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◯22番 (松原和生君)
発言の通告に基づき、順次お尋ねをいたします。
まず初めに、岐阜市行財政改革プランについてお尋ねをいたします。
先日、パブリックコメントの手続を経て、岐阜市行財政改革大綱2015並びに行財政改革プランが策定をされました。行財政改革大綱とは本市の行財政改革の指針であり、行財政改革プランとはその方針に基づく5年間の実施計画であります。岐阜市では、昭和61年に最初の岐阜市行政改革大綱を策定して以来、改訂版も含め数次にわたって行財政改革大綱を策定し、名前も「行政改革」から「行財政改革」に改める中で、事務事業全般にわたる見直し、効率化や職員定数のスリム化など不断の行財政改革に取り組んできました。その結果として、市の実質的な借金に当たる普通債残高を縮減するとともに、財政の健全度を示す指標についても、中核市の中で上位を維持しているところです。
ぜひ、そのたゆまぬ努力を継続していかなければなりませんが、新しい大綱並びにプランの実施に入る前に、まず、これまで5年間の計画の総括が必要です。
そこで、財政部長にお伺いをいたします。
まず、これまで5年間のプランの目標の総括、達成状況をお聞かせください。また、時代の変化、取り巻く社会経済情勢の激しい変化の中で、前回の延長線上や削減数の追加といったものばかりではない、新しい観点からの取り組みも必要になってきます。そうした点から、新しい計画の特徴的な取り組み、その狙いについてお伺いをいたします。
さて、職員定数の適正化についてですが、市民病院において業務上不可欠であり、収入の増加ももたらす医療体制の充実、58名の増員は必要だと理解しています。これを別にすると、職員定数は5年間で109人の削減ということであります。気になるのは、その内訳が、業務の委託化が5人、民営化で15人、嘱託職員化等が71人であり、大部分をそれらで占めているということです。事務事業の見直しによるものは、7人ということであります。例えですが、苦しい状況に置かれた民間企業で言えば、10人で行っていた仕事を1人が1割ずつ汗を余分にかくことで9人で回すようにするだとか、昔からの慣例で行っていたが、なくすことも可能な仕事を見つけ出してやめていくとか、そんな努力によるものが少ない気がします。民営化はともかく、委託化や嘱託化は役所内で働くトータルの職員数は減らないわけであります。
ちなみに、平成14年度から職員定数は1割を超える493人を削減しましたが、嘱託職員は542人増と差し引きでふえています。嘱託職員は、1日の勤務時間が正規職員の4分の3程度ということで、それで計算し直すと91人減となるようですが、委託の分は含まれていません。正職員よりも相当に安い賃金であり、財政改革には十分なっていますが、同一労働同一賃金の考え方も議論され、非正規職員の低賃金が社会問題となる中、職員定数の適正化ができたと拍手ばかりできる話ではない気がします。財政面の工夫であって、効率化の努力の成果とは言えない気もしますが、この点をどう考えるか、この件については行政部長にお尋ねをいたします。
次に、生涯学習、市民参画を支える仕組みについてお尋ねをいたします。
この項目については、以前にも質問しましたが、進捗を伺うという意味で再度質問をさせていただきます。
本市が生涯学習都市宣言をしてから20年近くになろうとしています。平成20年には第2次岐阜市生涯学習基本計画が策定をされ、生涯学習の一層の充実を目指そうとしています。その推進のためには、所管が大きく2つに分かれている現状を見直し、社会教育、教育委員会の社会教育部門を市長部局に移管し、市民参画部の行う生涯学習とあわせて一体的に取り組む体制が望ましいのではないかと考えます。例えば、利用者の目から見て、コミュニティセンターと地区公民館はともに生涯学習を中心としたサークル活動、地域活動に利用されていて、その違いはよくわかりません。
地区の防災訓練など地域行事で自治会連合会と女性の会、婦人会は中心となられる団体でありますが、その自治会連絡協議会の事務局が市民参画部にあるのに対し、女性の会連絡協議会の事務局は社会教育課と分かれています。文化振興、人権、男女共同参画などクロスしている部分が多いこと等々を整理し、市民の側のわかりやすさからも、行政の側の提供しやすさからも、これらを一体化して充実させていくことによって一層の効果が上げられるものだと考えます。
独立性が求められる教育委員会からの社会教育部門の市長部局への移管については、平成20年4月に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正をされ、その第24条の2の規定に基づく職務権限の特例に関する規定に基づき、次に掲げる教育に関する事務は、条例によって市長が管理をし、及び執行することができるようになりました。つまり、1、スポーツに関すること(学校における体育に関することを除く。)、2、文化に関すること(文化財の保護に関することを除く。)ということであります。生涯学習は、まちづくりや高齢福祉などとかかわる部分も多くなってきており、市長部局とすることでよりスムーズな展開が期待をできます。そして、教育委員会には業務を学校教育とその関連事業に特化していくことにより、近年の本当に難しい学校教育、複雑化する子どもたちの課題に、より素早く丁寧に対応していただけるようになるものではないかと考えます。
また、現在進めているまちづくり協議会の設置における住民自治の拠点としての公民館の活用も、市長部局への移管によって、よりスムーズに運ぶものとも考えられます。
先日参加したまちづくりセンターの勉強会「雲南市に学ぶ住民自治」の中でも、各公民館を各交流センターと改めて地域活動の拠点とした成功事例を聞いて意を強くいたしました。県内でも各務原市、可児市、多治見市、中津川市、高山市が既に市長部局への移管を行っており、今年度からは恵那市も新たに社会教育部門を市長部局に移管しています。3分の1近くであり、さらに増加の傾向は続くものと思われます。
そこで、組織を担当する浅井副市長にお伺いをいたします。
過去の答弁ですが、成原副市長は「生涯学習機能を複数部局で担当することにより、さまざまな課題、問題も浮き出てきておりますので、生涯学習、生涯スポーツ等にかかわる事務体制のあり方について、関係部局に対して研究、協議するよう指示してまいります。」。藤澤副市長は「今後も施設管理の効率性、利用者の利便の観点から、生涯学習と社会教育をあわせて一体的に取り組む体制について、さらに詳しく検討していく必要があると考えております。多治見市や岡崎市などでは、既に生涯学習と社会教育を市長部局で所管している事例もございます。これら都市の組織再編後の状況なども、さらに検討してまいりたいと考えております。」ということでありました。成原副市長の「関係部局に対して研究、協議するよう指示してまいります。」は、ちょうど4年前のこの3月議会でありました。
他都市での事例もさらにふえる中、教育委員会の社会教育部門を市長部局に移管し、生涯学習、場合によっては生涯スポーツ部門も合わせてわかりやすくするとともに、一体的により充実させていくことが本市の目指すまちづくりに合致するものだと考えますが、その進捗と今後の考え方についてお尋ねをいたします。
次に、岐阜公園再整備計画に関連してお尋ねをいたします。
鵜飼と並ぶ岐阜市の観光の目玉を用意するべく、岐阜公園を信長をテーマとした歴史公園として整備していく計画が持ち上がってから10年以上が過ぎようとしています。当初の見込みからは相当のおくれが出ています。そして、この先、完成までには、まだかなりの年数がかかるものと思われます。
4年前の夏、第10回をもって岐阜公園イルミネーションがフィナーレとなりました。このイルミネーションは、14年前、第1回のパノラマ夜景のスタートに際し、ロープウエー乗り場につながる岐阜公園が真っ暗で、何という不親切な公園だという観光客の悪口を聞いた地域住民が、自分たちの愛する岐阜公園を悪く言われては忍びない、何とかしようじゃないかと立ち上がったのがきっかけでありました。規模、内容ともに充実しつつ、第10回までを数えることができました。
しかし、岐阜公園が、信長公の鼓動が聞こえる歴史公園としての再整備に入る話となり、当時の都市建設部長の議会答弁によれば、平成22年度末までに基本計画をまとめると答弁されています。そうなれば、着工寸前の平成23年の夏がぎりぎり最後の機会となり、平成24年の夏には工事が始まっている。このことは当時の担当課にも確認をしました。そうしたことから、岐阜公園イルミネーションは平成23年で最終回とするという判断になったのであります。電球などは、まちづくり活動としてイルミネーションを行いたいと名乗りを上げられた羽島市の江吉良・舟橋地区や信田朝次議員の紹介で黒野地区に分けてお譲りをしました。
ところが、岐阜公園再整備計画の策定はおくれ、その後の進捗も現状のとおりです。しかし、そうした中であっても、ことしの観光シーズンも、また、来年の観光シーズンも観光客は岐阜市にお見えになるわけで、あるいは努力してでもお越しいただかなければいけないわけで、この中途半端な過渡期の岐阜公園を、戦国の歴史をテーマとして、当面はソフト面からでも観光客が楽しめる場所として提供しながら、整備を急ピッチで進める必要があると考えます。
過去に商工観光部長にも御答弁いただきましたが、例えば、信長公居館跡発掘調査現場をもっとわかりやすく、想像図などもあわせて展示するとか、戦国武将隊の皆さんの協力を定期的に得られるよう調整するなども必要です。改めて、おくれの原因と経過、観光客を誘致するべき公園が工事という逆効果でその役目を果たせていない、その認識と過渡期の取り組み、数年先には信長公岐阜城入城450年記念の節目事業もある中で、今後のスケジュールについてお尋ねをいたします。
都市計画決定で大勢の市民が暮らす大宮町1丁目が公園区域とされました。新年度予算には、用地取得に関係する予算も計上されています。高齢者のみの世帯や当面引き続き暮らすことを望んでいるお年寄りもあり、丁寧な対応が求められますが、現在の状況と今後の進め方についてお尋ねをいたします。
さて、歴史公園といっても、おじいちゃん、おばあちゃんのお孫さん連れ、お父さん、お母さんの子ども連れの来訪者にとって欠かすことのできない施設が子どもを遊ばせる空間です。難しい歴史物語の大人向けの庭園だけでは、子どもは長時間はもちません。それは、あの世界をテーマにした愛知万博の会場であっても、諸外国のパビリオンのほかに、子ども連れやお孫さん連れの家族が憩うスペースとして、滑り台など大規模な複合遊具のエリアが複数あった例からも、幅広く観光客を誘致するには欠かすことのできないコーナーであります。
できれば、集客の期待できる規模で、そのエリアに吉法師の遊び場などという立て札を立てて、とりでなど物語性のある複合遊具で信長に関連づけたらどうかというような提案をしたこともありますが、ふさわしい姿となることを期待します。
さて、その遊具の場所が発表をされました。外苑の岐阜公園駐車場の北向かいあたりで、場所をよく知る地元住民からは、斜面は太陽と反対向きとなる斜面で、山の陰になる時間帯も長く、冬は寒く湿っているなどと心配の声が聞こえます。通行量の多い金華山トンネルが真横で、子どもの遊び場としての雰囲気が台なしにならないかとも心配されます。そうした点は大丈夫かどうか、また、内苑との移動手段が、パブコメでも課題とされていましたが、その点が全く示されていません。人の流れをどう接続するのか、さきに申し上げた想定する遊具のイメージとあわせお答えをください。
次に、開票の迅速化と投票率の向上に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
8年前の3月議会、そして、4年前の3月議会においても、同じテーマで質問をしています。
過去の質問を振り返りますが、4年に一度の統一地方選挙を前に、開票作業の迅速化、効率化に取り組もうとするかけ声が全国のあちらこちらから聞こえてきている。開票作業はスリッパやヒールではなくて運動靴です。ネクタイではなく作業服です。作業台は腰を曲げずにできるよう少し高くする工夫をします。作業台では投票用紙が見やすいように黒などのシーツを敷き詰めます。これらは、時間短縮に成功した他都市の取り組みとして、かつて議場で紹介をしたものです。
漫然と続けてきた作業を職員の創意工夫によって見直し、開票場のレイアウトの見直し、リハーサルの実施、開票時間の数値目標の設定など、さまざまな工夫の組み合わせでスピードアップを目指す、こういう地方自治体が増加をしている。例えば、他都市において、市長が行革意識を持つ訓練だと、こういうふうに位置づけながら時間短縮に取り組み、開票時間を前回の61分から25分に半減をさせたという、そういう事例も報告をされました。
公職選挙法では、選挙結果を速やかに知らせるよう努めなければならないとされています。そして、人件費の削減にもなるわけです。モデルとなる成功例が幾つもある中で、本市のやる気が試される場面である。結果の出せる市であるかどうかは、さきの他都市の市長のかけ声ではないけれども、行政改革を推進できる市であるかどうかに比例するものだと言われている。さて、本市はどうかと、こんな質問をさせていただいたのであります。その質問の直後、8年前は開票作業が大きくおくれ、大失敗をしました。4年前とその後については、何とか汚名は返上する結果となっていますが、先進事例に比較すれば、まだまだ工夫の余地はあると思っています。
開票事務の迅速化の取り組みを提唱してきた早稲田大学マニフェスト研究所によると、選挙の開票には時間がかかる、正確な開票のためにはスピードは後回し、うちの自治体の開票のやり方が一番正しい、こういったドミナント・ロジック──その場を支配する思い込み、こうしたものが全国各地の選管にあった。これを打破しようとする取り組みが、近年、全国で進んでいます。
私が数年前にPTA会長を務めた地元の小学校で、保護者総動員で行う地域を巻き込んだイベントがありました。PTA本部役員は、そろいの目立つ黄緑色のTシャツを着用しました。何かあったときに問い合わせに答えられるリーダーが誰であるのか、すぐにわかるためです。腕章ではよくよく探さなければなりません。同じような考えから、開票所で選管スタッフが目立つユニホームを着る工夫を始めた市もあるようです。ちょっとした工夫の積み重ねであります。ちなみに、開票迅速化の一番は、開票時間の目標を設定することだそうです。先進事例の市長の、開票の迅速化を図ることのできる都市であるかどうかは行政改革を推進できる都市であるかどうかに比例をするというコメントを思うにつけ、もっともだとうなずきながら、一層の努力を期待するところであります。この4年の間にも、さまざまな手法による新たな成功事例も明らかになっています。選挙管理委員会委員長に、本市の開票の迅速化の取り組みについてお尋ねをいたします。
また、昨日の柳原 覚議員の質問にもありましたが、投票率の低下の傾向が続いています。昨年末の衆議院選挙も戦後最低を更新しました。特に若い世代の投票率の低さが目立っています。4月の統一地方選挙も前回を上回ることはないだろうなどと、早くも予想するような、政治に詳しい関係者の声も聞こえます。ぜひ市民の皆さんに大切な権利を行使をしてほしいと考えますが、もちろん候補者となる皆さん方もその努力をされるでしょうが、選挙管理委員会にはぜひ投票率の向上に向けた精いっぱいの取り組みを行ってほしいと思います。その対応についてお尋ねをいたします。
最後に、屋外看板の安全確保についてお尋ねをいたします。
先月、札幌市の歩道で、札幌かに本家の看板の金属製の部品が落下、歩道を歩いていた21歳の女性の頭を直撃し、意識不明の重体となる事故が発生をしました。警察発表をもとにした報道によりますと、落下したのは高さ15メートルのところに設置されていた、長さが1.5メートル、主さが20キロほど、店の看板とビルの壁をつなぐ金属製の部品で、壁との接合部分にある金属製のボルトが腐食していたということであります。事故当時、札幌市では25.4メートルの最大瞬間風速を観測していて、警察は劣化したボルトが強風にあおられて外れ、部品が落下をしたと見て、事故の原因を調べているということであります。
さて、この事故が報道されてから、複数の市民から、心配だけれども岐阜市の歩道は大丈夫かという問い合わせをいただきました。健康立市としてウオーキングを推奨していますが、上を見上げながら歩かなくてはいけないようではいけませんし、「ぎふメディアコスモス」や新しい市庁舎のにぎわいを柳ケ瀬や駅前に波及させることの効果を狙っているという、こういう話でもありますが、そこはまさに屋外看板の集中しているエリアでもあります。
この事故を受けて国土交通省は、人通りの多い繁華街にある3階建て以上、築10年を超えるビル、全国のおよそ7万5,000棟、このビルの看板について、劣化や損傷がないか、落下の危険性がないかなどを調査するよう都道府県に指示をしたということですが、市内分については岐阜市がその調査を行っているようであります。市民の普通の安全をしっかり確保しなければなりません。
そこで、まちづくり推進部長にお伺いをいたします。
まず、屋外看板設置について、安全基準、届け出義務などについて、どのような規則があり、どのような審査をされているのか。
また、今回の事故は、部品の腐食、劣化が原因だったそうですが、設置後の点検や指導はどのように行われているのか。
そして、今回の事故を受けて、市民の心配の声も踏まえ、歩行者等の安全確保のため、再点検などの対応も必要だと考えますが、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
また、屋外広告物条例や建築基準法の所管はまちづくり推進部ですが、歩道の安全を管理し、公道への突き出し看板の道路占用許可を所管する基盤整備部長に、道路管理者としての安全確保のための対応についてお尋ねをいたします。
以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)
◯副議長(山口力也君) 財政部長、丹治克行君。
〔丹治克行君登壇〕
◯財政部長(丹治克行君)
行財政改革プランに関する2点の御質問についてお答えいたします。
まず、平成21年度に策定した行財政改革大綱2010に基づく行財政改革プランにおける取り組みの総括と達成状況でございます。
現行のプランでは、改革の着実な推進のため、大きく3つの観点から数値目標を設定しております。
まず1つ目ですが、財政規律を確保する指標として、財政調整基金と前年度繰越金の合計額について、80億円を超える額を維持すること、また、実質公債費比率を9%未満の水準に保つこと、この2つの指標を設定しております。この指標につきましては、平成22年度から平成25年度までの各年度の決算において目標を達成しておりまして、平成26年度についても達成できる見込みでございます。
2つ目は、プランに基づく取り組みにより削減された事業費などの財政効果額についてでございます。5年間の累積で54.6億円という目標額を設定しましたところ、その目標額を24.3億円上回る78.9億円の効果がございました。
3つ目の観点は職員定数でございます。正規職員の純減数について、5年間で195人削減するという数値目標を設定しておりましたが、これにつきましては75人の削減にとどまっております。これは、市民病院において医療体制充実のため人員増となったことや、日野恵光など福祉施設の民営化が計画より時間を要していることによるものでございます。
御質問の2点目、行財政改革大綱2015に基づく行財政改革プランの特徴についてでございます。
本市では、昭和60年度に最初の行政改革大綱を策定して以来、不断の行財政改革を推進したところでございますが、引き続きたゆまぬ改革に取り組み、健全な財政運営を堅持していくことが大変重要でございます。そのため本年2月に策定しました平成27年度以降の改革の道筋を示す行財政改革大綱2015におきましては、その基本目標を『「たゆまぬ改革」による自立(律)した都市「ぎふ」の実現』とし、健全な財政運営の推進、効率的な行政経営の推進、市民の参画と協働の推進、市民に開かれた市民満足度の高い行政の推進、この4つの重点改革項目を掲げ改革に取り組むことといたしました。
この大綱に基づく実施計画であります新しい行財政改革プランにつきましては、これまでのプランと比べ大きく2つの特徴がございます。
その1つは、財政の健全化に係る財政指標についてであります。現プランにおいては、先ほど申しましたように、一般会計に係る財政規律を確保するための指標を設けておりました。これに加え、新しいプランにおきましては、上下水道事業、病院事業、中央卸売市場事業の3つの企業会計においても、企業債残高の削減や企業の収益性を示す経常収支比率などの財政規律を確保するための財政指標を設定したところでございます。
もう一つの特徴は、公共施設等の最適化と適正な管理について、大きな行政課題と捉えていることです。平成25年度に策定しました岐阜市公共施設白書においては、昭和40年代から50年代に整備した学校や道路など、さまざまな公共施設等につきまして、現状のままの耐用年数を迎える年に更新するとした場合、今後50年間で約1兆円の費用が発生するというふうに見込まれております。とりわけ平成45年度から平成54年度の10年間におきましては、年平均で約290億円もの費用が必要ということになります。新しいプランでは、公共施設等総合管理計画の策定、運用を初め、各種施設の長寿命化等を具体的な取り組み事項に掲げ、限られた財源の中、財政負担の軽減や平準化を図りながら、公共施設等の更新や統廃合などを計画的に進めていくこととしております。
このほか、新しいプランでは、福祉施設の民営化など民間活力の活用や職員定数・給与の適正化、あるいは住民票の写しや所得証明書などのコンビニ交付等、市民の利便性の向上などを掲げております。
これら具体的な取り組み事項や全事務事業の見直しを推進する結果としまして、5年間の財政効果額を累積額で約33.4億円、職員定数につきましては、5年間で51人の削減を見込んでおります。
いずれにいたしましても、行財政を取り巻く課題に柔軟に対応し、最小の経費で最大の効果を上げるためには今後もたゆまぬ改革が必要であります。今回策定いたしました行財政改革プランを着実に推進し、行財政改革大綱2015の基本目標であります『自立(律)した都市「ぎふ」の実現』に向け取り組んでまいりたいと考えております。
◯副議長(山口力也君) 行政部長、松野正仁君。
〔松野正仁君登壇〕
◯行政部長(松野正仁君)
行財政改革プランにおける職員定数に関する御質問にお答えいたします。
本市はこれまで行財政改革を市政の最重要課題の1つとして位置づけ、行政サービスの低下を招かないよう行政と民間の役割分担を明確にした上で、市営バス事業や保育所、老人福祉施設の民営化、新病院や中学校における給食調理業務の委託化、公の施設の管理における指定管理者制度の導入などの取り組みを積極的に進めてまいりました。その結果、職員定数はこれまで最も多かった昭和56年度の4,999人から、平成26年度には3,770人と約25%のスリム化を図っております。
現在、我が国を取り巻く社会情勢や経済情勢は、本格的な少子・高齢化社会の到来やこれに伴う社会保障費の増大、国の財政再建のための消費税の増税などが見込まれ、その影響は極めて不透明であります。このような中、本市が将来にわたって自律・安定的な行財政経営を持続していくためには、これまで以上にたゆむことなく行財政改革に取り組んでいかなければなりません。
先般、本市では、平成27年度からの行財政改革の道筋を示した岐阜市行財政改革大綱2015を策定し、職員定数につきましては、職員定数の適正化を図るため、計画的に個々の業務に見合った適正な職員配置を推進していくとしております。このような考えに基づき、今後5年間の新たな定員適正化計画を策定したところでございます。市民病院における医療体制の充実、老朽化した環境施設の再整備、全国高等学校総合体育大会の開催などにより106人の増員を予定する一方、掛洞プラントのごみ焼却業務の全面委託化、日野恵光の民営化、現業職員の嘱託化や退職職員の活用などにより157人の減員を予定しており、その結果、51名のスリム化を見込んでおります。
また、議員御指摘の事務事業の見直しにつきましては、行政需要が複雑・高度化する中、さまざまな新規事業や事業の拡大が求められております。一方で、既存事業については業務が終了したり減少するものもあることから、その進捗状況を常に注視し、これらを総合的に勘案して見直しを図っているところでございます。
これまで本市では、地方自治法が求める最小のコストで最も効率的な行政サービスの提供に努め、業務の性格や内容に応じて嘱託職員や臨時的任用職員、アルバイト職員といった任用形態の多様化を図ってまいりました。このような、いわゆる非正規職員の活用に当たっては、これまで全ての事務事業について行政サービスの低下を招かないよう十分配慮しながら、それぞれの事務事業の内容や頻度、あるいは非正規職員とした場合の効率や所要人件費など、さまざまな観点から検証して、これを進めてきたところでございます。
また、近年、我が国においては厚生年金保険法の改正に伴い、平成25年から年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、60歳の定年退職後に無年金期間が発生することから、雇用と年金の接続を図るため、退職者の積極的な活用が求められております。
本市においても、再就職を希望する退職職員は年々増加しておりますが、みずからの健康状態や退職後のワーク・ライフ・バランスなどを考慮し、その多くが短時間勤務の非正規職員を希望する傾向がございます。したがって、今後は長年培った知識や能力、経験等を有する退職職員を非正規職員として活用していくことで、行政サービスの低下を招くことなく職員定数の適正化を図っていくことも考えております。しかし、非正規職員の増加に伴い、これまで以上に非正規職員の役割や責任の明確化、給与を初めとする勤務条件の見直しなど、きめ細かい対応が必要であり、あわせてこれにも真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今後、本市においては市庁舎の建てかえや市庁舎跡地整備といった大型プロジェクトを予定しており、あわせて教育や子育て施策の充実といった本市の重点政策を着実に進捗していくためには、これまでの既存事業についてその必要性や費用対効果などを継続的に見直していくことが必要であります。そして、このような事務事業のスクラップ・アンド・ビルドに職員が一丸となって取り組むことで、常に市民ニーズに見合っためり張りある職員定数となるよう努めてまいりたいと考えております。
◯副議長(山口力也君) 副市長、浅井文彦君。
〔浅井文彦君登壇〕
◯副市長(浅井文彦君)
生涯学習や社会教育など、市民参画を支える仕組みについての御質問にお答えをいたします。
本市では、自主学習環境におけるソフト面、ハード面の整備、また、学習成果の社会還元の促進、いわゆる生涯学習の推進を市長部局が担い、地域活動の拠点としての役割も期待される公民館を含む各種社会教育施設を活用した社会教育活動を教育委員会が担っているところであります。このような中で、公民館の活用のあり方、また、教育委員会における社会教育の担任のあり方につきましては、以前から問題の提起がなされております。
この間の状況でありますが、まず、公民館のあり方につきましては、現在も関係部局を中心に継続的な協議を行っております。この点につきましては、本年度取りまとめをいたしました岐阜市都市内分権推進構想(案)にもありますとおり、今後、担当部局において地域活動支援に係る諸制度の検討を行っていく過程で、関係部局や関係団体との協議を重ね、今後1つの方向性を出してまいりたいと考えております。
このような動きと並行いたしまして、地域に住む人々によって、よりよい環境を維持する、つくり出していくという活動が進められることは地域力の向上につながり、そのことは子どもたちの学びや成長にも好影響を及ぼすものと考えます。一方で、教育現場と地域との連携は、コミュニティ・スクールの展開等学校教育の面からも重要なファクターであります。
これらのことを踏まえまして、生涯学習と社会教育を担う部局の一体化につきましては、さきの議会における教育長の答弁にもありますが、地域のコミュニティーの持つ教育力としての社会教育、生涯学習のあり方が地域の中での子どもにとって好ましい環境としてあり続け、高まっていくことが大切であるということも十分配慮した上で、社会教育に関する考え方、移管のあり方について検討していくべきであると考えております。
◯副議長(山口力也君) 都市建設部長、日野和人君。
〔日野和人君登壇〕
◯都市建設部長(日野和人君)
岐阜公園再整備計画に関連した3点の御質問にお答えいたします。
御質問の1点目、再整備のこれまでの経過と今後の予定についてお答えいたします。
岐阜公園内で行われております信長公居館跡の発掘調査により、その歴史的価値が再認識され、平成23年2月には公園の一部が史跡岐阜城跡に指定されました。また、岐阜公園周辺には町家や神社仏閣などの歴史的建造物を初め、長良川鵜飼や岐阜まつりなどの伝統的な活動が多く残されておりますことから、岐阜公園の再整備を主要事業とした岐阜市歴史的風致維持向上計画を策定し、国の認定を受けることで、優先的かつ重点的な支援を受けて整備を進めることとしたところでございます。
その歴史的風致維持向上計画の協議を進める中で文化庁から、歴史資産を将来に向けて残していくためには、文化的価値の確認が重要であるとの考えが示されました。そのため国史跡岐阜城跡周辺の試掘調査を平成24年4月から開始し、約1年を要したところでございます。その後、発掘調査結果などを踏まえた岐阜公園再整備の考え方及び方針案を作成し、パブリックコメントなどを行った上で、平成 25年3月に再整備方針を定めました。
その方針では、一般県道上白金真砂線、この道路は金華山トンネルに続く道路でございますが、そこを境に南側を内苑、北側を外苑といたしました。内苑は戦国歴史ゾーンとして、信長公が生活した当時を追体験できるガイダンス機能や庭園の整備を行う区域にしております。また、外苑は遊具を初め、緑やせせらぎを楽しめる散策路、さらに公園管理施設のための区域としております。
平成25年4月には、さきに申し上げました再整備方針を含めた歴史的風致維持向上計画が国に認定されましたことから、現在、鋭意岐阜公園の再整備を進めております。今年度は、老朽化が著しい三重塔の修復や遊具の設計、大宮町1丁目地内の公園区域拡大に取り組んでおります。
今後は拡大区域にお住まいの皆様に引き続き丁寧な説明を行い、建物補償や用地の取得を進めますとともに、外苑一体の修景整備を進めていく予定をしております。なお、信長公居館跡周辺では、2本の滝と池や、そこと居館とをつなぐ橋の礎石など新たな発見が続いておりますことから、内苑の整備につきましては発掘調査の進捗に合わせて進めてまいります。
今後とも商工観光部を初め、関係機関と連携して、整備過渡期も含め岐阜市を代表する観光拠点にふさわしい岐阜公園の再整備に全力で取り組んでまいります。
御質問の2点目、公園区域となった大宮町1丁目地内の現状と今後の進め方についてでございますが、これまで岐阜公園の再整備につきまして、関係の皆様には丁寧に御説明申し上げてまいりました。その結果、大宮町1丁目地内にお住まいの皆様にも公園区域の拡大に御理解をいただき、平成26年8月に大宮町1丁目地内を新たに公園区域とする都市計画変更を行いました。来年度以降、建物調査などを行った後に用地取得へと進めさせていただきたいと考えておりますが、そこにお住まいの皆様の状況に応じて、転居の時期の相談や、かわりとなるお住まいの情報提供など、今後とも丁寧な対応に努めてまいります。
御質問の3点目、外苑に設置する遊具に関する御質問にお答えいたします。
さきに申し上げましたように、再整備方針では外苑にファミリーゾーンを設定し、緑の中で子どもさんたちに喜んで遊んでいただける規模の遊具が設置できるように定めております。遊具自体の検討に当たりましては、メーカーに提案を求めました。同時に、遊具設計や空間設計の専門家、地域住民の代表の方、子どもたちの遊びに詳しい小学校の先生、児童保育の専門家といった外部の委員から成る遊具の検討委員会を組織し、その委員会で、創意工夫がなされているか、遊びの楽しさが岐阜公園の新たな魅力となるものかといった観点で評価をしていただきました。なお、評価に当たりましては、検討委員会の委員の皆様に、岐阜小学校の児童の生の声もお届けいたしました。
現在は検討委員会の意見を参考に設計を進めておりますが、御指摘の点につきましても十分配慮してまいります。
最後に、内苑と外苑との連続性確保につきましては、バリアフリーの観点を取り入れ検討を進めていきたいと考えております。
◯副議長(山口力也君) 選挙管理委員会委員長、尾関卓司君。
〔尾関卓司君登壇〕
◯選挙管理委員会委員長(尾関卓司君)
開票事務迅速化と投票率向上についてお答えします。
開票事務の迅速化につきましては、開票従事者の作業効率の向上のため、運動靴などの着用、作業台の天板を高くするためのかさ上げ、投票用紙を見やすくするため暗い色のシートを作業台に敷くことなどを導入しました。また、候補者などが多い選挙に対応するため、投票用紙読み取り分類機を増設いたしました。そして、円滑な作業をするため、開票従事者の事前説明会を開催し綿密な打ち合わせを行うなど、より早く開票ができるよう努めてまいりました。その結果、最近数年の選挙では、選挙の種類で異なりますが、以前と比べて1時間から3時間程度早く開票事務が終了できております。
今後につきましても、選挙終了時に行う開票事務の各係の責任者との反省会で出た改善点や、議員提案の選管職員のユニホーム着用、他都市の手法も参考にしながら一層の開票迅速化が図れる改善を行ってまいりたいと考えております。
次に、投票率向上に向けた取り組みにつきましては、選挙時の啓発として、広報ぎふやテレビ、ラジオのスポットコマーシャルなど、メディアを利用した啓発や街頭啓発などを実施、投票率の向上に努めてまいりました。しかしながら、投票率は低下傾向にあり、特に若年層の投票率向上が1つの課題と考えております。
そのため選挙時以外の啓発として、将来の有権者である生徒児童が選挙、政治に関心を持つことが必要であると考え、そのきっかけとしてポスターや書道、標語の作品募集をしております。また、ことしの2月1日号の広報ぎふに掲載されましたような、新成人を祝い励ます会での模擬投票の体験などのほか、生徒会や児童会などの学校選挙のため、本物の選挙資材の貸し出しをするなど、若年層の投票率向上のため協力をしたところであります。
さらに、今国会で選挙権の年齢を満20歳から満18歳へ引き下げる公職選挙法の一部を改正する法律案が審議されており、可決されれば若年層の啓発にも新たな取り組みが必要になると考えております。今後の国の動向を注視し、また、他都市の投票率向上の効果的取り組みについて調査研究してまいります。
◯副議長(山口力也君) まちづくり推進部長、佐野嘉信君。
〔佐野嘉信君登壇〕
◯まちづくり推進部長(佐野嘉信君)
屋外看板の安全確保についての3点の御質問にお答えいたします。
本市では良好な景観の形成や風致の維持、加えて、公衆に対する危害の防止を目的としまして、平成8年度の中核市移行に伴い、県より業務を引き継ぎ岐阜市屋外広告物条例を施行し、屋外広告物の適正な規制に取り組んでいるところでございます。
1点目の、看板設置のルールと審査についてでございます。
本条例の適用範囲は市域全域となっており、それぞれの地域や場所に応じた許可基準を定め、看板の大きさや高さ、色彩といった項目を申請書類により審査し、許可を受けた後設置することとしております。看板の設置につきましては、あくまでも公衆に対する危害を及ぼすおそれのないことが前提となっており、本条例の中に屋外広告業制度に関する条項を設け、屋外広告物法による認定を受けた屋外広告士や、県や市が実施する講習会を修了した者など、広告物に関する必要な知識と技術を有する業務主任者を配置した屋外広告業の登録業者のみが屋外広告物の設置を行うこととしております。
また、建築基準法では、高さが4メートルを超える看板につきましては、建築確認申請の届け出が必要となる工作物に該当しますことから、建築確認申請の添付図書である構造計算書により、風や地震に対する安全性を確認しております。
2点目の、既設の看板に対する点検、指導についてでございます。
屋外広告物は、議員御指摘のとおり、風雨にさらされるなど経年劣化が伴いますことから、最長3年とする許可期間を設け、これを更新する場合には条例に基づき、取りつけ部分の腐食やボルトの緩みなどの点検結果を記載した安全点検報告書の提出を義務づけております。また、市内50地域ごとに地域の皆様の中から屋外広告物啓発協力員を委嘱し、担当職員と連携しながら、危険な広告物や無許可広告物などについて日常パトロールを実施しているところでございます。
3点目の、安全確保のための取り組みについてでございます。
本市におきましては、議員御案内のとおり、先月札幌市内で発生しました看板落下事故を受け、屋外広告物の設置者等に対し改めて広告物の安全確保についての文書による注意喚起を行うとともに、建築基準法及び屋外広告物条例の両面から、設置者等に対し緊急安全点検の実施とその結果の報告を要請したところでございます。
今後におきましては、現在実施しております日常パトロールにおいて、屋外広告物の設置者等に対し、安全の確保についての意識啓発等必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、国や県の動向を注視するとともに、業界団体や関係部局と密接に連携を図りながら、にぎわいのある安全なまちづくりの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
◯副議長(山口力也君) 基盤整備部長、吉村清則君。
〔吉村清則君登壇〕
◯基盤整備部長(吉村清則君)
公道への突き出し看板について、道路管理者として安全確保の対応について御質問にお答えいたします。
屋外看板のうち、建築物等に取りつけられ道路上に突き出して設置されるもの、いわゆる突き出し看板につきましては、その設置に当たり、さきの屋外広告物条例による許可のほか、道路法に基づく道路占用許可を得る必要があります。市道の占用につきましては、さきに申し上げました道路法のほかに、道路法施行令や本市の道路占用許可基準などに適合している場合に許可をしているものでございます。具体的には、占用の期間、占用の場所、占用物の構造など、道路構造の保全及び交通の危険防止の見地から基準等に適合する必要があります。
突き出し看板の適合基準の内容としましては、占用期間は5年以内であること。占用場所は突き出し看板の最下部と道路面の距離が、車道の場合は4.7メートル以上、歩道の場合は2.5メートル以上であること。構造は、倒壊、落下、剥離等により道路構造及び交通に支障を及ぼさないことや、道路への出幅が1メートル以内、表示面積が20平方メートル以下などであります。
突き出し看板の安全確保への対応でございますが、本市の道路占用許可基準におきましては、占用許可を受けた物件は占用者が常に良好な状態に保つように維持管理することと定めており、占用者の責任において占用物件の維持管理をしていくとの誓約書を占用許可申請時に提出していただき、占用者みずから安全確保を図っていただくよう指導しているところでございます。また、道路を利用される方が安全に通行できるよう日常的な現地パトロールや不法占用物件の調査などを行い、安全確保に努めているところであります。
なお、今回の札幌市での看板落下事故を受けまして、道路管理者としましても、道路空間の安全確保の観点から占用者に対して突き出し看板を点検し、異常が発見された場合は速やかに修繕を行うなど、適正な管理について文書で要請を行ったところであります。
今後も、突き出し看板につきましては現地パトロールを継続して実施し、安全の確保に努めるとともに、新たな取り組みとして、5年ごとの許可更新時に占用者による点検結果の報告書の提出を求め、広報紙やホームページなどでは突き出し看板の適正な管理についての啓発を図ってまいります。さらに、屋外広告物法、建築基準法等の関係法令を所管する部局と連携し情報共有を図りながら、市民の皆様が安全、安心して道路を通行できるよう取り組んでまいります。
〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕
◯副議長(山口力也君) 22番、松原和生君。
〔松原和生君登壇〕
◯22番(松原和生君)
それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。
今回は、再質問はありません。要望、意見について少し申し上げたいと思います。
まず、岐阜市行財政改革プランについてであります。
最小の経費で最大の効果を上げるために、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。委託化、民営化、嘱託化に依存した職員定数のスリム化についてはもう一工夫を望みますが、さまざまな市の新規事業や市の業務の拡大、──まあ生活保護や福祉関連などで多いようでありますが、そうした増加分を現在の定数で、業務の見直しと努力によって吸収しているという説明については理解をいたしました。非正規職員の責任の明確化や、給与を初めとする勤務条件の見直しなども考えるという話ですが、同じ仕事を給与が安い嘱託にすればするほどよいという発想だけではない、正規職員のプライド、スキルアップを生かした答えも期待をしていきたいと思います。
生涯学習、市民参画を支える仕組みについてです。
質問をするたびに、県内の社会教育部門を市長部局に移管する市の数がふえています。今年度も、先ほど申し上げましたとおり、恵那市が新たに移行しています。これは、生涯学習と社会教育を一体化したほうが、市民にわかりやすい、行政が提供しやすい、そうしたことと、そして、教育委員会が子ども・若者の複雑化する諸問題に集中できることなど、申し上げたようなことが理由であるというふうに思われます。担当部局には大きな変革となりますが、ぜひ変わる勇気を持って取り組んでいただくように、市長にはその部局間の調整をしっかりとリードしていただくように要望したいと思います。
次に、岐阜公園再整備計画に関連してであります。
鵜飼と並ぶ岐阜市の観光の目玉は、岐阜市の持つ戦国の本物の歴史物語である。その拠点となるのは、信長の居館があり、武家屋敷があった場所、岐阜公園だ。それで信長をテーマとした歴史公園に岐阜公園を整備していくんだ。そうしたことでありましたが、それが中途半端なままに置かれては逆効果であります。ことしの観光シーズンにも観光客はお見えになりますし、お越しいただかなくてはなりません。早期の整備と過渡期における対応が望まれます。
都市計画決定で公園区域とされた大宮町には、きょう現在もたくさんの人が暮らしています。決定した以上、早く新しい生活を始めたいという人もみえます。また、まだしばらくこの地で暮らしたいと望む御高齢の夫婦もあります。持ち家の方から借家の方まで、さまざまな生活の形があります。都市計画決定に判を押したことと用地買収に判を押すことは一緒ではありません。丁寧な対応方をお願いをいたします。
遊具コーナーの費用が当初予算に計上されているわけですが、これを目的にして、岐阜公園を訪れる目的にして家族連れがやってお見えになる。規模、イメージともに観光岐阜の看板公園にふさわしいものとなるように期待をします。
ところで、岐阜公園の外苑には御手洗池というものがあります。岐阜市が設置した看板によると、「慶長五年(西暦一六〇〇年)関ケ原の合戦があり時の岐阜城主織田秀信は石田光成に味方し徳川軍の福島正則、池田輝政らに攻められ落城した。そのおりに大勢の奥女中らがこの池に投身自殺したと伝えられる。」と、こういうものでありまして、こういう池でありまして、まちなか案内人の皆さんも説明をされるスポットであります。織田秀信とは清洲会議で信長、信忠の後継者として秀吉が抱き上げた三法師の後の姿、名前であります。そうしたいわれのある御手洗池の水がかれ果ててしまっています。くみ上げていた市のポンプが壊れているのだそうですが、こうしたことを放置しているのは歴史公園を目指す目的からしてもちょっと問題だと思います。直しておいていただくようこの機会にあわせて要望をいたします。
開票事務の迅速化と投票率の向上に向けた取り組みについてです。
開票の迅速化を図ることができる都市であるかどうかは、行政改革を推進できる都市であるかどうかに比例するという言葉に改めてうなずきます。工夫を凝らしたより一層の取り組みをお願いしたいと思います。
この議場で市議選に立候補を予定をしているという皆さん方の中には、小学生や小学生未満の児童、幼児をお持ちの方もおみえになりますが、そのお子さんたちの目があいている時間のうちに当選の万歳をさせてあげられることを
〔私語する者あり〕
期待をしたいと思います。
〔私語する者あり〕
投票率の向上に向けた取り組みも、でき得る限りの手段を尽くした対応をしていただくようにお願いをいたします。
最後に、屋外看板の安全確保についてであります。
答弁を伺う限り、大丈夫だというような話に聞こえます。担当課から聞き取りを行う中で心配になったのは、10平米以下の自家広告物は、──自分の店なり家があるところにつける広告物は10平米以下であれば、届け出が要らないということであります。チェックも入りません。県や市が実施する講習会を修了した業者が屋外広告物の設置を行うから、その業者だから大丈夫だという話でもありますが、性善説だけでは少し心配であります。市内50の自治会連合会ごとに1人委嘱した屋外広告物啓発協力員と市の担当職員が、これらも含めて日常パトロールで見ているということでありますが、市民の安全、安心のためにしっかりとした確認をよろしくお願いしたいと思います。
以上、要望、意見を申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
〔私語する者あり〕
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