岐阜市議会議員 まつばら和生

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平成23年6月議会 (一般質問)

◯22番(松原和生君)
 最後の質問者になりました。時計の針も少し頭に置きながら、発言通告に基づいてお尋ねをいたします。
 まず初めに、災害に強いまちづくりに関してお尋ねをいたします。
 この6月の議会、すべての代表質問で東日本大震災に関係しての質問がありました。繰り返しとなる状況や背景の説明については極力省いていきたいと思いますので、お願いをいたします。
 最初に、想定の見直しと対策費用についてです。
 東日本大震災では想定外という言葉を何度も聞いたわけであります。防災計画の見直しを進めていくということであります。ぜひ現状の総点検、しっかりした見直しを進めていただくよう私からも要望をいたします。
 しかし、防災計画の見直しとは、言葉や記述だけではもちろん済まされないのでありまして、想定レベルを引き上げれば対応のためのコストは膨大に増加をいたします。いざというときに備えるという目の前にはすぐに見えない保険、幸いにして何も発生しなければ掛け捨てに終わる可能性もある支出でもあります。大は小を兼ねるという意味では、想定レベルがいっぱいいっぱい、大きければ大きいほど確実でもある中、その現実と安心についてを、科学と経験値と政治判断によってバランスを図ってきたのが、これまでの国の想定レベルの状況だったと思います。安全、安心にはお金がかかる。想定レベルを引き上げれば、その対応のためのコストは膨大に増加をする。学校の耐震工事もまだ何年か待っていただくところもある中でであります。
 そこで、武政副市長にお伺いをいたします。
 想定の見直しに向けた基本的な考え方をお伺いするとともに、それに伴う膨大な対策費用の捻出も必ず必要となりますが、財政的な対応についてはどう賄っていくことになるのか、お考えについてお尋ねをいたします。
 次に、市民がみずからの安全を守っていただくための周知と啓発についてであります。
 いざというときに市民一人一人が最低限の身の安全の確保をしていただかなくては、すぐには到着もできませんし、助け出すことはできません。そうした災害に備えていただく、みずからの安全を確保していただくための準備、生死を分ける対応の周知について十分に行き届いていると思えませんが、これまでの対応と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
 本市では災害時要援護者の名簿を地域の自主災害組織などに提供することについて、名前を出してよいと返事のあった人だけを掲載をした台帳を作成をしていますが、その同意率は該当者の半数程度にとどまっています。昨年の本会議でも指摘をしましたが、その後の推移はどうなっているのか。また、せっかく用意した防災携帯メールの登録者数も伸びていないようですが、どうなのか。
 申し上げたいのは、これらについて連日のテレビなどでいや応なしに危機意識が高まっている今こそ、災害時要援護者名簿への登録や防災携帯メールの登録の必要性を、「やっぱり必要なんだ。」と、こう気づかれた市民が多くみえるはずであって、この機を逃さずに、命を守る登録をしていただくよう再度呼びかけを行う機会が今だと考えますが、その取り組みについて都市防災部長兼消防長にお尋ねをいたします。
 次に、防災行政無線の難聴地域についてです。
 東日本大震災の被災地の町役場で、結婚式を目前に控えた24歳の女性職員が「高台へ避難してください。」と防災無線でアナウンスを続けられ、大勢の町民の命と引きかえに津波の犠牲になられたという話に胸が痛みました。一斉に緊急に広く市民に伝達する手段として、防災行政無線は有効です。その無線が聞き取りにくいという苦情は以前からあって、この数年でデジタル方式に更新をされましたが、しかし、まだ聞き取れないという市民の声が耳に入ってきます。
 担当課によれば、「窓をあけられましたか。」窓をあけた上で聞こえるかどうかだと、こういう説明でありますが、ないよりあった方がいいという程度の手段ならばそれでよいかもしれませんが、素早くは動けない高齢者も多い中、送り手側だけから見た理屈のようで心配です。また、十歩譲ってそうだとしても、防災行政無線が何かを話し始めたら窓をあけるようにという、こうした市民への周知はされているのでしょうか。
 また、さらに、窓をあけてでも何を話しているのかが聞き取れないという地域がまだあるようです。防災の基本的なツールだと思いますので、この機会に申し上げた状況の認識と今後の対応について、これも都市防災部長兼消防長にお尋ねをいたします。
 次に、地域で助け合う体制の確立についてお尋ねをいたします。
 今回の東日本大震災では地域で助け合う姿がテレビ等で流され、改めて相互扶助の大切さが問われる、皆が再認識をする機会となりました。本市に置きかえたとき、こうした地域での連携について、その土壌は十分に整っているのか。いざというときに機能できるよう組織として準備が整っているのかどうか心配です。
 今回の事例を、申しわけないですが、生きた教訓、お手本としながら、危機意識が高まっている今、地域コミュニティーの組織である自治会を初め、各種団体などへの参加を促進する呼びかけを行うなど、地域で助け合う体制づくりを前進させる契機とするよう行動すべきと考えます。
 須田議員から自治会加入率の向上を図るべきとの質問もありましたが、そうした意味をあわせ、今後の取り組みについて市民参画部長にお伺いをいたします。
 次に、消防団、水防団の任務についてであります。
 いざというときに組織をされた地域に根づいた防災団体である消防団員、水防団員の皆さんに対する地域住民の期待は大きいものがあるわけであります。しかし、消防団には消防、水防団には水防についての訓練や演習は当然あるわけですが、震災時の対応などについては行われていません。これではせっかくの力がうまく発揮ができません。
 また、恐らく地域で必ず助けを求められる立場になるであろう団員が知識のないまま男気に感じて動いた結果、2次災害に遭って命を失うようなことがあってもいけません。消防団員、水防団員に対して、災害時の協力についての要請と最低限のレクチャーなどを行っておくべきだと考えますが、現状と今後の対応についてお尋ねをいたします。
 また、以前に質問をした件でありますが、水防団員に期待される活動と法制度が合っていないということが問題です。
 岐阜市には消防団員の約1.4倍の水防団員がおみえになります。いざというときに地域の防災のいわば飛車と角、助さんと角さんである消防団員と水防団員が被害を最小限にとどめるべく、その活動に全力を尽くされる中、洪水を防御するなどの水防活動は別として、避難誘導や救助活動を応援した場合、消防団員は公務災害の対象となるのですが、水防団員は補償の対象外である。これは水防法及び関係の法令で、消防団員の任務を消防活動プラス地域貢献活動と幅広く規定しているのに比べて、水防法では水防団員の任務を水防活動にかかわることのみに限定しているからであります。
 この背景を探ってみると、国において専任水防団員への理解が低いようでありまして、資料では、全国で本市のような専任水防団員を設けている地方自治体は極めて少数であって、全国水防組織に占める本市のような専任水防団員の人数の割合は2%弱であります。大多数の自治体では消防団員が水防活動を兼任しており、岐阜市のような専任水防団員の活躍は少数派ゆえに、その対応が中央で後回しにされてきたのかもしれません。
 しかし、42万都市のど真ん中を1級河川の天井川が走る、こういう危険な構造の都市が全国に幾つあるのか。歴史の中で水害に苦しんできた濃尾平野特有の地理的な宿命の中で、自分たちのまちを自分たちで守るという意識を持った専任水防団員が消防団員と同じく、地域防災の中心として幅広い役割を担ってくれていることに対して、安心して御活躍いただけるよう公務災害の補償について市としてしっかり手当てをしていかなければいけません。
 そこで、本市では実態に見合うようにということで、国に制度改正、2回にわたる水防団特区の申請も行ってきましたが、だめでした。聞くところによれば、国土交通省ではオーケーだが、防災に関する権限を渡したくない総務省のところでバツだったというけしからん話もあるやに聞きます。その後の進展についてどうなっているのか、武政副市長にお尋ねをいたします。
 次に、先日、市民の方から苦情というより心配の御意見をいただきました。

   〔私語する者あり〕

 災害発生時に指令塔となる市庁舎の現状についてであります。

   〔私語する者あり〕

 部署間の間仕切りが書棚を積み上げることなどで仕切ってあるところがあり、支えなどもしていない。その書棚の上には書類をいっぱいに詰め込んだ段ボール箱が積み上がっている。震災があれば書棚は背中に覆いかぶさり、段ボールは頭に落ちてくる。危険な上に足の踏み場もなくなる。そんな場所が指令塔となれるのか心配だ、大丈夫なのかということです。ホームセンターでは地震に備えて、たんすなどが倒れないようにするつっかい棒なども売られていますが、そういったものの設置もありません。震災発生を考えたとき、市庁舎の現状と当面行うべき対応についてお伺いをいたします。
 また、応急処置というべき努力はお願いをしておきますが、根本的には老朽化し、手狭となっている、そして、新しい議員の皆さんは御存じなかったかもしれませんが、天井の裏には大量のアスベストが封じ込めてある、この現在の市庁舎に指令塔としては限界を感じざるを得ません。岐阜大学医学部等跡地の第2期整備の想定として新市庁舎建設がうたわれていますが、改めてその必要性を強く感じるところです。42万都市の防災拠点として、できるだけ早い完成を目指すべきと考えますが、改めてその必要性と御認識について行政部長にお伺いをいたします。
 もう一つ、児童生徒の安全確保についてであります。
 今回、小学生の児童たちが下校の途中に、また、授業のさなかに災害に遭われ、多くの小さい命が失われました。同じ小学生の子を持つ親として人ごととは思えず、かわいそうでなりません。
 振り返って岐阜市の小中学校です。改めて対応のためのマニュアルは整備をされ、周知されているのか、適切な訓練などはしっかり行われているのか、家庭との連絡方法の確認なども用意できているのかどうか。小さな命をお預かりをしているという大変重い責任がある立場であります。改めて再点検を行うべきと考えますが、多くの学校が地域の避難場所となっていることも含め、これまでの状況と今後の対応について教育長にお伺いをいたします。
 次に、「長良川おんぱく」の取り組みについてお尋ねをいたします。
 「長良川おんぱく」の概要については杉山議員が紹介をされましたので、細かくは申しませんが、「おんぱく」とは温泉泊覧会の略であって、「はく」には泊まるという字を当てます。11年前に大分県の別府温泉で行われたのが最初ということであり、以来、各地で取り組みが行われてきました。
 ことしが初めての取り組みとなる岐阜市では、10月の1カ月間に川原町かいわいで50以上の体験交流型観光プログラムを行うよう実行委員会で準備を進めており、県、市、商工会議所、観光コンベンション協会ほかに加えて、地元のまちづくり団体なども委員となって、長良川温泉旅館協同組合と委託を受けた地域の若者中心のNPO法人ORGANを事務局に取り組みを進めているところです。観光の振興のみならず、まちづくり、地域おこしの観点からも成功を願いつつ、岐阜市にもより積極的な応援をいただくよう要望をいたします。
 同じ10月には蒲郡でも第1回の「おんぱく」が開催されるようですが、ぜひとも負けないように頑張ってほしいと応援をしています。
 さて、我がまちを愛するお店や団体など、「おんぱく」パートナーの募集もある程度順調に進み、来月初めにはプログラムの概要が確定、7月から9月にかけてプレイベントを開催し、10月1日、1カ月間、「長良川おんぱく」のスタートとなります。これがことし1回限りの催しとしてではなく、別府などのように進化しながら継続していってほしいと思います。
 今回の「おんぱく」は、県が岐阜県緊急雇用創出事業臨時特例基金事業として実施するもので、長良川温泉旅館協同組合が受託した川原町界隈ブラッシュアップ観光交流推進事業の1つとして、長良川おんぱく実行委員会が行うものですが、県は、下呂温泉や奥飛騨温泉なども抱えており、予算も含めて来年度以降の保証はないわけですが、観光振興とまちづくりの芽をしっかり育てていくために、市として「長良川おんぱく」事業の取り組みへの期待と、次年度以降もにらんだ市の支援体制について商工観光部長にお伺いをいたします。
 最後に、公立高校入試制度の見直しについてお伺いをいたします。
 岐阜市の公立高校の入試制度は、特色化選抜と一般選抜の2回に分けて実施されていることは御承知のとおりです。一般選抜は、学科試験と内申書で評価する従来からの選抜方法であり、一方、特色化選抜は、学科試験を課す高校のほか、面接や作文など、学科試験を課さない高校もあります。この制度は、当初、実業高校で定員の50%、普通科の高校で定員の20%を合格させるという形でスタートしましたが、2年前からは普通科の合格者の定員が50%に引き上げられました。その結果、2月中旬の特色化選抜の結果で私学単願の生徒も合わせると、クラスの半数の生徒の進路が決まり、残り半数の生徒が3月中旬の一般選抜の受験を目指すという状況になり、同じ教室で落ちついて学習するのが難しい状況にもなっています。
 また、定員の50%に広がった特色化選抜を一度不合格になることのショックも大きく、しばらく立ち直れないといった話も聞きます。普通科などでは2回受験の機会があるということ以外、何が特色なのかもわかりにくい現状です。こうした問題については、2年前に教育問題に詳しい須田議員も指摘をしておられます。
 さて、ことし5月31日の県教育委員会の有識者諮問会で、2013年、つまり現在の中学2年生の生徒から、現行の公立高校入試制度を抜本的に見直し、1回に集約すべきだという認識で一致したということであります。この諮問会は15名の委員で構成をされ、恐らくは県下の教育長を代表されるというお立場で安藤教育長が委員として入ってみえます。高校、県出身の委員は選ぶ方の立場の論理です。PTA出身の委員は、どうしても子どもに合格してほしいという願いが強く、温度差があるのかもしれません。つまり送り出す立場からの問題点を冷静に最も理解しているのは中学校の先生方であり、その代表は教育長です。これまでの反省点を踏まえて、新しい制度をしっかりと築き上げてもらわなければなりません。
 そこで、教育長にお伺いをいたします。
 これまでの入試制度の経緯と現状の問題点、現在進められている入試制度変更の動きの途中経過、そして、県内教育長を代表して諮問委員になっておられますが、特に中学校、生徒を送り出す立場を代表して、中学校の学校現場の声なども踏まえて、どのような制度設計が必要だと考えられるのか、そのお考えについてお尋ねをいたします。
 以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)




◯議長(渡辺 要君) 副市長、武政 功君。
   〔武政 功君登壇〕




◯副市長(武政 功君)
 まず、災害に強いまちづくりに関して、被害想定の見直しと対策費用についての御質問にお答えをいたします。
 東日本大震災では巨大地震の発生と大津波、さらには、原子力災害により未曾有の被害をもたらしました。今回の災害では多くの課題が明らかになり、そのため国では防災基本計画などの見直しが図られるものと考えております。また、県においても地域防災計画の見直しがなされるものと思います。
 本市におきましては、これらの結果を待つことなく、並行して、まず今年度、災害被害想定調査を実施することにしておりまして、その結果を踏まえて、年度内に市の地域防災計画の見直しを行っていきたいと考えておるとこでございます。
 この地域防災計画の見直しに当たりましては、避難所の数や備蓄品目、数量の見直しのほか、原子力災害対策として放射線測定器の整備や原子力災害に対する情報収集・伝達体制の確立など、さまざまな事業が新たに必要になるのではないかというふうに考えております。
 現段階では地域防災計画の見直しの全容が明らかではございませんので、対策費用の規模をお示しすることはできませんが、安全にかかわる事項でありますので、そのことを念頭に置いて適切に対処してまいりたいと考えております。まあ具体的には、備蓄品や放射線測定器の購入などの短期的に対応すべき事業や避難所整備の追加など、中・長期的に対応すべき事業といった、それぞれの災害対策に応じまして、必要な財源措置を講じていきたいと考えておるとこでございます。
 次に、消防団、水防団の任務に関する2点の御質問にお答えをいたします。
 1点目の、消防団、水防団の災害時における協力についてでございます。
 さきの東日本大震災では津波の影響もあり、大変広い範囲で甚大な被害が発生しましたが、今後、東海地方でも複合型の地震が懸念され、地域住民の消防団、水防団の活動に寄せる期待はますます高まっているものと認識をしているとこでございます。
 まず、消防団についてでございますが、その任務は、消防組織法によりまして、火災から市民の生命、身体及び財産を保護することと、それから、水・火災、または地震等の災害を防除し及びこれらの災害による被害の軽減を図ることとされておりまして、地震発生時の任務も明記されているところでございます。
 震災時におけます具体的な消防団の活動といたしましては、住民への避難誘導、また、地震発災後の消火活動、さらには、救助・救出活動、行方不明者の捜索、避難所への物資搬送などがございます。このような活動を行うため消防団員に対し、災害活動における自己の安全確保について、防災研修会あるいは震災対策講習会等を開催し指導をしているとこでございますが、引き続き危険予知訓練シートなどを活用した研修を行うなど、安全管理の徹底を図っていきたいと考えております。
 一方、水防団についてでございますが、水防法によりまして、洪水や高潮等の警戒、防御活動を任務とし、洪水等の災害から市民の生命、財産を守るため活動をしていただいておるとこでございます。本市においても大地震が発生した場合には、水防団の任務として、まず、堤防等の河川施設に異常がないかの点検を行うなど状況把握に努め、現地に適した応急対策を講ずることになります。
 また、震災と洪水が同時に発生した場合に、組織的な機動性や個々の判断力などを駆使し、さまざまな水防工法で対応することを想定した訓練、教育を実施してまいります。
 さらに、市民の生活や財産を守る観点から、水防活動以外の避難誘導や救助などの活動についても、必要に応じて研修等を開催していきたいというふうに考えているとこでございます。
 さらに、災害時にはこのように消防団と水防団がそれぞれ活動していく中で、この2つの団がさまざまな情報を共有し、協力体制を強化していくことが被害の最小化や速やかな市民生活の安定につながり得るものと考えております。今回の大震災のような大規模な災害時には多くの支援が必要となりますので、消防団、水防団を中心に共助の精神のもと、さまざまな団体、組織が円滑に活動できるよう担当部署に強く指示をしてまいります。
 次に、水防団に係る特区申請に関する質問でございますが、議員の御指摘もありまして、平成16年及び平成18年に水防団の公務の拡大及び公務の明確化について、国に対し構造改革特区の提案を行ったものというふうに理解をしております。その結果として論点となりました水防法におけます水防の定義や範囲については、実際の水防活動等の具体的行為だけではなくて、普及啓発を含む水防に関するすべてのものを総称するものであり、その範囲は多岐にわたるということで、現行法制度上は水防団の活動範囲について明確化せず、個々に判断することが望ましいという回答を得ているということでございます。
 その後、本市としましては国の動向を注視してまいりましたが、現在のところ水防法の改正等、法の整備等の新たな動きについては残念ながら確認ができておりません。市としましては災害時の被害を最小限にとどめるためにも、消防団と同様に水防団の協力と参画も必要であるというふうに考えておりますので、引き続き国に対し公務の拡大や活動範囲の明確化について粘り強く働きかけていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。




◯議長(渡辺 要君) 都市防災部長兼消防長、足立尚司君。
   〔足立尚司君登壇〕




◯都市防災部長兼消防長(足立尚司君)
 2点の御質問についてお答えをいたします。
 最初に、みずからの安全を守る周知と啓発についてお答えをいたします。
 災害による被害を最小限に抑えるためには、自助、共助、公助、それぞれが互いに連携し、一体となることが重要であり、今回の震災を受けて、市民の方々の自助、共助に関する意識が高まっておられると考えております。
 本市の災害時要援護者台帳につきましては、本人の同意を得た方々を掲載し、平成20年度から自主防災組織、民生委員、消防団の代表者の方々に提供をいたしております。なお、この台帳は年2回内容の更新をいたしております。
 本人の同意を得た登録者の割合につきましては、登録率58%で平成20年度当初ではございましたが、現在は50%となっております。この主な理由につきましては、自分のプライバシーを他人に知られたくないなどの理由などから、登録をされない方もいらっしゃると聞いております。このようなことから、今後とも登録の必要性について御理解をいただけるよう市民の皆様に粘り強くさまざまな機会をとらえ啓発し、登録率の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、災害時には、みずから災害情報を入手することは大変重要なことだと考えております。そのためには災害情報配信サービスは有効な手段の1つであります。本年6月13日現在の登録者は3,775名となっており、今後も登録の向上に努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、市民の皆様に御理解を得ることが必要なことから、広報ぎふ、「くらしのガイド」、市ホームページ、防災講話などを通じて、積極的に市民の皆様に御理解を深めていただきたいと考えております。
 次に、2点目の、防災行政無線の聞き取りにくいことについての御質問についてお答えをいたします。
 本市では大雨や大地震などの災害時に、各種の緊急情報をいち早く市民の皆様に伝達することを目的に、災害情報伝達プランを策定をし、さまざまな情報伝達手段を用いて災害情報を市民に伝達をいたしております。平成19年度から平成21年度の3カ年で、防災行政無線のデジタル化への変更整備をいたしました。このたびの更新整備の中で屋外に放送する設備である子局を187基増設し、市内全域では計415基設置をいたしております。これらの子局により平常時には各種行政情報などの広報を行っていますが、緊急時には広く市民に災害情報を伝えることとしております。
 議員御指摘のように、窓を開けるという周知につきましては、暴風雨などの状況も想定されることから、災害情報伝達プランの中で検討をしてまいりたいと考えております。
 なお、地形的な制限などによる平常時の放送が聞き取りにくい場所につきましては、屋外子局のスピーカーの向きの調整や音量の設定を変更するなどし対処してまいりたいと考えております。
 また、万一、放送された内容が聞き取れなかったときは、24時間以内に放送された内容について確認できるテレホンサービスを行い、その補完に努めているところでございます。
 今後とも、さまざまな伝達手段により緊急情報を市民の皆様に伝達できるよう努めてまいります。
 以上でございます。




◯議長(渡辺 要君) 市民参画部長、渡邉貴正君。
   〔渡邉貴正君登壇〕




◯市民参画部長(渡邉貴正君)
 災害に強いまちづくりに関して地域で助け合う体制の確立についてお答えいたします。
 近年、都市化や生活環境の変化、個人の価値観の多様化、あるいは居住者の流動化が進む中、地域のコミュニティーが希薄化してきたと言われております。
 一方、防災や防犯などにおいては、地域の皆さんが連帯してお互いに支え、助け合うことの重要性がますます高まっております。平成7年の阪神・淡路大震災では6,400人を超えるとうとい命が奪われました。関西地区におかれては約3万5,000人の方が建物の下敷きになるなどの被害を受けましたが、被災者の95%に当たる約3万3,000人余の人が地域住民によって救出されたと聞いております。今回の東日本大震災におきましても、避難生活を余儀なくされた被災者の皆さんみずからが多くのボランティアとともに避難所の運営などに取り組み、お互いに支え合い、復旧に向けて活動をしておられます。これらの2つの大きな災害は、いざというときに地域住民が互いに助け合うという相互扶助の仕組みがいかに大切か、また、日常生活の中での人と人とのつながり、地域の連帯が市民生活の安全、安心を支える重要な要素であるということを改めて私たちに示してくれたものと考えております。
 東海地方におきましても、近い将来、東海・東南海・南海地震が発生すると予想されております。今回の大震災を教訓にして、1人でも多くの皆さんが地域コミュニティーの組織である自治会や各種団体に加入して活動していただくことにより、住民相互のコミュニティーが一層醸成されるとともに、自助、共助といった地域のきずなが強まり、災害時も含め、地域のさまざまな課題の解決につながるものと考えております。
 今後とも自治会への加入促進に取り組んでまいりますとともに、市民相互の理解を深めて支え合う市民相互の協働と市民と行政の協働、特に地域との協働によるまちづくりをさらに推進し、地域力の向上を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。




◯議長(渡辺 要君) 行政部長、大見富美雄君。
   〔大見富美雄君登壇〕




◯行政部長(大見富美雄君)
 災害に強いまちづくりに関しまして市庁舎の現状と新市庁舎建設についての御質問にお答えします。
 1点目の、市庁舎の現状についてでございますが、現在の市庁舎は本庁舎が昭和41年に建設され、既に45年が経過しているなど、老朽化が進んでおり、この本庁舎のほか、南庁舎、西別館、北別館に分かれております。古い建物であるためバリアフリーへの対応が十分ではないなど、市民の皆様のニーズに対応できているとは言えないのが現状であります。さらに、庁舎が手狭なことから、執務スペースにおいても書類などが書庫の上や壁際に積み上げられているところも見受けられます。
 こうした状況に対する対策としましては、職場環境や健康問題などを調査審議する安全衛生委員会の委員が職場巡視として年2回、各職場を巡視し、個々の職場の安全、衛生、環境等の状況把握を行っております。暑さ、寒さ、明るさなどとともに、通路の確保や落下危険物の有無についてもチェックしており、問題がある場合は、その都度指摘、指導しているところであります。また、定期的に文書廃棄を行うとともに、廃棄に際しましては文書の減量化を全庁的に求めているところであります。
 今後につきましても各職場において必要書類の精査及び整理整頓を励行するとともに、必要に応じて転倒防止金具の活用などの措置を進め、現在の限られた庁舎のスペースをより安全に、より有効に活用するよう努めてまいります。
 次に、2点目の、新市庁舎建設についてでございますが、地震災害に対しては、現在の本庁舎は、耐震診断によりますと、関東大震災クラスの大地震においても構造躯体に重大な損傷はなく、人命を守ることができるとされております。
 万一、本庁舎が使用不能となる被害をこうむった場合は、免震構造となっております消防本部・中消防署合同庁舎に災害対策本部を設置することとなりますが、市全体の業務を継続するための十分な施設の確保は困難であります。
 東日本大震災の対応に見られますとおり、災害時における行政の果たす役割の重要性が改めて認識されているところであります。災害発生時においても医療や保健、福祉などへの対応など、市民生活に直結する業務を継続することは、基礎自治体の重要なテーマであります。今後の業務継続計画の整備におきましても、市の業務を実施することが可能な施設の確保が重要な検討事項とされることとなります。このことは今後発生が懸念される大地震において、市の業務を継続できる災害に強い庁舎が望まれていることにほかなりません。
 現在の市庁舎は手狭で老朽化していることを初め、さまざまな課題を抱えております。こうした課題に抜本的に対応し、平常時においては、より利便性が高く安全な市庁舎、災害時においても拠点として十二分に機能を果たせる市庁舎を目指し、新庁舎の建設を検討する時期に来ているものと認識しております。




◯議長(渡辺 要君) 教育長、安藤征治君。
   〔安藤征治君登壇〕




◯教育長(安藤征治君)
 児童生徒の安全確保についての御質問にお答えをいたします。
 各小中学校では学校ごとに作成をしております防災マニュアルに基づきまして、年間計画に従って防災訓練を実施をいたしております。火災の場合、地震の場合、あるいは授業中、休み時間など、いろいろな場面を設定し、迅速な避難の仕方や安全な避難経路の確認、教職員間の連絡体制の確認などをしております。各小学校では児童生徒の帰宅が困難になるという場合を想定し、保護者への引き渡し訓練も実施をいたしております。また、緊急配信メール等を活用し、学校と保護者間のより確実な連絡体制づくりにも努めているところでございます。
 今後の取り組みについてでございますが、地震を初めとする災害による被害を軽減するためには、児童生徒一人一人の防災意識の向上が必要でございます。今後は発災型の防災訓練を行うことによりまして、災害に直面したとき、的確な状況把握と判断でみずから行動できる力を身につけた児童生徒の育成に努めることが大切であると考えています。
 また、学校施設の状況や地域の実情に応じ、家庭や地域との連携を深め、地域に根差した防災の取り組みを進めるとともに、今回の大震災の教訓を踏まえまして、各学校で作成しております防災マニュアルにつきましては、しっかりとした見直しを指示してまいりたいというふうに思っております。
 次に、公立高校の入試制度についての御質問にお答えをいたします。
 岐阜県におきます入試制度につきましては、偏差値による受験競争の緩和、高校の特色化、複数の受験機会の設定、学区の弾力化等の課題を受け見直しを図った経緯がございます。その結果、平成14年度から特色化選抜と一般選抜を柱とする入試制度が導入され、現在に至っておるところでございます。
 現行の入学者選抜制度につきましては、特色化選抜により、学力だけではなく、中学校3年間の生活を幅広く積極的に評価されて、よい面もあるというふうに思う一方で、入試にかかる期間が長期化したり、また、特色化選抜の募集人員の上限が50%となったことにより、さまざまな問題点も生じてきているというふうに認識をいたしております。例えば、1月以降の授業時間が十分に確保できず、落ちついて学習に取り組めないといった日常の教育活動への影響、特色化選抜を不合格になった場合のショックが非常に大きく、合格者も周りへの配慮から素直に喜べないといった受験生の心理的な負担など、看過できない課題であると思っています。
 こうした課題を受けまして、県教育委員会は平成23年2月に岐阜県立高等学校入学者選抜に関する諮問会を設置をいたしました。この諮問会は、学識経験者や高等学校、中学校の代表、PTAの代表などの委員で構成されております。ここでは現在の入試制度の検証と今後の入試制度のあり方について、現在まで2回検討会が開かれております。今現在、結論が出ているわけではございませんけれども、先般、新聞で報道されましたように、特色化選抜と一般選抜を一本化するという方向での議論が進んでいるところでございます。
 最後に、今後の入試制度のあり方についてであります。
 高校の入試制度のあり方は、中学校教育に大きな影響を与えることから、中学校教育にかかわる関係者の皆さんの声を大切にして、私も発言をしてまいりたいというふうに思っております。
 一方、どんな入試制度になったとしても不合格となってしまう受験生が出ることは必至でございます。大事なことは子どもたちにとって入試が公正、公平であること。また、入試の結果のいかんを問わず、入試の体験そのものがその生徒の人生において意味のある有益なものとなるような指導が必要であるというふうに考えているところでございます。




◯議長(渡辺 要君) 商工観光部長、伏屋真敏君。
   〔伏屋真敏君登壇〕




◯商工観光部長(伏屋真敏君)
 「長良川おんぱく」についての御質問にお答えいたします。
 「おんぱく」とは温泉泊覧会の略でございます。さきの議員の御質問にも御答弁いたしましたとおり、「長良川おんぱく」は川原町かいわいと岐阜公園周辺エリアを中心に本年10月の1カ月間、各種の体験交流型プログラムが実施されるもので、岐阜市の活性化を図ることを目的としています。事業実施に当たっては市民や地域づくり団体が率先して事業主体を担っておられ、まちづくり活動の1つとしても大変意義深いものであると考えております。
 商工観光部といたしましては、この取り組みの中で岐阜市の潜在的な観光資源を発掘、再発見することにより、今後の観光客の増加につながるプログラムに成長していくことを大いに期待するところであります。
 また、この事業は議員御案内のとおり、岐阜県の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して行われることから、23年度単年度事業であることは承知しておりますが、この「長良川おんぱく」は市民みずからが体験型の観光資源を創出しようという事業であり、観光振興へも大きな期待ができることから、今後も継続的に実施されることを望んでおります。この事業の認知度が上がり、さまざまな交流が促進されることにより、岐阜のまちに長良川ブランドとして定着していくよう庁内関係部局や関係機関と連携を図り応援してまいりたいと考えております。

   〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕


◯議長(渡辺 要君) 22番、松原和生君。
   〔松原和生君登壇〕




◯22番(松原和生君)
 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。再質問はいたしません。少しだけ要望等を申し上げます。
 まず、想定の見直しについてであります。
 行政にとって最も重要な役割の1つが市民の安全、安心の確保だと思っています。国の示す想定レベルも恐らく上がってくるものと思いますが、必要なものについては、たとえお金がかかってでも行っていかなければなりません。この防災の問題に関しては、議会と理事者が、また、議会の中では党派を超えて取り組むべき課題だと思っています。しっかりとした議論を交換していきたいと思っています。
 何点かの項目に共通してでありますが、テレビの映像などで市民の皆さんのその危機意識がいや応なしに高まってきている今こそ、今こそ災害時要援護者名簿の登録や防災携帯メールの登録、自治会への加入促進など、呼びかけを行えば反応が返ってくる、そういった状況だと考えます。取り組んでいきたいと、こう都市防災部長兼消防長おっしゃられましたけども、時期をとらえた行動をしていただければと、そのように思うところであります。
 防災行政無線についてです。
 実は先週の金曜日、岐阜市議会の質問が木曜日でしたので、その記事を見ようと朝刊を開きました。朝刊に、この岐阜市議会の代表質問の記事の横にですが、羽島市議会のこの質問戦の様子が載ってまして、その見出しが「防災情報、電話で提供 来月からサービス開始 羽島市」、こういった記事でありまして、本会議の質問の中の答弁ということであります。防災無線が聞き取りにくいという、内容が聞こえないと苦情がある、このことに対してどう対応するんだ、こういうことへの答弁だったようですが、電話で確認が可能だということであります。
 私の質問項目に関連がありましたので、この防災行政無線で何を話したかというのを電話をすると、その電話で話が聞けると、この内容のことについて岐阜市もやったらどうだと、こういった話を申し上げましたところ、実は昨年からですか、やってると、こういう話でありました。それはそれで、まあ羽島市は今からやるという、この答弁だったのが、去年からやってみえる。これは本当にいい話だと思うんですが、でも、それを知ってみえる市民というのは、まあ私は申しわけない、勉強不足で知らなかったんですが、知ってみえるという市民は多分少なかった、少ないと思います。ぜひこの防災行政無線の内容が聞き取れなかったときに、ちょっとさっき調べましたが、電話番号058-267-5010におかけをいただくと、24時間以内に放送された行政無線の内容を自動音声案内により確認ができる、こういった制度でありますが、しっかりと周知を図っていただきたいと思いますし、あわせて根本である難聴地域の解消にも努めていっていただきたいと思います。
 「長良川おんぱく」についてですが、「おんぱく」非常にわくわくするネーミングです。今、1回目の成功に向けて、いい方向に準備が進んでいるようにみえますが、ぜひ発祥の地の別府などのように、進化をしながら継続をしていけるように、1回目は県の力によるところも大きかったわけですが、次年度以降、本来、最もかかわりの深いのは岐阜市であるわけでして、新しい切り口、タイムリーな観光振興策、また、まちづくりの観点からもバックアップをお願いしたいと思います。
 最後に、公立高校入試制度の見直しについてであります。
 県教育委員会の諮問会では、今年度中に答申をまとめられるということであります。先ほどの答弁は、特にその議論の途中経過については、若干ぼやかしてあるようにも聞こえました。委員であるだけに、逆に途中経過には触れにくいお立場なのかなあとも思うわけでありますが、この大見出しで、6月1日、諮問会の翌日の、これは岐阜新聞の朝刊ですが、「県公立校入試1回に集約 県教育委員会有識者諮問会が合意 特色化見直し」、こういうタイトルでして、「現在の中2が受験する2013年春からの県内公立高校の入試制度について検討している県教委設置の有識者諮問会は31日、特色化選抜と一般選抜の2回に分けて実施している現行制度を抜本的に見直し、1回に集約すべきだとの認識で一致した。──また、──県統一の学力検査を全受験生に課した上で、学校が独自の検査方法を工夫できるようにすることでも合意した。本年度中に予定する答申に盛り込む方向」まあ、こういったようなことが載ってるわけですけども、今のやり方はよろしくない、抜本的に見直す方向、1回にするという流れはどうも確実なようであります。
 教育長には、まあ評論家という立場やなく、送り出す立場の、この中学校、学校現場を最も知る立場として、そうした声をしっかりと反映させた制度となるように御努力をお願いしたいと思います。おっしゃられましたように、試験である以上、当落があるのは仕方がありません。公平で納得しやすい制度、中学3年間、義務教育の締めくくりにふさわしい、そういう学校生活が送れる中で、その試験が行われ、そうした学校運営がしっかり行える、そういった中での制度になるように、しっかりと発言を、そういう立場で、出席される立場ですので、御発言、御努力をいただければとお願いをいたします。
 以上で私の質問を終わります。最後までありがとうございました。(拍手)