し上げるとともに、地域の方々の学校に対する深い愛情を改めて実感いたしました。
 統合準備委員会から提出いただいた意見書は、御質問の件と密接にかかわってまいります。意見書の主な内容といたしましては、1、統合は必要であり、推進する。2、通学先は結論を出せないため、教育委員会に決定を委ねる。3、跡地活用は通学先決定後に地域と市との継続的協議を要望するということです。
 審議の中ではさまざまな意見が出ており、その中には徹明小から本荘中に通うのは非常に遠く、跡地については中学校の移転も選択肢として検討してほしいという意見もございましたし、一方で、本荘中の面積は現況3万3,000平方メートルであり、木之本小と木之本公園を合わせても2万平方メートルと、約3分の2に狭くなってしまうという意見もございました。本荘中学校の位置は3小学校区合わせた地域の中心からかなり離れておりますが、通学距離の点でいえば、現在、本荘中学校へ通う一番遠い生徒は約3キロであり、市内各中学校の最も遠い通学距離の平均距離は約3.7キロメートルであることから、本荘中学校の通学距離が一概に遠いとは言い切れず、現在の位置に著しい不都合があるわけではないと考えます。 

〔私語する者あり〕

 学校の移動が可能かどうかについては、学校の位置変更はどこの学校であっても、法令、条例等に従い実施すれば、技術的には当然可能です。
 今後の論議の進め方については、現在、教育委員がそれぞれの地区で住民の代表の方々の御意見を伺う場を設けており、11月19日には徹明地区で開催いたしました。12月には木之本地区でも開催する予定で、そのほかにも地域の皆様の御意見を広く伺う場を設けていきたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、地域の方々、保護者の方々の意見を伺いながら、あらゆる観点から検討しつつ、意見書を重く受けとめ、真に子どもたちにとっての最善の利益は何かという点において判断がぶれることないよう、困難な決断ではありますが、慎重に手順を踏んで粛々と進めてまいります。   

〔私語する者あり〕


◯議長(國井忠男君) 農林部長、市岡三明君。    

〔私語する者多し〕

   〔市岡三明君登壇〕


◯農林部長(市岡三明君)
 猟友会の支援に関する2点の御質問にお答えいたします。
 イノシシやニホンジカなど野生鳥獣による農作物への被害は本市におきましても深刻な状況が続いており、有害鳥獣の捕獲は被害軽減に向けての重要な対策の1つであります。とりわけ最近では市街地での出没も見られ、市民の方への危険も懸念される状況となっております。
 この有害鳥獣の捕獲には高度な技術と豊富な経験を有した猟友会の役員の協力が不可欠ではありますが、議員御指摘のとおり、猟友会の会員数は年々減少するとともに高齢化が進んでおり、今後の継続的な捕獲の実施が憂慮されているところであります。
 そこで、猟友会の会員数の推移でありますが、平成24年度と10年前の平成14年度を比較した場合、本市では170人から129人と、41人、率にしまして約24%減少しており、全国の約27%の減少、岐阜県の約20%の減少と同様、減少傾向が続いております。
 そこで、まず1点目の、猟友会への支援についてであります。
 県では狩猟免許を取得しようとする方々を対象に狩猟免許に必要な知識、技能を学ぶための無料講習会が開催されております。本市といたしましては県が行うこうした講習会の啓発に加え、農作物被害の軽減を図るためのパトロールや講習会の開催等を猟友会に委託することで、猟友会活動への理解と狩猟に対するイメージの向上を図り、新たな会員確保につなげているところであります。
 また、これらの委託を通じ農家の方々に猟友会の役割や重要性を認識していただき、被害軽減に向けた防衛策をみずから実施していただくことで猟友会の負担軽減を図るよう努めております。
 さらには、緊急を要する有害鳥獣捕獲に備え速やかに対応できるよう箱わな等を購入、配備する支援も行っているところであります。
 次に、2点目の、市職員の狩猟免許取得についての御質問であります。
 深刻な農作物被害の防止を目的に、いわゆる公務員ハンターを養成しようとする地方自治体があらわれております。静岡県では行政と農協による研究会を立ち上げ、自治体職員による狩猟免許取得の促進策の検討が行われており、また、山口県萩市では希望する一般職員10人が狩猟免許を取得されたと聞いております。県内におきましては平成24年度に導入された清流の国ぎふ森林・環境税の野生生物保護管理事業を活用され、郡上市で1人の方が銃猟免許   

〔私語する者あり〕

──銃の免許でございます。──を取得し、有害鳥獣捕獲活動に取り組まれております。いずれも狩猟人口の減少や高齢化に伴い、野生鳥獣の捕獲の停滞が懸念されることに対処しようとするものであります。しかしながら、捕獲活動では、銃器や特殊わなの使用など危険な要素があることや、特に本市では捕獲場所が民家周辺に多いことなど、その地域の特性、安全管理体制など、さまざまな課題があることから、現時点での導入は難しいものと考えております。
 いずれにいたしましても、農作物等への被害軽減に当たっては有害鳥獣の捕獲が最も有効な手段でありますことから、その重要な役割を担う猟友会への支援を継続するとともに、新たな支援策の研究や効果的な有害鳥獣対策のあり方についても検討してまいります。   

〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕


◯議長(國井忠男君) 22番、松原和生君。
   〔松原和生君登壇〕


◯22番(松原和生君)
 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 要望と数点の再質問をしたいと思います。
 まず、異常気象時などの児童生徒の学校待機についてであります。
 たまたま昨日の夜、岐阜小コミュニティ・スクールの安全安心部会が開催をされ、私も出席をしました。9月の1週、1時間約100ミリの雨量となったとき──先ほど教育長が説明をされたその日ですが、──の対応について話題となりました。全国放送で柳ケ瀬の道路の冠水が放送されたときであります。
 校区内でいうとNHKの前あたりの道路などが冠水をしてしまい、危険と判断を下し、下校ではなく保護者への引き渡しを決めました。どしゃ降りが続いたため、車での来校も可としました。混乱を避けるため学年で引き取り時間をずらし、1、2年生はメール到着後直ちに、3、4年生は4時10分から、5、6年生は4時30分を目安として、兄弟については下の児童の学年に合わせて帰しました。車は原則南門から出入りというふうに扱いを統一しました。なお、最後に、保護者の方自身も安全を確保して慌てずに来てください、こうした内容の保護者一斉メールを送信したのであります。
 その後、2回目のメールとして、再び雷や雨が激しくなってきました。校区内でも水がたまって通れない道路があります。学校では何時まででもお子さんを預かりますので、状況判断をし、御自身の安全に考慮して慌てずに迎えに来てください。
 この2通のメールは、岐阜小コミュニティ・スクールの安全安心部会の委員にも送信をされました。そのため安全安心部会長などが、部会長は京町地区の自治会長ですが、部会長などが学校に駆けつけて、雨の中を校門の付近で混乱する保護者の車の整理を手伝ったそうです。私は9月議会の議案精読の途中でしたので、現地にはもちろん行けませんでしたが、複数のコミュニティ・スクールの安全安心部会の委員がお手伝いをしたのだそうであります。
 今回の話で極端で過度な準備まではもともと要望をしていません。でき得る用意と心構えをしておくべきだと申し上げたわけですが、御答弁にありましたとおり、しっかりと対応してほしいと思います。
 1点だけ確認ですが、都市防災部とも相談するということでしたので、全ての小学校には現在、防災倉庫が設置をされています。鍵をあければ中には発電機、毛布、水、乾パンなども入っています。それらの活用も含めた学校との連携について、しっかりと大丈夫かどうか、都市防災部長にお尋ねをいたします。
 次に、長良川流域の文化的景観と地域住民の生活についてです。
 せっかくの国の重要文化的景観の選定を、ぜひ岐阜市の魅力アップにつながる、そのいわば格付、お墨つきとして上手に活用してほしいと思います。そのために例えば、観光面でいえば、誘致のためのチラシやパンフレットへのうまい記載、滞在型観光としてのメニュー設定、これらは商工観光部となるでしょう。補助金を生かした町並み保存などはまちづくり推進部や都市建設部の仕事とも重なります。重要な構成要素とされたのは104件、うち建物は29件で、修繕工事費用の半分を国が負担するという、こういうことも含んだ制度であり、その29件には、岐阜城の天守、三重塔、岐阜大仏のある正法寺、旧紙問屋の商家の家屋などがその重要な構成要素に入っています。複数の関係部署の連携をしっかり図ることによって、より成果が上がるものと考えます。
 先入観で申し上げて悪いのですが、どちらかというと、教育委員会は独立組織であることもあってか、そうした取りまとめ役になることになれてみえないと思われます。
 そこで、藤沢副市長に、この国の重要文化的景観の選定を生かすための各部署間の連携についてお尋ねをいたします。
 次に、有害鳥獣対策に対応する猟友会への支援についてであります。
 いわゆる公務員ハンターの養成は岐阜市では簡単ではないということです。例えれば、議場におみえの理事者の皆さんの家に散弾銃やライフル銃を資格を取って置くと、皆さんの部下ということになるかもしれませんが、そういう職員の皆さんの家に置くと、そういったことになるわけで、それが難しいと答えられるのは予想の範囲というか、現時点では当然かもしれません。だとしたならば、有害鳥獣駆除の唯一の手段となる猟友会の皆さんの存続といいますか、今後の活動について、もっと真剣に今考えていかなければ手おくれになるかもしれません。
 実はけさ、きょう、市役所に到着をして第一報として耳に入った話です。
 きのうの夕方19時30分ごろ、千鳥橋の南詰め、千鳥橋の南詰めに、市民からの通報を受けた警察から連絡を受けて猟友会お二人が出動をされ、駆除をしました。体長1メートル、体重90キログラムのそこそこ大きいイノシシであると、市民が通報するぐらいのイノシシであったわけですが、夜間の道路上ということで、発砲はなかなかできる場所ではないと判断をして、猟具で固定をして、そこで、とめ刺しという方法があるそうですが、駆除を行っていただいたということであります。
   〔議長退場、副議長着席〕
市民を代表して、心からお礼を申し上げたいというふうに思います。
 猟友会の皆さんの声を聞きながら、そして、他都市の事例を参考にしていただきながら、対応を考えていただきますように要望をいたします。
 最後に、徹明小・木之本小・本荘小校区が通学する中学校についてです。
 小学校の統合の話が絡んでいますので、それ以上の答えが、今、教育長からできないことはわかります。しかし、この中学校の問題は小学校の統合の問題の一部としてではなくて、並行して議論をされなければいけない、そういう問題だというふうに考えます。
 昨日、無所属クラブの田中成佳議員が関係する小学校の統合によって中心市街地活性化への影響、その柱である都心居住をメーンとした計画される幾つもの再開発ビルの展開にも悪影響があるのではないかと、こうした質問をされました。
 私もそう思いますけども、あわせて強く申し上げたいのは、その点に関しても中学校の話です。シティ・タワー43で、子育て世代の知人がお子さんを加納にある岐阜大学教育学部附属小学校に入れておみえになります。徹明では最近そうした家庭がふえているのだそうです。  

〔私語する者あり〕

それが小学校の人数の減少の原因の1つともなっています。徹明小学校には不満はないけども、将来本荘中まで歩かせたくない。シティ・タワー43から、   

〔私語する者あり〕

スカイウイング37から市民病院の向こうの中学校まで歩かさせたくないと、附属中学校のほうがずっと近い、附属小中ともに入学は抽せんだそうですが、小学校から入ればエスカレーターで中学校に上がれるということで、附属小を小学校のときから選び徹明小には来ないのだそうです。
 統合小がどちらに置かれようとも中学校の再配置を行わなければこの状況は続きます。中学校のコミュニティ・スクール、その地域で地域の児童生徒を育てるという取り組みからも、この郊外のほうがいい、こういう話になるこの状況は何とかしなければならないというふうに思っています。
 先ほど本荘中学校の敷地が小さくなるという話がありましたが、本荘中はたまたま現在市内で一番広い面積を持っている。しかし、今回できるであろう、公園の話もありますから仮定の話ですが、岐阜中央中、岐阜清流中と大差のない、こういう敷地面積を確保することができる。ちなみに先ほどの話ですが、徹明小の一番遠くとなる子どもが本荘中に通うと3キロ、岐阜中央中まで通った場合には1.9キロというのが現実です。小学校統合の話と密接に絡むと教育長がおっしゃった話は事実だと思いますが、ぜひその小学校統合に関する話の、その中の数ある議論のうちの1つ、こういう話ではなくて、しっかりと並行して議論を進めていく、こういう話だと思っています。
 この前にも後にも二度とない機会を間違って逃して子どもたちに苦労をかけ続けることのないよう、しっかりとした判断をお願いしたいと思います。
 再質問はいたしませんが、以上、繰り返し申し上げておきたいと思います。
 以上で私の第2回目の質問を終わります。   

〔私語する者多し〕



◯副議長(広瀬 修君)
 防災監兼都市防災部長、中川俊彦君。
   〔中川俊彦君登壇〕


◯防災監兼都市防災部長(中川俊彦君)
 異常気象時等における災害用備蓄品の活用についての御質問にお答えをいたします。
 気象警報発表時など長時間学校での待機が必要となる場合や、停電などの不測の事態により、小学校などに備蓄しております災害用備蓄品を活用していただくことにつきましては、特に問題はないものと考えております。
 今後はその活用に際し課題を整理し、教育委員会と連携を密にして適切に対応してまいりたいと考えております。


◯副議長(広瀬 修君) 副市長、藤澤滋人君。
   〔藤澤滋人君登壇〕


◯副市長(藤澤滋人君)
 長良川流域の文化的景観を生かしていくための庁内連携について再質問でございました。
 今回、長良川流域の文化的景観が国の重要文化的景観に選定されました。長良川鵜飼のユネスコ無形文化遺産登録という本市の大目標に向けまして、大きな一歩を踏み出すことができたものと思っております。
 この文化的景観の申し出に当たりましては、教育委員会を中心に都市建設部やまちづくり推進部など、関係各部がそれぞれ役割分担をしながら準備を進めてきたものでございます。
 また、ことし8月に行われました国文化審議会委員の文化的景観の視察に際しましては、教育委員会が史跡岐阜城跡や鵜飼、そして、川原町を中心とする町並みなどについて、都市建設部が岐阜公園の整備や三重塔などについての説明を分担しながら御案内をしたということで、岐阜市の宝にじかに触れていただくことができたものと思っております。
 このような各部の連携した取り組みが今回の国重要文化的景観選定という答申に結実いたしたものであり、本案件については関係各部がうまく連携をとれてきたものだと、こんなふうに思っております。
 今後はさらに各部署が連携を進めまして、この制度を生かして町並みや景観の保全に努めるとともに、観光パンフレットなどでの紹介によって文化遺産としての魅力を発信し、鵜飼のユネスコ無形文化遺産登録という大目標に向けて一層の環境整備を進めてまいりたいと、こんなふうに思っております。