平成14年3月議会(代表質問)
◯1番(松原和生君) おはようございます。
〔「おはようございます」と呼ぶ者、その他私語する者あり〕
民主ネットクラブを代表いたしまして、発言通告書に基づき順次お尋ねをさせていただきます。
〔私語する者あり〕
まず、質問に先立ちまして、細江茂光市長におかれましては、去る2月24日に施行されました市長選挙におきまして、元気のないこの岐阜市を変えたいという市民の熱い思いを一身に受けられまして、新市長に選出をされましたことに対し改めまして心よりお祝いを申し上げ、若きリーダーの誕生を歓迎いたしたいと思っております。
顧みれば戦後、つい先日まで本市の市長の職には行政における要職を経験をされた、いわば市内部の人間が市長となり続けてきたのでありました。そのことが近年の激しい時代の変化の対応に岐阜市が乗りおくれてきた原因の1つであったとも考えるとき、民間企業、大手商社の幹部として市長がこれまで発揮をしてこられた企業人としての経営感覚、収支感覚、企画力、国際感覚等々はこれまでの岐阜市に不足をしていた部分であり、その手腕とリーダーシップに大いに期待をいたしております。
さて、まず新市長のスタートに当たり、市政に対する基本的な見方について幾つかお尋ねをいたします。
まず、岐阜市の現状と課題について、今どのように認識をしておられるのか。
それから、民間企業・三井物産と比べての市役所内部に対する率直な感想はいかがなものか。また、厳しい社会経済情勢、急変する時代背景の中、過去にない大きな荒波の中で市政のかじ取りを担われるわけですが、その決意のほどについて改めてお伺いをいたします。
それから、早速に当面の施策展開の柱となるべき第4次総合計画後期計画の策定に入られるわけですが、その基本的な思いについてもお伺いをいたします。
最後に、提案説明の際に触れられました民間活力戦略会議について、市長の政策ビジョンを形にするブレーンとなるものだと考えますが、その構想の概要についてあわせてお伺いをいたします。
次に、市町村合併についてお尋ねをいたします。
市長は、さきの質問者に対しまして、市町村合併については積極的に取り組んでいき、将来的には政令指定都市を目指していくべきとの考えを述べられました。私も基本的に賛同をさせていただくものであります。ぜひ近隣の市町村長との対話を大切にされ、まずは周りから大いに信頼をされる市長として活躍されることを期待します。このことは岐阜市の活性化にとっても大変重要なことであると考えます。住民との対話も十分に行う中でその総意として政令指定都市を目指していただきたいと思っています。県と同じに近い権限、財源を持ち、区役所を中心としてきめ細やかな住民サービスを行うことのできる政令指定都市こそ、今の岐阜市にとっても、また、近隣の市町村にとっても魅力のある姿であると思われます。近隣のある町で行われた合併に関する説明会において、住民の方から、「岐阜市というブランドの方がいい。負担が高くなっても岐阜市の方が福祉サービスはずっといい。小さくまとまらないでほしい。」という発言がありました。また、「岐阜市は、政令指定都市を目指すと聞く。ぜひ岐阜市と話し合ってほしい。岐阜市と合併した方が将来的にいい。」との発言もありました。それにもかかわらず山県郡や本巣郡の南部、北部において、人口3万人から6万人の小規模な市をつくろうとしています。どうして岐阜市とは合併の協議にも至らないのでしょうか。岐阜市の意思表示がおくてであったというこのこともありますが、もう一つ、岐阜市との間に税金を初めとする負担とサービスに大きな違いがあることに起因しているのではないかと感じています。都市計画税は町村には課税されておりませんし、事業所税に至っては県内では岐阜市しか対象になっておりません。町においては1点に特化した住民サービスを行っている所も見受けられますが、3人目の子供さんに30万円、4人目以降には50万円の祝金を出されたり、下水道受益者負担金を取らなかったり、また、保育料について岐阜市の半額にしていたり、中学校まで医療費を無料にしたりといろいろと独自の施策を行ってみえます。もちろん福祉サービスを初めとする各種サービスは全体として岐阜市の方が豊富であり、高いのであります。今後合併の協議に当たって、この格差をどのように合わせていくのかは岐阜市民のみならず、岐阜市と一緒になると負担とサービスが変わると危惧をされる近隣の町村の住民の方々も大変関心のあるところではないかと思います。
そこで、市長にお伺いをいたします。
今後合併の協議を行う場合に、このような負担とサービスの格差をどのようにすり合わせていかれるのか、基本的な考え方をお聞かせください。
次に、岐阜市の財政運営についてお尋ねをいたします。
日本経済はバブルの崩壊以降、不良債権処理のおくれ、株価の低迷、IT産業の不振などが影を落とし、先行き不安から個人消費、設備投資、住宅投資なども落ち込み、企業倒産、雇用情勢の悪化など大変厳しい状況に追い込まれています。小泉総理が主張しておられる構造改革はぜひ実行されるべきと考えますが、現在のところはかけ声だけが大きく、実際にはまだ効果を予感できるところまでは進められておりません。一方、米国では10年続いた好況が頭を打ち停滞の兆しが見えかけていたところへ、昨年9月にあの同時多発テロ事件が勃発をし、アメリカ経済は相当深刻な打撃を受けているようで、その内外の悪影響はしばらく続くものと思われ、世界経済はまさに同時不況といった様相も見せ始めております。そうした中、我が国の平成13年度実質GDP成長率の政府経済見通しはマイナスの1.0%で、来年度も0.0%という予想が示されております。民間のシンクタンクでは、さらに一段と厳しい見方をしているようであります。また、構造改革がこれから本格的に進んでいった場合、短期的には景気にどのような影響を与えるのかもいま一つ定かではありません。こうした先行き不透明な状況の中で策定をされた新年度の当初予算であります。市長は提案説明の中で「入るを計りて出ずるを制す」の言葉どおり財政運営の原点に立って市政のかじ取りに誤りなきを期していきたいとの考え方を述べられましたが、まさにおっしゃるとおりであると考えます。
そこで、その歳入予算についてお尋ねをいたします。
まず、税務部長にですが、市税収入について、当初予算計上分として621億円、留保分として19億円、また、税外収入として64億円を見込んでおられますが、その算定に当たっては景気状況等をどのように見据え、どのような実績、データ、指標等を勘案して見込まれたものか、新年度への繰越金のベースとなる13年度の決算見込みを含めてお伺いをいたします。
また、総務部長にお伺いをいたします。
新年度の地方交付税の総額を国では4%減とされたと伺っておりますが、そうした動向の中、一般財源について同じくどのように見込まれたのか、お伺いをいたします。
それから、今回は骨格予算ということでありますが、その肉づけとなる6月補正での財源についてはどのように確保されるのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、事業評価システムの運用についてお尋ねをいたします。
事業評価システムは、平成11年度より3年間にわたりそのシステム開発委託費として計2,136万円を費やし準備がなされてまいりました。いよいよ新年度からその運用開始ということになるわけであります。そもそも民間では基本的に利益を基準に人、物、金、情報やサービス、こういったものを生み出して動かしていきます。したがって、新事業や新商品の開発、設備投資には企画の段階で徹底した市場のリサーチを行い、費用対効果を科学的に分析をします。しかし、行政では住民福祉や地域生活に寄与するというサービスの提供を前提としており、民間の利益を出すという単純にして純粋で厳しい市場原理の働く構造ではありません。そのためにこれまで行政には事業立案時における十分な需要予測や運営管理費を含めた資材の投入と、提供されるサービスとの比較、継続事業に対しての資材の投入と成果に対する評価等々の視点が欠けていたものと思われます。その結果として厳しい財政状況においても事務事業の見直しが進まないことや、施設建設後の後年度負担の増大などにより維持管理や償還などの経費が投資的経費を圧迫する事態が全国的に見受けられます。それらを解決するツールとして事業評価システムの開発が進められてきたわけであります。総務省が昨年秋にまとめた調査によれば、都道府県では8割近くが何らかの形での政策や事務事業の行政評価を導入済みであります。一方、市町村レベルではまだ5%というところですが、半数近くが導入を検討しているということであり、岐阜市も県都として県下に模範を示すようしっかりとした仕組みとして運用を始めていただきたいものと考えます。そして、施策の必要性を点検し、内容を公開することは行政の透明度を高める効果も期待できるものであります。
そこで、総合企画部長にお尋ねをいたします。
まず、岐阜市の行政評価システムはどういうものか。また、3年間の開発経過と実験段階での結果、そして、岐阜市において期待される効果と評価をその後の施策にどう生かしていくのか。
以上、お伺いをいたします。
次に、岐阜市の観光政策についてお尋ねをいたします。
新年度予算に新しい取り組みとしてエコツーリズム実態調査委託費が計上をされております。この取り組みは、近年旅行者のライフスタイルや観光の形態が変化しつつある中で、注目されつつあるエコツーリズムの視点から岐阜市の新たな観光資源を発掘、再構築するため、休眠観光資源の実態調査等を実施し、活用実態を編集し商品企画案として落とし込み、旅行エージェント等への誘客の資料ともされるものと伺っております。エコツーリズムにおける理論と実践では第一人者と言うべき京都嵯峨芸術大学の真板昭夫教授は、「地域のお宝さがし」という言い方でエコツーリズム的観光開発の視点を語ってみえます。その中で自然の宝、生活の宝、歴史と文化の宝、産業の宝、名人の宝と5つの宝にまとめておられますが、長良川、金華山を初めとする豊かな自然、古くからの歴史と文化、継承されたたくみのわざ等々、都心部にしてこれらを兼ね備えた本市は、まさにエコツーリズムにふさわしい財産を持ち合わせていると思われるのであります。そして、現状では有効な連携がとられていない従来からの観光資源を再評価し、効果的につなげていくキーワードにもなるものと考えられます。大げさに言えば、長良川エコリゾートの実現の足がかりにもなるものであります。
そこで、経済部長にお伺いをいたします。
今回のエコツーリズム実態調査は、どういう内容で行われ、どのように岐阜市への誘客に生かしていくのか。
また、エコツーリズムにふさわしい観光資源として、農林部の所管する東海自然歩道、ながら川ふれあいの森、畜産センター、また、水道部が間もなく完成される水の資料館、都市計画部の岐阜公園などがあり、部局の枠を超えてすべての誘客のセールスマンは経済部との認識で取り組む話になると思いますが、そのあたりの考え方と各所管部署に対する経済部のリーダーシップについてお伺いをいたします。
もう一点、観光振興として鵜飼1300年記念事業が計画をされております。これを期に積極的な観光キャンペーンを図られるようでありますが、特に目玉として喜多郎の野外コンサートが長良川河畔を舞台に計画をされております。喜多郎さんといえば、アメリカの音楽界最高の栄誉と言われるグラミー賞を受賞した音楽家であります。「長良川を奏でる」とのタイトルどおり、水の大切さ、自然との共存の願いを音に込め、思いを伝えたいと抱負を語っておられるとのことであります。聞くところによると、今回の構想のきっかけとして、喜多郎さんが長良川の清流に興味を示され、昨年から1年近くにわたって何度も長良川を取材、創作活動を続けられ、長良川を題材とした悠久で幻想的な楽曲は近く音楽CDアルバムとして発売されるものと聞いております。世界的知名度で言えば美川憲一の「柳ケ瀬ブルース」や五木ひろしの「長良川艶歌」を超えるものになるのかもしれません。そこに目をつけた今回のタイアップとも思われますが、そうであれば一過性のお祭りとするには惜しい感もいたします。御本人が許せば、夏の喜多郎と言えば長良川、夏の風物詩にする考えもあるわけですが、いかがでしょうか。
〔私語する者あり〕
喜多郎コンサートへの思いについて経済部長にお伺いをいたします。
ところで、先般の新聞報道で、長良川の鵜飼について世界遺産への登録を目指したいとの本市のコメントの記載がありました。長良川鵜飼のイメージアップとして実現をすれば何よりの宣伝効果にもなるわけでありますが、その進展状況についてもあわせてお答えを願います。
次に、岐阜市の総合交通政策についてお尋ねをいたします。
市民の足とも言うべき路線バス、路面電車といった岐阜市の公共交通はモータリゼーションの進展を背景に道路混雑による走行環境の悪化も相まって利用人員の減少傾向が続いております。しかし、一方で地球環境問題、高齢者福祉、交通渋滞の緩和、中心市街地活性化、郊外の居住環境の整備、観光コンベンション等々のさまざまな観点から一段と公共交通の必要性、重要性が唱えられてきており、重要な都市機能の一部であることを再認識し、その維持、活性化のための施策を推進することは、これからの岐阜市の町づくりの大きなポイントになるものと考えます。
路線バスについて見ますと、岐阜市内の岐阜バス、名鉄バス、市営バスのバス事業者3社の置かれた状況は極めて深刻であり、市内の路線の大多数は不採算であって、赤字額は年間で合計10億円以上にも上り、このままではバス事業の存続そのものが危ぶまれる状況であります。そうした中で岐阜バスでは昇給の停止や引き続きの賞与カット、早期退職者を募るなどのコスト削減策を断行をされ、名鉄もバス部門の給与切り下げ、賞与のカットに踏み切り、血のにじむ経営努力を重ねてみえるところでありますが、このままでは不採算路線からの撤退が相次ぎ、最終には岐阜市から市民の足がなくなってしまうといった事態にもなりかねません。そうした中でこの2月には改正された道路運送法が施行されました。この中で路線バスの受給調整が撤廃をされ、バス路線の新規参入、撤退が自由となりました。需要の多い路線については競争となる一方、放っておけば需要の少ない不採算路線の多くは廃止ということにつながるのであります。市民の足を確保するために国土交通省の方針では、必要とする路線については、今後は市町村の取り組みとして補助金などを支出して維持をするべきとされております。この点につきましては、さきの11月議会において林 貞夫議員の質問に対し総合企画部長から実施したいとの御答弁がありましたが、今回の当初予算には盛り込まれておりません。この点は市長の政策判断を受ける6月補正の段階にゆだねられたものと伺っております。
そこで、市長にお伺いをいたします。
まず、公共交通の必要性、重要性について、どのように認識しておみえになるのか。また、今後の赤字路線維持の方策についてお伺いをいたします。
それから、路線バスの活性化策として期待をされるオムニバスタウン計画と、かねてより議論をされてきたバス路線再編計画について、市民の方々からのアンケート調査を2月に実施しておられますが、この意見聴取の結果と今後の対応について、こちらは総合企画部長にお伺いをいたします。
次に、介護保険事業計画の策定についてお尋ねをいたします。
介護保険制度は高齢化が進む現在、これまで本人や家族が抱えてきた介護の不安や負担を社会全体で支え合うための新しい仕組みとして平成12年4月よりスタートをいたしました。その導入に当たっては直前で国の方針にもぐらつきが見られた中で、65歳以上の方からの保険料徴収の開始を半年間延期し、半額徴収から満額徴収へと2段階で引き上げるなど、まさに走りながら制度の確立をしていった感もあったわけでありました。
岐阜市も十数年後には市民の4人に1人が高齢者という超高齢社会になると推計され、特に寝たきりや痴呆などの要介護となる可能性の高い75歳以上の後期高齢者の占める割合が著しく高くなっていきますし、また、1世帯当たりの平均人員減少の傾向はまだ続くものと思われ、もはや家族のみで介護をすることは極めて困難な時代になりつつあり、この新しい介護保険制度の定着を図るとともに、より充実した仕組みへと改善していかなければなりません。
さて、新年度中には新しい介護保険事業計画を策定しなければなりません。これは介護保険法で3年ごとに、その先5年間のスパンでの事業計画を策定し、基本的な考え方、保険料、サービス内容、特別養護老人ホームなど施設の増床計画等々を定め、それに従うところによってその先の介護保険事業を運営していくという大変重要な事業計画となるわけでありますから、市民の声も反映をさせながら慎重に確かな事業計画をつくり上げなければなりません。
そこで、保健福祉部長にお尋ねをいたします。
この介護保険事業計画をどのようなメンバーで、どのような進め方で市民の声を反映させながら策定をしていくのか。
それから、介護保険スタートから2年を経過をするわけですが、所管部署として現状における問題点の認識についてもお伺いをいたします。
また、特別養護老人ホームの待機者について、当初の5年間の事業計画を前倒しをして、5年分の増床計画を間もなく2年で達成をするわけでありますが、その今月末に完成予定の2つの施設を見込んでも、なお500人近くの入居待機者がおみえになるものと伺っております。その対応についてのお考えもあわせてお伺いをいたします。
次に、鉛による土壌汚染についてお尋ねをいたします。
近年土壌汚染に対する市民の関心が一段と高まる中で、昨年5月、多治見市の射撃場において銃弾の鉛による土壌汚染が確認をされ、本市におきましても先月、2月18日、岐阜市三田洞東地内の旧警察学校射撃場跡地と周辺の土壌において訓練の銃弾が原因による環境基準を大きく上回る鉛が検出されたとの報告を岐阜県警察本部から受けたのであります。この射撃場は昭和40年から約31年間にわたって使用され、その間年平均6万発の鉛製の実弾が打ち込まれておりました。その鉛の銃弾は一部は回収をされましたが、多くが土の中に残っていたために鉛が土壌に溶け出し、射撃場内では土壌の溶出濃度で環境基準の29倍、また、射撃場から150メートル下の水路では環境基準の35倍の鉛が検出をされたのであります。幸いにして周辺住民への健康被害は今のところ確認をされておりませんが、大変心配な状況であると言わざるを得ません。汚染源の除去を進めるとともに周辺の井戸水及び河川水などの調査を徹底するなど、地域住民の不安を解消することがまず求められるところであります。
また、本市には日野に自衛隊の大規模な射撃訓練場がありますが、この事例を受けて周辺住民は同様の不安をもたらしているところであります。自衛隊に対して実態の報告と土壌、排水の調査を求めてかなければなりません。
そこで、環境部長にお尋ねをいたします。
まず、鉛の人体に対する危険性について、どういうものか。
旧警察学校射撃場跡地の問題については、岐阜県警察本部に対する要請も含め岐阜市としてどのように対処していくのか。
また、日野の自衛隊射撃訓練場についての対応はどうされるのか。
そして、そもそも昭和47年12月議会において、日野射撃場撤去に関する請願が全会一致で採択されておりますが、その点での岐阜市の対応はどうなっているのか、最後の1点は都市計画部長にお尋ねをいたします。
次に、完全学校週5日制についてお尋ねをいたします。
学校週5日制につきましては、さきの質問者を初め発言通告書によれば私をあわせて3人の議員から発言の通告がなされております。したがいまして、学校週5日制の内容等はもう十分御承知のことでありますから省略をし、早速本題に入らせていただきます。
週末、土曜、日曜の子供たちの時間についてであります。
私たちの会派では、さきの11月議会におきましても柳原 覚議員が代表質問でその対応について質問をいたしておりますが、地域の受け入れ状況については、市内の先進的な事例を2地域挙げられて、他地域にも積極的な対応をお願いをしていく旨の教育長の御答弁がありました。
また、学校開放についても、できる限りの施設利用を図りたい。学校職員には学校週5日制が定着をするまでの過渡期には、学校と家庭、地域を結ぶ働きを求めたいとの教育長答弁であったと、確かに記憶をいたしております。
いよいよ半月後には完全学校週5日制がスタートするわけでありますが、子供たちの地域社会の協力を受けての活動の場、部活動など学校教育の延長線上での活動の場、そして、自分たちで考え活動するための施設の提供等々は、完全学校週5日制の実施前までに整える必要があると言われてきたのではないでしょうか。生活の乱れや土・日が必ずしも休みではない共働きの御家庭で寂しい思いをする子供のことも心配であります。学校週5日制は、学校、家庭、地域社会が連携して21世紀を担う子供たちを育てることが主目的とされてきましたが、受け皿があやふやなまま子供を放り出すことはいかにも教育としては無責任な対応となる感がして私も市政にかかわる者として強く心配をしているところであります。
そこで、教育長にお尋ねをいたします。
半月後に迫った学校週5日制を前に、子供たちの活動の場はどれだけ整えることができたのか。また、不十分な部分についてはどのように対応をしていくのか。
以上、お伺いをいたします。
次に、若宮町通りケヤキ並木形成事業の減額補正についてお尋ねをいたします。
今回、13年度当初予算に盛り込まれておりました公園費の区分都市緑化のうち、若宮町通りケヤキ並木形成事業にかかわる6,000万円の全額が減額補正されるということであります。この計画は若宮町通りの車道中央部にケヤキを植栽し、都市部の緑化を図ることを目的として提案をされました。しかしながら、岐阜市の誇る一大歓楽街柳ケ瀬を南北に寸断することがにぎわいの妨げになるとの懸念や、地元住民から反対の声も上がっていたことから、当時所管の建設水道委員会においても当初予算全体には賛成をする委員からも、若宮町通りケヤキ並木形成事業については、事業執行には慎重な取り扱いをすること。地元の合意と納得が得られた上で進めることなどの注文がつけられていたのであります。
さて、1年の後その予算の全額を減額補正する予算が上程されてまいりました。この過程には今後教訓としていくべき点や反省すべきところが大いにあったものと思われ、この先市民主導の町づくりを進める上でこの経験をぜひとも参考にしていかなければなりません。
そこで、都市計画部長にお尋ねをいたします。
立案から中止の決定に至る経過と事業を断念された理由、そして、この教訓を踏まえた今後の町づくりの基本的な考え方についてお伺いをいたします。
なお、同じく減額補正されようとする温泉掘削費の案件に関しましては、後日私たちの会派の高橋 寛議員より関係部局に発言の通告がなされておりますので、その際にお答えを願いたいと思います。
最後に、岐阜市信用保証協会についてお尋ねをいたします。
岐阜市の信用保証協会は、昭和24年4月に社団法人岐阜信用保証協会として設立をされて以来、全国的にも横浜、川崎、名古屋、大阪の各市と政令指定都市以外では岐阜市、全国であわせて5カ所しかない市単独の協会として本市経済を支える大きな柱である中小企業の経営安定に向けその金融の円滑化に大きな役割を果たしてきており、この2月末での保証債務残高は1,077億を超える額となっております。現在、中小企業を取り巻く経営環境はかつてない厳しい状況下にあり、構造不況に金融制度改革の影響も相まって金融機関の貸し渋りの傾向が強く見受けられる中で、身近な市の信用保証協会に対する中小企業の期待は従来にも増して高まっているところであります。昨年12月18日より実施の岐阜市雇用対策緊急特別融資制度による既存の4資金の返済条件の緩和、年利1.0%、当初2年間の保証料はゼロとする雇用安定緊急資金は新年度も継続をされ、今回の当初予算においては各資金合わせて112億円の信用保証協会貸付金を計上をいたしております。これが金融機関の協調倍率によって617億円の融資枠となるのであります。しかし、資金繰りに必要な融資を受ける際に、せっかく融資は受けたものの、借金があった場合、その分を差し引かれるという事例も耳にする中、信用保証協会としてそのようなことのなきよう金融機関に対しての貸し渋り対策も含めた指導を強く望むものであります。
さて、信用保証協会の融資枠となる協調倍率の制度は、保証協会が岐阜市からの信用保証協会貸付金を各金融機関に定期預金の形で預けておき、金融機関は協調倍率として資金ごとに3倍から8倍、平均でおよそ5倍を乗じたものを融資枠としてまいりました。ところが、今その仕組みの抜本的な見直しを迫る事態が起ころうとしています。ペイオフであります。信用保証協会では、これまで定期としてきた預金を新年度には普通預金に切りかえるとのことであります。そして、普通預金も保護されなくなる15年度、仮に1,000万円を超える預金は外すという判断をすれば、そこで協調倍率に基づく融資枠の仕組みが崩壊をするわけであります。しかし、今後とも信用保証協会には厳しい経営環境に置かれた中小企業の金融の円滑化という重要な使命をさらに果たしていってもらわなければなりません。
そこで、経済部長にお尋ねをいたします。
15年度以降の協調倍率による融資枠の仕組みとペイオフの関係をどのように解決していくおつもりなのか、お答えください。
また、定期預金の1年間の利息、13年度では1,500万円、これは協会の貴重な運営資金となっておりましたが、新年度は普通預金に切りかえることで200万円に激減をいたします。そのことが運営に与える影響についてもお伺いをいたします。
以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)
◯議長(松井逸朗君) 市長、細江茂光君。
〔細江茂光君登壇〕
◯市長(細江茂光君) 私の基本姿勢についての御質問にお答え申し上げます。
まず、岐阜市の現状と課題についてであります。
長引く景気の低迷によりまして、市民の将来に対する不安感や、あるいは閉塞感から、消費活動は冷え込み、産業の衰退による雇用環境の悪化等々経済社会環境は極めて厳しい状況にある、連鎖的な厳しい状況にある、認識しております。こういう中で40万県都として岐阜市が元気を取り戻す、これが今最も重要なことだと考えております。したがいまして、本市が取り組む第1の仕事は、産業の活性化であります。また、岐阜大学医学部跡地の利用計画を含む中心市街地の活性化、これも重要な問題だと認識しております。また、市民の皆様が大変関心のお高い市職員の意識改革、あるいは行財政改革、さらには、少子・高齢化対策、あるいは市町村合併の問題などなど市民の皆様がほんとに安心して快適に暮らせる岐阜市、これを実現するためになすべき行政の課題は山積している、こう認識しております。
次に、私の市役所の内部に関する感想と市政に対する私の決意についてでございます。
先日、私ども庁内の若手職員有志と気楽なランチをとりながらのミーティングを行いました。率直な市政についての思いを語り合いました。そこで私は、私が民間会社の時代の若い部下たちと感性がほとんど変わらないということを悟りました。大変うれしく思い安心しました。今後とも機会をとらえまして市職員の各界各層と幅広く意見交換を行い、意思の疎通を積極的に図って市政刷新に向けて市役所一丸となって努力していきたいと考えております。
厳しい社会経済情勢の中、今回私が民間出身の市長として県都のかじ取りを任されたわけでございます。市政運営につきましては、当然利益を追求する民間企業と公共の福祉、あるいは公益を追求する行政とはおのずと経営手法は違う。それを認識しながら、しかし、限られたこの財源の中で極力行政のむだを省き、民間の経営感覚を十分取り入れながら効率的かつ効果的な行財政運営に心がけていきたいと、こう考えております。
今日岐阜市が抱えるさまざまな課題について、少ない期間ですべてを解決することは不可能であります。しかし、民間企業の、あるいは市民の皆様のお知恵を拝借しながらできるだけ早い時期にいろんな問題解決するために、中・長期的なビジョンを早く策定していきたいと考えております。
次に、総合計画の策定につきましてであります。
とかく第4次総合計画につきましては、理念中心で岐阜市の将来像が見えない等々の批判がございます。市民の皆様にわかりやすい計画であることと民意を反映した計画であることを念頭に置きながら、激変する社会の変化に即応できるような、かつ実効性を伴う計画をこれからつくっていく必要があると考えております。もちろんこれまでの計画も十分検証し、基本構想のあり方も含めて検討してまいりたいと考えております。
民間活力戦略会議についてであります。
経済の活性化を中心に政策ビジョンの確立を図ることを目的に内外のそれぞれの分野で卓越した民間会社の専門家、あるいは学識経験者の皆様約十数名の方を予想しております。この方々に御参加いただいて、民間ならではの発想やお知恵を拝借して政策立案に当たっていきたいと考えております。先ほど申し上げましたが、市政懇談会あるいは市民との対話、ここでいわゆる市民の思いをくみ上げ、その思いを絵にする作業、この仕事をこのいわゆる仮称でございますが、民間活力戦略会議において行っていきたいと考えております。民間活力戦略会議におきましては、岐阜市が持つ、あるいは岐阜市の経済が持つ潜在力を顕在化させるための方策、これを検討していただくとともに、岐阜大学医学部の跡地、あるいは岐阜駅前、あるいは柳ケ瀬、あるいは観光産業等々の個別の案件について御提言をいただく、こういうことも考えております。
次に、市町村合併についての御質問でございます。
私は市町村合併の協議を進めるに当たりまして次のようなことを基本方針として考えております。1番目として、合併相手の自治体とは対等な気持ちでお話をさせていただく。2番目として、相手方、合併相手の意向を十分に尊重する。3番目といたしまして、合併相手の自治体の庁舎は分庁舎的な機能を持っていただき、従来の行政サービスの維持に努める。4番目に、合併相手の文化、伝統を十分重んじていく。5番目に、これは大事なことでありますが、お互いの将来のビジョンを共有する、でございます。
議員御指摘のとおり、岐阜市と隣接市町村の間には負担やサービスにおいて格差があります。このことに関しましては私は合併を進める上で乗り越えていかなければいけない、また、協議、話し合いの中で十分乗り越えていけると確信しております。基本的には同一負担、同一サービスと考えております。が、急激な負担の増加も避けなければならないと考えております。合併特例法では地方税の不均一課税、つまり合併が行われた年度とこれに続く3年間は不均一課税ができることが認められております。また、現在、国においては不均一課税の5年間への延長、あるいは課税免除の特例措置等々が審議されております。これらの法的措置を十分踏まえて種々の課題を協議し解決していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、私は市民との対話を大切にして市長としてのリーダーシップを十分発揮し、政令指定都市を目指し日本一元気な県都をつくっていきたいと考えております。
次に、岐阜市の総合交通政策についてであります。
バス交通は年々利用者が減少し、市営バス、民間バス問わず極めて厳しい経営環境にあります。しかし、バスは今後ふえ続ける高齢者、あるいは車に乗れない交通弱者にとっては重要な移動手段である。それだけではなくて交通渋滞、あるいは環境問題の解決、あるいは、いわゆる中心市街地活性化にとっても極めて重要な手段であると考えております。今後とも公共交通を重視した交通政策が極めて重要であると認識しております。バス交通を活性化するためのいろんな施策、例えば、バスレーンの創設、あるいはバス優先信号の導入、あるいはバスの走行性を向上させる取り組み、バスターミナルなどの交通結節点の整備強化などがあります。さらに、高齢者、車いすの方々のための低床、超低床のバスの導入、あるいはバスが今どこにあるかわかるバスロケーションシステムの導入、あるいは総合案内システムなどなど、バスの情報化サービスの取り組みについても今後十分取り組んでいかなければいけない、考えております。
それから、バス路線の乗り継ぎ割引など拡大することによって割高感のあるバス料金についても見直しをしていきたいと考えております。いずれにせよ、バス事業につきまして、単独の施策ではなくて総合的な取り組みの中でいろいろと解決を図っていきたいと考えております。
そして、喫緊の課題として赤字路線対策があります。その対策の1つとしましては、当然赤字路線の補助がございます。今後の乗合バス路線の維持は一定の利用者があり、サービス水準を維持しなければいけない路線、いわゆる生活路線につきましては、赤字に対する補助制度を創設し、市営、民間を問わず対応してまいる所存であります。今回の予算は骨格予算であります。交通部の予算においても前年度までの予算計上方法を踏襲した形となっております。が、新たな補助制度の発足に合わせ見直したいと考えております。
以上、御質問にお答えいたしました。
◯議長(松井逸朗君) 税務部長、村瀬忠敬君。
〔村瀬忠敬君登壇〕
◯税務部長(村瀬忠敬君) 財政運営についての御質問のうち、平成13年度決算見込み額と、それを踏まえての平成14年度の市税収入をどのように見込んでいるかということにつきましてお答えをしたいと思います。
御指摘のとおり、国内景気は依然として厳しい状況が続いておりますが、このような状況の中で平成13年度の市税決算見込み額は個人市民税では長引く景気の低迷により所得が減少し、法人市民税におきましても企業収益は低下しており、また、固定資産税、都市計画税では家屋の新増築による増収はあるものの、土地は地価の下落に対応した調整措置がとられていることなどの要因から減となり、市税全体では657億8,000余万円、前年度に比べ約11億4,000万円、1.7%の減収になるものと見込んでおります。
次に、平成14年度につきましては、個人市民税では13年度春闘の賃上げ率は過去最低の2.01%、一時金、所定外労働時間も減少し、また、完全失業率や企業の倒産件数は高水準にあり、雇用情勢の悪化により納税者数は減少の傾向にあることから所得の減少は避けられないことなどを勘案し、本年度見込み額より約8億円減の188億円を、法人市民税におきましても企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、建設業、製造業を初めとしてほとんどの職種におきまして前年実績を下回っております。早急な回復は難しく企業収益は低迷するものと思われ、約3億円減の54億円ほどを見込んでおります。また、固定資産税、都市計画税につきましては、家屋の新増築による増収要因はありますが、地価の下落に対応した調整措置により約5億円減の340億円ほどを見込んでおります。その他の税につきましても各種資料に基づき的確な把握に努め、平成14年度の市税収入額は640億円は確保できるものと考えております。また、自動車重量譲与税、地方消費税交付金の税外収入につきましても実績及び種々の経済指標等に基づき精査し、64億8,000余万円を確保できるものと考えております。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 総務部長、高田幸和君。
〔私語する者あり〕
〔高田幸和君登壇〕
◯総務部長(高田幸和君) 新年度予算に計上いたしました市税、それから、税外収入以外の一般財源につきましてお答えをいたします。
まず、地方交付税でありますが、国の出口ベースでは前年度に比べて4%の減となっておりまして、本市の当初予算でも10億円の減となります120億円を措置いたしたところでございます。また、地方交付税の不足分を補う目的で創設されました臨時財政対策債、これにつきましては新年度は33億円の増となる38億円を計上いたしておりまして、この2つを合算した総額では前年度に比べまして23億円、率にして17%の増を見込んだところであり、市税や税外収入の減収を補てんするよう対応したところでございます。
次に、今後の補正財源についてお答えいたします。
留保財源といたしましては、市税で当初予算計上額との差19億円でございますが、そのほか平成13年度からの繰越金でございますが、これにつきましては決算見込み額を把握することは現時点ではなかなか困難なところもございますが、30億円程度は見込めるだろうと考えておりまして、当初予算計上額5億円との差額25億円が今後の補正財源として活用できるものと考えております。さらに、骨格予算ということで、当初予算では措置を講じなかった財政調整基金の活用なども含めまして各種の行政需要にこたえてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、今後とも市税などの一般財源が大幅にふえるようなことは期待できません。できる限りむだを省いた予算の執行に努めていかなければと思っております。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 総合企画部長、山田 正君。
〔山田 正君登壇〕
◯総合企画部長(山田 正君) 最初に、事業評価システムの運用についてお答えいたします。
まず第1点目の、このシステムの仕組みについてでございますが、事務事業の企画立案時点で行います事前評価、それと継続する事務事業を中心に行います事後評価で構成されております。このシステムは本市の行う事務事業につきまして、その目的、目標をしっかりと定め、必要性、有効性、効率性などを主眼に評価いたしまして、最小の経費で最大の効果を生み出し住民満足度を高めていくことを目的としております。
第2点目の、開発の経過についてでございますが、平成11年度から12年度にかけましては、継続する事務事業につきまして240のサンプル事業を抽出し、ヒアリングを実施しながら評価指標の組み立てや事業の目的、目標の定め方など、仕組みの構築及び研修を行いまして事前事後の評価システムを構築してまいりました。また、本年度におきましては事前評価の考え方を実施計画策定に取り入れるとともに、相互のシステムの連動性を高め、全体のシステム構築を行ったところであります。
第3点目の、活用方法につきましては多岐にわたるところでございますが、事前評価の結果につきましては、主に新規主要事業の政策判断に活用してまいりたいと思っております。一方の事後評価の結果につきましては、行政改革、総合計画の進行管理、予算編成資料などに活用できるものと思っております。今後この事業評価システムの円滑な活用によりまして効率的な行政運営が一層進展していくことが期待できると思っております。
次に、オムニバスタウン計画とバス路線再編計画に対する意見聴取の結果と今後についてでございます。
オムニバスタウン計画は、国、県、市やバス事業者が協力し、それぞれの事業を有機的に結びつけてバスの活性化を図ろうとするものであります。また、バス路線再編計画につきましては、現在、3社が競合してわかりにくくなっているバス路線をわかりやすくしようとするもので、2つの計画はいずれも利用客の減少が続いておりますバス交通を魅力あるものに変えて利用客の増加を図ろうとするものでございます。これらの計画案につきまして、本年2月1日からの1カ月間アンケート調査を実施いたしましたところ、オムニバスタウン計画につきましては563人、バス路線再編計画につきましては571人の市民の方、利用者の方々から御意見をお寄せいただきました。今後はお寄せいただきました御意見に対する市の考え方を公表し、その上で、できれば本年夏ごろにはオムニバスタウン計画の国の指定を受けまして、超低床ノンストップバスの導入であるとか、あるいはバス停の改良などオムニバスタウン整備事業の推進を図ってまいりたいと思っております。
バス路線再編計画につきましては、皆様の御意見を踏まえてバス事業者の方々と協議を続けることになりますが、実施に当たってはさらに市民の方の御意見をいただき、事業者の方々の意見などと調整をすることが必要と考えております。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 経済部長、多田喜代則君。
〔多田喜代則君登壇〕
◯経済部長(多田喜代則君) 岐阜市の観光政策についてお答えをいたします。
まず、エコツーリズム実態調査は、国の全額補助事業であります緊急地域雇用創出特別交付金事業で実施をする予定であります。学識経験者によります専門委員会のもとに、失業者の中から採用されました調査スタッフとで構成し、実際の事業運営は民間企業に委託をしようとするものであります。長良川の鵜飼、金華山、岐阜城、岐阜公園などのほかにも他部局の所管する施設や周辺市町村の施設や自然もエコツーリズムの活用できる観光資源として再評価を行うとともに、休眠している観光資源の実態調査を行い、旅行者に心の触れ合いやいやしを提供できる環境に配慮をした観光の振興を図ってまいりたいと存じております。
続いて、喜多郎長良川コンサートについてお答えをいたします。
鵜飼1300年記念事業として、シンセサイザー演奏者であります喜多郎氏を迎え、本年8月17日、18日の両日、清流長良川を舞台に喜多郎コンサート「長良川を奏でる」をタイトルに開催をいたします。このコンサートは、長良川の河原に特設会場を設けまして2万人のお客様を迎えるシンボルイベントとして開催を予定しております。既に1月29日に長良川温泉旅館協同組合を中心に流域市町村長も参加しての実行委員会が結成をされました。また、これを契機に発売されます長良川をテーマにしたCDのジャケットには特別に長良川コンサートや鵜飼のことについて印刷されると伺っております。このような喜多郎氏の熱い思いと長良川の自然がこのコンサートで融合し、長良川の風物詩として全国に発信できるものと確信をいたしております。今後は一過性のイベントに終わらないように実行委員会を支援をしてまいりたいと考えております。
続きまして、鵜飼の世界遺産登録についてお答えいたします。
世界遺産は、普遍的な価値を有している建物や遺跡、また、自然保護や学術的に保存していくべき価値のある自然の地形や景観などハード面に与えられるものでございます。それに対しまして伝統文化や民族儀式などソフトについての保護を目的に、昨年の5月になって初めて人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言を行い、いわゆるソフト部門の世界遺産として日本の能楽など19件が指定をされております。そのような背景の中で多数の市民団体から本市の鵜飼をソフトの世界遺産とも言うべき無形遺産の傑作の宣言の指定への機運が盛り上がってまいっております。しかし、ユネスコからの指定は2年に一度であります。既に日本政府からは鵜飼以外のもので10年間分の暫定リストが提出されており、今後指定につきましては粘り強い長期的な取り組みが必要と認識しております。今後官民一体となって取り組んでいく考えでございます。
次に、信用保証協会について御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、岐阜市信用保証協会は国の金融政策の一環として認可を受けたものであります。全国52協会中都道府県、政令指定都市以外では唯一存在する保証協会でありまして、本市の中小企業対策の根幹を担っているものでございます。
まず1点目の、融資枠の仕組みとペイオフ対策であります。
全国的な動向としましては、預金が一定額までしか保護されないことを受けまして、莫大な公金が必要な現在の預託制度を見直す動きがあります。こうした動きの中で平成15年度からの対応につきましては、市の貸付原資を金融機関がかわって調達し、市はその調達コストを補給する方式、あるいは金融機関への利子補給方式など幾つかのケースについて現在検討をしているところであります。そうした中、平成14年度は平成15年3月まで全額保護される普通預金により預託をし、従来の仕組みを継続したいというものであります。今後につきましても市の貸付原資の安全性と中小企業への金融の円滑化を考慮に入れまして、県の動向、あるいは他の先行事例を参考にし、関係機関とも連携を図りまして適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
2点目の、信用保証協会への財政援助につきましては、現在、出捐金と預託金の運用益によって支援をいたしておりますが、新年度におきましては、議員御指摘のとおり、預託方法が定期預金から普通預金に変わることにより運用益は減少いたします。運用益が減少するために保証協会の収支を下支えする方法としましては、保証協会の収入源であります保証料を補給する方法とか代位弁済による損失の補てん等が考えられますが、財源負担等考慮しながら他の自治体の動向も参考にして、その妥当性等を検討してまいりたいと考えております。岐阜市におきましては平成13年度から岐阜市、金融機関、保証協会の三者が一体となりまして、経営基盤強化4カ年計画を策定し、現在、その推進に努めているところでございます。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 保健福祉部長、山田昭夫君。
〔山田昭夫君登壇〕
◯保健福祉部長(山田昭夫君) 介護保険についての御質問にお答えいたします。
まず、介護保険事業計画につきましては、平成14年度はその見直しの年であり、本市のこれまでの介護サービスの給付実績の分析、また、アンケート調査に基づく要介護者等の利用動向を踏まえ計画の作成を進めてまいりたいと考えております。この計画作成に当たりましては、学識経験者、福祉、保健、医療、自治会等各種団体の代表並びに2名の市民公募による委員を加えまして、20名で構成される岐阜市老人保健福祉計画作成委員会を設置することといたしております。さらに、市民の声を広くお聞きするため、岐阜市のホームページにより求めました意見や介護相談員の意見等を計画の中に反映させていきたいと考えております。
次に、保険者として現状での問題点として、どのようなことを認識しているのかということでございます。
これにつきましては、介護サービスにおける質の向上、特別養護老人ホームで多くの待機者を抱えているという基盤整備の問題、居宅サービス系の一部において低いとされる介護報酬の問題のほか、介護度が低く見られがちな痴呆性高齢者の要介護認定に係る問題等々があることを認識いたしております。こうした問題の中で岐阜市として解決すべきことにつきましては鋭意努力しているところでございますけれども、国における制度の見直しにゆだねるものも多くございますので、市長会等を通じ国に対して要望をしてまいりたいと考えています。
次に、特別養護老人ホームの待機者についてでございます。
介護保険制度がスタートし、本市においても特別養護老人ホームの入所希望者が増加してきております。これまでも待機者解消のため在宅サービスの充実を初め、施設整備につきましても計画の前倒しなどいろいろ努力をしてまいりましたが、今後も計画の中で適正な整備目標を定めて、その実現に努めていきたいと考えております。
以上、お答えいたします。
◯議長(松井逸朗君) 環境部長、佐藤俊正君。
〔佐藤俊正君登壇〕
◯環境部長(佐藤俊正君) 鉛による土壌汚染について3点の御質問にお答えをいたします。
1点目の、鉛の人体に対する危険性についてでございますが、文献によりますと、人が鉛により影響を受けやすい組織としましては、神経組織と腎臓であり、特に造血器への作用が特徴的と言われております。また、人に健康被害を生じさせない量として、地下水にかかる鉛の環境基準は1リットル当たり0.01ミリグラムと設定されておりまして、これ以下であれば人体に蓄積されないと説明されているところでございます。
2点目の、旧警察学校射撃場跡地の鉛汚染への対処についてでございます。
2月18日に本市に対しまして岐阜県警察本部の自主検査により土壌にかかる鉛の環境基準を超えている地点が確認された旨の報告がございました。本市としましては直ちに現地及び流出系統を調査するとともに、下流域の井戸水及び河川水、底質を検査したところでございます。その結果、現在、検査中の河川底質を除き井戸水11検体、河川水5検体のすべてにおいて鉛は検出されておりません。今後は警察本部の土壌の詳細調査をもとに県及び専門家と十分に協議をした上で、適正な処理方法等につきまして指導してまいりたいと考えております。
3点目の、日野の自衛隊射撃場への対応についてでございますが、旧警察学校射撃場跡地及び県内外の他都市の状況を考え合わせますと、土壌及び流出系統の汚染が懸念されるところであり、したがいまして、本市といたしましては陸上自衛隊に対し土壌及び排水等の実態把握に努められるよう要望をいたしたところでございます。今後は陸上自衛隊と調査方法等につきまして十分協議をしながら最善の対策について指導をしてまいるとともに、本市といたしましては河川水等の周辺環境調査を実施いたしまして、流域住民の生活環境の保全を図ってまいりたいと思います。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 都市計画部長、小林 忠君。
〔小林 忠君登壇〕
◯都市計画部長(小林 忠君) 2点の御質問に順次お答えさせていただきます。
1点目の、日野射撃場につきましては、昭和47年の定例会で日野射撃場撤去に関する請願が採択されていますことから、移転撤去を基本といたしております。
今後の進め方につきましては、さきの定例会でもお答えさせていただきましたように、引き続き移転撤去の努力をしてまいりますが、代替地の確保の難しさや周辺住民の生活環境上の問題への対応のため、暫定的な措置として自衛隊から申し入れされていますような覆道化という選択肢もあるものと考えております。
〔私語する者あり〕
議会や市民の皆様の御意見を伺いながら、環境面でも慎重に国と協議に臨んでまいりたいと考えております。
〔私語する者あり〕
次に、若宮通りのケヤキ並木形成事業でございますが、本事業は本郷町のケヤキ並木を粕森公園までつなぐ緑の回廊といたして、緑と個性豊かな都市環境の創出をするために本年度予算措置をいたしたものでございます。事業化を進めます中、地域住民の皆様方からケヤキの植栽によります町の南北分断や、町が暗くなるなどの反対意見が出されましたので、若宮町通りの道路実態調査を行い、その資料をもとに道路の活性化方策などについて意見交換をしてまいりましたが、合意を得るまでに至りませんでした。まことに申しわけなく深くおわび申し上げます。
しかし、柳ケ瀬や若宮通りに人が集まり、にぎわいを取り戻す中心市街地活性化対策は必要と考えており、新年度につきましても地域住民の皆様と意見交換をし、魅力ある町づくりに努めてまいりたいと考えております。
なお、今後の予算措置に当たりましては、市民と協働の町づくりの観点から、今回の経験を踏まえ市民の皆様と十分議論を重ねた上で事業の立案をしてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
以上でございます。
◯議長(松井逸朗君) 教育長、安藤征治君。
〔安藤征治君登壇〕
◯教育長(安藤征治君) 学校週5日制への対応についてお答えをいたします。
1月末に市内の全小学校に学校5日制に向けた地域の実態に関する調査を実施をいたしました。その結果、地域の子供は地域で育てるという体制が徐々に整いつつあるというふうに認識をしております。11月議会におきまして具体例を紹介をさせていただきましたが、それ以後「生き生きサタデー」など週末の活動の場の検討がされたり、休耕田を利用して花づくりをしたい、あるいは子供たちと一緒にボランティアサークルをつくりたいといったような申し出っていいますか、動きもあちこちでございます。また、地域の公民館においては子供を含めた三世代交流の講座を増設するなど子供向けの活動の場が芽生えつつございます。具体的になっていなくても何かしなければならないと、何ができるだろうかといったような意識の高まりがあちこちに生まれておるということを私は大変うれしいことだというふうに思っております。
2点目の、学校教育の延長上での問題でございますが、これは大きく部活動にかかわることが大きいわけでございますけれども、この部活動に対する子供の意識は休みがふえて部活動ができるからうれしいという子もいる反面、また、部活動に追われるのは嫌だという生徒もいることは事実でございまして、子供にとって過度の負担にならない方向で校長会での検討をしていただいております。また、長森南中学校では学校任せにしないで地域を挙げて総合型地域スポーツクラブを立ち上げ、将来は運動系だけでなくって文科系も含めた地域のコミュニティーをつくりたいと、こんな動きも出てきております。大変ありがたいことだと思っております。
3点目の、個々の子供が主体的に活動する施設や場の提供でございますけれども、岐阜市におきましては、先人の努力で青少年が活用できる施設は大変多いと、他の都市に比べて私は自慢できるというふうに思っております。そうした施設をいかに有効に使うかということが大きな課題ではないかというふうに思っているところでございます。学校施設につきましても検討をしておりましたけれども、なかなか難しい要件がたくさんございます。しかしながら、できるところから進んで開放を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
御案内のように、この学校週5日制は、平成4年に月1回、平成7年に月2回の実施が行われました。その都度受け皿をどうするかという議論が沸騰をいたしました。今回も「土曜日受け皿着々」「4月から学校完全5日制」「体験学習できる力」「学力低下に補修授業」等々といった記事が新聞をにぎわしております。ある意味では、大きなこのことによる関心も高いわけでございますけれども、一方において、受け皿不要論というのがあることも事実でございます。受け皿をつくったとしてもそれですべての子供を受け入れることはできないという問題と、それから、結局受け皿をつくることによって子供の生活がまた忙しくなるんでないかと、子供が引き回されるんでないかということですね。さらには、ゆとりの中で子供の主体性を尊重し、個性を伸長するという本来の趣旨から外れていくのではないかと、こういう懸念も言われる方もございます。ある方が私に、子供に自分の好きなことが思う存分できる自由な時間をプレゼントすると、こういうふうに大人が考えるべきではないかということをおっしゃった方もございました。
いずれにしましても、しかしながら、子供の発達段階とか個々の子供の力、あるいは家庭環境によりますと願いどおりの生活ができるとは限りませんので、そうした漠然とした不安ではなくって、具体的な子供の姿をとらえてそれに対する対応、支援をしていくことが今後の課題かなあというふうに思っております。と同時に、今申し上げましたように、学校完全5日制の趣旨をきちっと大人が理解すると、言ってみれば私は学校完全5日制は大人の生き方がまた問われているというふうに思うわけでございますけれども、そうした意味での意識啓発を進めていく必要があろうかというふうに思っております。その意味で教育21・岐阜市民トークの展開をぜひとも来年度も進めていきたいと、さらに活発に進めていきたいと、そんなふうに思っております。
以上でございます。
〔「議長、1番」と呼ぶ者あり〕
◯議長(松井逸朗君) 1番、松原和生君。
〔松原和生君登壇〕
◯1番(松原和生君) それぞれ御答弁をいただきましたので、意見並びに再質問をさせていただきたいと思います。
まず、市町村合併についてでありますが、本日この議会は岐阜放送でテレビ中継をされておりますが、周辺の町村の方がごらんになっておられましたら、うなずかれた部分もあったのではないかと思っております。市長のアクティブな行動ぶりに周りの首長も住民も注目をしておられます。市長の顔が今この件に関してのまさにトップセールスであると、こういうことでございますんで、ぜひとも引き続きの御努力をお願いをいたしたいと思っております。
それから、財政運営についてでありますが、今回骨格予算、肉づけとなる6月の分は実は全体の中では限られた部分、わずかな部分しかないということであります。つまり今後細江カラーのある資質を伴う市民のための施策を打つには、削れるところは削り、不必要なものはやめると、そういったものを再配分するといったことでなければその財源が出てこないということでありまして、まさに民間の感覚を持っての財政運営が必要となってくると、こういうことだと思っております。
先ほどの市町村合併について一言言い忘れましたが、調べによりますと、地方債の残高が住民1人当たり岐阜は38万円、北方町は18万円ということであります。しかしながら、岐阜市には東部クリーンセンター、市民病院、国際会議場、こういったものをつくるためにできた地方債でありまして、借金があるじゃなくて財産がある、この辺を数字を片側だけをとられて発言をして、また、議論してみえる方もみえます。私は市債すべては借金ではなく財産でもあると。その財産、そのかわりしっかりとした財産をつくらなければいけないと、こう思っておりますので、ちょっと一言つけ足させていただきます。
それから、事業評価システムの運用については、ぜひ誤りのない政策判断と行政改革に役立てていっていただきたいと思っております。
エコツーリズムに関してですが、こういった計画というのはつくる側の理論、つくる側のやりやすさではなくて、旅行者の視点、旅行エージェントの視点、発想で取り組みを進めていただきたいと要望をいたしておきます。
そして、先ほど申し上げました農林部所管の施設、都市計画部所管の施設、水道部所管の施設、縦割りの弊害とか、こういった批判の受けることのないように市長、助役の一段上からの御指導も含めてチェックをしていただき、先ほど申し上げたように、経済部長には岐阜市のすべての施設を外に売るセールスマンであると、こういう発想ですべての施設を売りに行っていただきたいと、こういうふうに思っております。
それから、岐阜市の総合交通政策ということですが、市長は通算12年間アメリカで勤務をされておられたと伺っております。海外では御承知のように、公共交通というのは社会基盤として完全に認知をされておりまして、例えば、低床式の路面電車のようなものが公共交通の手本であると、こんなことでよく写真に載ったりしておりますけども、あれにしましても実際収入で成り立つ分はその経費の2割か3割でありまして、残りの分はすべて行政が必要とするという認識から福祉なり何らかの発想から経費を投入して運行されていると、こうした中でこれからの先進的な町づくりはまさに公共交通は都市基盤であると、こういう発想が必要であると思っております。ぜひとも今後の積極的な施策展開をお願いをいたしておきたいと思っております。
それから、鉛による土壌汚染に関してでありますが、先日岐阜の県議会でも取り上げられたと伺っております。多治見市では、この今回の特別雇用、緊急雇用制度ですか、これで国から来ました100%が補助となるこの補助金を使って雇用対策で人を雇用しまして、今その除去作業を行っておみえになるようですが、ぜひ県に対してもそのような要請をお願いをしたいと思います。
それから、日野の射撃訓練場、自衛隊の皆さんのお仕事は私たちの生命、財産を守っていただくための大切で大変なお仕事であると思っておりますが、訓練の場所も必要ではありますが、住宅街の間近にあるというのは問題であろうと思っております。引き続きの御努力をお願いをしたいと思っております。
それから、教育長につきましては、ちょっと時間の関係で、ぜひ近々ひざを突き合わせてお話をしたいと思っておりますので、(笑声)お願いをします。
岐阜市信用保証協会、1つしかないということですが、
〔私語する者あり〕
市にない市があれば県に頼みに行けばいいわけでして、市に持ってるというメリットはやはり身近にあるということですから、ぜひ貸し渋り対策も含めて
〔私語する者あり〕
積極的な対応をお願いをしていきたいと思います。
2点、再質問をさせていただきたいと思います。
まず市長、岐阜市の現状と課題についてということで、まず第1に、取り組むべき課題として産業の活性化、中心市街地の活性化、また、もう一つ、市職員の意識改革を上げられました。企業人であった市長に市民が最も期待をされる部分であるとも思われます。この2点について、市長の具体的なお考えをお伺いをしたいと思います。
それから、環境部長より鉛の毒性について御説明がありました。身近な鉛の問題としまして、水道管のこの基準がこれまで1リットル当たり鉛0.05ミリグラムであったのが0.01ミリグラムに来年度からですか、引き上げられる、基準が、水道水の基準が引き上げられるということでありまして、その場合に岐阜市では基準を満たさない所が多々出てくると伺っておりますが、その対応についてお尋ねをいたしておきます。
岐阜市において今回の選挙で新しい風が吹いたと、このように報道機関が言っておられました。新しい風の求める変化は市長の変化のみならず、市役所全体、そして、私たち議員に対しても求められているのだと思っております。その風を吹かせた市民の声が何を求めているのか私たちも察していかなければならないと思っております。市長には、今の民間企業出身であるという、こう繰り返しおっしゃられた気持ちがこれからその民間を離れてからの時間が長くなるにつれて薄れることのないように、僣越ながら希望をいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
◯議長(松井逸朗君) 市長、細江茂光君。
〔細江茂光君登壇〕
◯市長(細江茂光君) 再質問にお答えいたします。
中心市街地の活性化につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、私は岐阜市の県都の顔としまして柳ケ瀬から駅前に至る一帯、極めて重要な場所だと考えております。先ほども申し上げましたように、岐阜市のビジョン、岐阜市が将来どうあるかと、その町づくりの中でその顔としての岐阜市、駅前、あるいは柳ケ瀬、あるいは岐阜大学医学部の跡地、この開発をどうすべきかということを考えていく必要があると思います。特に駅前から柳ケ瀬の開発につきましては、点の開発ではなくて面としての思い、もしくは地域住民の皆様の合意形成プロセス、これを重視してやっていかないといろんな権利関係が入り組んでおります。なかなか上から与えられた絵ではそのままには実現できないと、こう思います。よって、地域住民の皆様方が積極的に参加されて、皆様の意思を、意思を盛り込んだ絵をつくっていただく。これに対して行政としてはいろんな情報の提供、あるいは法律面でのいろんな方法論について御協力していくと、こう考えていきたいと、こう思っております。
先ほど御指摘もございました公共施設につきましても、もし可能なものがあれば適正配置を行いまして、そこに人が集まるいう意味合いで協力をしていきたいと、こう考えております。
それから、市政の刷新におきまして、いわゆる、いわゆる意識改革、それと組織の改革、これが二本立てで極めて重要だと考えております。
意識改革につきましては、いわゆる職員の、いわゆる市職員の公僕意識でございます。先ほどから申し上げておりますように、これからは民間との人事交流を図り、民間が持っているいわゆる経営感覚、あるいはそのサービスがなければ自分たちが生き残れない、サービスがお客様に受け入れられなければ自分たちは生き残っていけない、この感覚、あるいはいろいろな面での学ぶことたくさんあると思います。そういう部分についてのいわゆる人事交流、さらに、先ほども申し上げましたことしの新入職員につきましては、窓口、特に市民の皆様と直接交流をしなければいけない部署に配置することを指示しております。彼らはこういう若い時代のですね、若いときの配置におきまして十分そういう市民との一体感を養いながら、今後のですね、市民のための行政という勉強をさせていきたいと、こう考えております。
それから、組織改革につきましては、私どもいわゆる先ほどから申し上げております、行政が期待されてる機能というのは日々刻々時代とともに変わってまいります。つきましては、過去に行われた行政サービスについて、これを一生懸命見直して今必要でなくなっているもの、あるいは肥大化し過ぎているものについては即刻これを廃止し、この財源を持って将来の担うべき行政のサービスに対して当たっていきたいと、こう考えております。私どもとして今後岐阜市がほんとにすばらしい町であるためには、この私どもの市職員、岐阜市の職員の考え方、この発想が最も重要だと考えております。私がもう先頭立ってですね、市民のために岐阜市職員の意識改革に一生懸命頑張っていきたいと思います。よろしく御支援のほどをお願い申し上げます。ありがとうございます。
◯議長(松井逸朗君) 水道部長、荒深輝文君。
〔荒深輝文君登壇〕
◯水道部長(荒深輝文君) 鉛管水道管について再質問にお答えを申し上げたいと思います。
鉛給水管はさびにくく柔軟性がありまして、加工しやすいなどの理由によりまして全国的に昭和30年代まで給水管材料として使用されてまいりましたが、塩化ビニール管やポリエチレン管などが開発されまして、50年代になりますとほとんど使用されなくなっておるわけでございます。しかし、この間に使用されておりました鉛給水管が残っておるのが現状でございまして、全国の自治体においてもその取り扱いに苦慮をしている状況でございます。岐阜市におきましては水道本管に鉛管を使用しておりませんが、給水管の材料として昭和50年1月まで主に水道本管から水道メーター器周りに使用されておりました。この鉛給水管は個人の財産でございますが、本管からメーター器までいわゆる道路部分は維持管理上の観点から老朽管の布設がえに合わせまして、これまでに約3万1,000カ所の取りかえを水道部において実施してまいりましたが、現在、約1万7,000カ所、全給水栓数の約14%が残存しているのが現状でございます。したがいまして、今年度鉛給水管の解消に向けた事業計画や効率的な投資方法などの検討を行いまして、老朽管の布設がえに合わせて平成14年度から18年度までの5年間で解消を図ってまいりたいと考えておりまして、平成14年度には約3,500カ所の解消を図る予定でございます。なお、水道水御利用のお客様に対して、昨年から鉛給水管に関する相談や調査を行っておりますほか、水質検査を無料で実施するとともに、広報ぎふや水道広報紙「水のこえ」などを利用いたしまして、朝一番の水は飲み水以外にとPRを実施しているところでございます。
いずれにいたしましても、鉛給水管の早期解消を図るとともに、宅地内についても鉛給水管を使用されている場合もありますので、昨年12月から給水管の布設がえなどに対し融資あっせん制度を適用できるように拡大いたしたところでございます。さらに、今後におきましては建てかえ時などの機会に取りかえていただけるよう積極的なPRを図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。