◯22番 (松原和生君)
 発言の通告に基づきまして、順次お尋ねをいたします。
 まず初めに、遊具の設置と管理体制についてお尋ねをいたします。
 年が明けてから市民の方から電話がありました。「工事業者の人が訪ねてきて、来週、隣接する公園の遊具の撤去工事を行うため、工事中迷惑をかけるので、よろしく。」ということです。町内役員でもあり、驚いて「どうして撤去するのか。やめてほしい。」と言うと、市の発注された工事を行うのであって権限はないということです。また、「かわりの遊具は。」と尋ねると、「取るだけでその後のことは聞いていない。」という話でありました。町内の公園の複数の遊具を撤去するのに地元に説明がないわけがないと、そのあたりは地元校区出身の議員がみえないエリアでもあり、たまたま名刺交換をしたことのある私に問い合わせが入ったのであります。
 現状を再確認すると、都市建設部公園整備課の所管ではなく、市役所内部の区分けで教育委員会が所管し、内部の呼び方では子ども遊び場と位置づけられている公園でした。国の安全基準の見直しを受けて平成21年度に総点検を行った結果を受けて、今年度撤去作業を行っている。遊具がある管理する公園は199カ所、そのうち半数以上の106公園で撤去が実施され、一部撤去が74公園、そして、すべて撤去も32公園ということです。遊具の数で言うと、689基の遊具のうち約3分の1の210基が今年度中の工期で撤去されるということです。そして、かわりの遊具の設置計画を確認をすると、本年度はもちろん、今議会で審査中の新年度予算にも全く上がっておらず、今後に補正予算がなければ最低でも1年間以上は撤去をされたままということになってしまいます。
 21年度の総点検の結果ということであれば、設置についても検討する時間はあったはずであります。地元が全く知らなかったという点については、指摘をした結果、2月の自治会連絡協議会の場で報告の時間をとって関係者への周知を依頼したそうであります。この間のいきさつと現状、そして、今後の設置の計画について教育長にお尋ねをいたします。
 また、国の安全基準の見直しの結果、撤去の対象になった遊具は都市建設部所管の公園や学校施設でも同様にあったものと思われますが、その状況、更新の進みぐあいなど、どういう対応をされているのか、都市建設部所管の公園と学校施設の状況について、それぞれ理事兼都市建設部長と教育長にお尋ねをいたします。
  さて、学校施設は別にしまして、市内には公園が600カ所、そのうち公園整備課が371カ所、子ども遊び場は229カ所とのことです。3対2の比率といったところであります。私の地元で皆さんもわかりそうな場所で言えば伊奈波神社の入り口付近の市有地、滑り台、ブランコ、鉄棒などがありますが、ここも子ども遊び場の1つであります。もしも遊具の傷みなどを発見して、市民が市役所に通報されるときには、大多数の市民の方は間違って公園整備課に連絡をされるのではないかと思います。
  公園整備課は部署名のとおり、専門知識の豊富な大勢の職員で専門として公園を管理され、各方面を管理する公園管理事務所も持っています。一方、教育委員会で担当される市民体育課には、いわゆる技術屋さんと言われる職員はみえません。もちはもち屋といいます。当然予算も人もつけてですが、子ども遊び場は公園整備課に移管をして、一体的に管理をする方が同じ予算でより魅力ある公園づくりが行え、利用される市民にもわかりやすく、安全、安心面もより確保されるものと考えます。
 こうして管理を分けた管理体制は周辺市町でも同様であるのかどうか、本市における公園の所管部署の一元化について、組織の編成を統括される成原副市長にお尋ねをいたします。
 次に、公共事業のライフサイクルコスト縮減についてお尋ねをいたします。
 一般にライフサイクルコストとは、製品や構造物などの費用を企画、設計から使用、修繕、廃棄までの段階までトータルして考えたもので、例えば、建物で言えば設計建設費から水道光熱費、保守点検、清掃費などの維持管理費用、修繕や更新の費用、耐用年数の経過による解体処分の費用、民間であれば税金や保険の費用まで含むと考えられています。建物以外で言えば橋梁、舗装、トンネルなどの土木構造物にも適用され、費用対効果を推しはかる上で重要な基礎となり、これらも初期費用であるイニシャルコストと維持管理費用、修繕や更新の費用などのランニングコストのトータルで構成されるものであります。
 このライフサイクルコストの低減を図るには、企画、計画の段階からすべての費用を総合的に検討することが必要であり、たとえ構造物などを低価格で完成させることができたとしても、それを使用する期間中におけるさきに申し上げたようなさまざまな費用、そして、廃棄する段階までも考慮しないと総合的に見て高いコストとなることから、近年、改めて重要視されてきています。こうしたイニシャルコストのみならず、ランニングコストを含めた総合的な費用の把握は、民間企業では近年では経営上の意思決定の上で常識ともなってきています。
 建築物における計画段階での具体的なライフサイクルコストの軽減策としては、まずは長寿命化を推進し、単位時間当たりのコストの低減を図ることを初めとして、建物の維持管理に要する労力が最小限になるような管理しやすい設計を行うこと、省エネルギー化を推進し、水道光熱費の節約を行うこと、建物の各部材の耐用年数を設定、把握し、交換やリニューアルが経済的かつ計画的に行えるよう配慮することなどが挙げられます。
  新年度予算においても各種公共事業の設計費用や事業費の予算が計上されていますが、担当部局からライフサイクルコストを意識した説明は余り聞かれません。私は9年前の3月議会で、岐阜市の新規投資と将来の維持更新費、ランニングコストの増大について質問をしました。少し古くなりますが、その際に引用した資料について申し上げます。「旧建設省の資料の中に、建設省所管公共施設に係る将来の維持更新投資の予測についての記載がありました。これは将来に生じる社会資本ストックの維持更新の需要について、建設省所管の公共投資の総額が幾つかのパターンの伸びで将来にわたって推移するという仮定において、新規投資額と維持投資額、更新投資額及び災害復旧投資額の割合がどのように変化をしていくのか、一定のモデルによって推計を試みたものでありました。これによると、総投資額が毎年0%の伸び、つまり同額で推移した場合、2025年には総投資額に占める維持更新投資額の割合は42%になり、厳しい財政状況の中で、公共投資が抑制され、毎年マイナス1%で推移をした場合には、同じく維持更新投資額の占める割合は51%となる。将来の公共投資の状況は構築していくストック量の増大に合わせ、維持更新工事が相当に大きな割合を占めてくるのがわかるのであります。ちなみに1995年時点での同じく割合は17%であったことから比較すると、その増大が著しいことがわかるのであります。」引用は以上でありますが、そうした状況も確実に進展をしてきています。
  また、今後、我が国の人口が減少し、少子・高齢社会で現役世代の比率が間違いなく下がっていく中、現役世代1人当たりの負担額は割り勘の結果、間違いなく高くなるわけで、そうした心配を少しでも引き下げ、将来に不安を残さないためにもライフサイクルコストの考え方の必要性が一層高まってきていると思っています。
  地方自治体の財政運営は単年度主義の色合いが強く、こうした将来の費用について必ず必要になるものにもかかわらず、そういった議論が不足をしてきたように思われます。今後の公共事業のあり方について、将来計画の面からもどのようにお考えでしょうか。ライフサイクルコストの御認識について武政副市長にお尋ねをします。
 次に、生活保護受給者の就労支援についてお尋ねをいたします。
 我が国の生活保護世帯の状況は昨年11月現在で151万世帯となり、前年比で106%と増加を続けています。その中でもリーマン・ショックなどを契機とする就労可能でありながら、働く場所がない働き盛り世代の生活保護受給者の増加が問題となっています。本市においても同様の状況となっており、生活保護受給者の数は同じく昨年11月現在4,877世帯で前年比110.3%、その中で高齢者、障がい者、傷病などでない勤労可能と見られる生活保護受給者は711世帯、前年比で116.6%の高い増加率となっています。雇用の非正規化に伴う失業、リーマン・ショック以降の雇用環境の悪化の中、この働けるけれども、生活保護受給者となっている現状を改善をさせることは最優先課題の1つであると考えます。
 そこで、福祉部長にお尋ねをいたします。
 改めて本市における生活保護受給者の推移と今後の見通し、その中で就労可能な生活保護受給者についてはどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 全国でそうした状況が問題となる中、他の自治体ではカウンセリングの実施やセミナーの開催、就職活動への同行支援、職場見学や職場体験、報酬ありでの就労訓練などの独自の取り組みが一部で始まっています。本市でも新年度予算の中でそうした状況の改善策をスタートさせようとしていますが、その新たな取り組みの具体的な内容と見込まれる効果についてお尋ねをいたします。
 また、そうした応急的な支援策に続く継続的かつ安定的な就労支援の体制づくりや就職決定後の離職防止の事後的支援も必要だと考えますが、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
  発言通告書にあります行政部長への本市の嘱託職員の処遇についての質問は、テーマが昨日の富田耕二議員の質問と重なったため取り下げさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
 最後に、12月の議会に引き続いて、夜市の存続について、また、市政と警察行政についてお尋ねをいたします。
 夜市は、生鮮野菜を中心に生産農家の身近な直売所であって、大正時代から岐阜夜間市場組合として組織的に活動を続けてこられました。現在も地元住民などの根強い支持を得て、伊奈波通り、真砂町、若宮町において開かれているところであります。
 また、夜市は本市が推進する農業政策の1つである地産地消、また、消費者と農業従事者の交流の場としても農業振興に大きく寄与しています。そして、路上での出店はまちのにぎわいづくり、地域の活性化にも役立っています。歴史まちづくりの観点からも風情と歴史、自然を感じさせるまちの風物詩として位置づけられる伝統です。そして、近年では郊外スーパーなどに押されて地域の八百屋さんがなくなっていく中で、特に高齢者の皆さんにとってはなくてはならないものとなっています。
 本市でもかねがねこうしたさまざまな観点から重要な施策としてとらえ、活動及び運営に対して支援を行ってきました。現在の交通支障のない歩道上での道路占用許可を出すとともに、道路占用料についての減額も長年にわたって行ってきたところであります。
 そうした中、12月の議会で質問しましたとおり、岐阜中警察署が夜市の道路使用についてストップをかけようとしている、つまり道路占用許可とともに、必要となる警察の道路使用許可を出さないと言っているということでありました。本会議では武政副市長から「農業振興等の面で本市としても重要な施策でありますので、今後とも夜市の存続に向け関係部署に働きかけるよう指示してまいります。」といった答弁があり、農林部長からは「夜市につきましては大正時代から伝統があり、生産者が直接消費者に対面販売とする先駆的な市でございます。そういう中で朝市ではなく夜市という形態で雨天以外毎日営業しておられます。そういう中で現在3カ所となっておりますが、岐阜市の風物詩としてはなくてはならないものと考えております。そこで、警察に対しまして、道路使用許可の申請の際には、夜市が本市の農業振興の重要な存在であることを再度私が出向きまして、お願いを申し上げるようしてまいりたいと考えております。」と答えられました。その後の状況について農林部長にお尋ねをいたします。
 お聞きするところによると、定かではありませんが、こうした話は5年ほど前から出ているが、何も対応しなかったので、中警察署の一部が業を煮やしているので、大変だとも聞こえますが、農林部ではこうした話を一体いつ聞いていたのか、その間、何を対応してきたのか、お尋ねをいたします。
 理由についてであります。12月の議会で国体の開催が原因ではないとぎふ清流国体推進部長が明言されました。暴対法の対象者でないことは農林部長が保証人となって中警察署で証言してくると言われました。交通安全について支障がないことは、市は道路占用許可を発行するのですから、当然大丈夫という判断でありますし、歴代の中警察署長さんが認め続けてきたのですから、これまで大丈夫だったということであります。地元住民の苦情についても全く逆で、伊奈波通りと真砂町の出店町内の各自治会長さんからは、ぜひ続けてほしいと町内を代表しての要望を伺っているところであります。
 この議場で一番御年長の先輩がまだ生まれる前から続いてきたこの歴史には大変重いものがあります。今の中警察署の担当者は歴代の中警察署長さん全員が間違えてこられたとでも言うのでしょうか。撤去を求められている理由をお聞かせください。
 以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)



◯副議長 (松原徳和君)  教育長、安藤征治君。
   〔安藤征治君登壇〕


◯教育長 (安藤征治君)
 子ども遊び場の遊具撤去の経緯と今後の設置計画についてお答えをいたします。
 議員の御質問にもありましたけれども、現在、市内には229カ所の子ども遊び場があり、そのうち106カ所の子ども遊び場に設置されておりました210基の遊具について撤去を行ったところでございます。子ども遊び場の遊具につきましては、平成20年8月に国土交通省より出されました都市公園における遊具の安全確保に関する指針の改訂版に沿いまして、策定された遊具の安全に関する基準に基づき、毎年安全点検を実施をいたしております。この安全点検の結果、遊具に異常があり、子どもたちが安全に使用することができないと判断されるものについては、点検後、すぐに使用禁止の措置を講じた上で今回撤去の対象といたしました。
 また、点検の結果、すぐに使用禁止にする必要はないけれども、事故を未然に防ぐという観点から、特に劣化が進んでいるものも今回は撤去の対象といたしました。
 今回の子ども遊び場の遊具撤去に関しまして、平成23年6月15日号の広報ぎふにおいて撤去に関するお知らせを掲載をさせていただきました。しかしながら、遊び場の管理をしていただいております地元自治会や利用者の方々への案内や周知が撤去工事間際になるなど、市民の皆さんに対して十分な説明ができておらず、大変御迷惑をおかけした点について深くおわびを申し上げたいと思います。
 撤去後の遊具設置につきましては、近隣の都市公園との整備状況や遊び場の利用状況などを考慮しつつ、来年度、地域の皆さんの御意見、御要望を伺いながら設置計画を検討してまいりたいと思います。
 2つ目の、学校施設におけます遊具更新状況についてでございます。
 学校施設における遊具についても、子ども遊び場と同様に専門業者による点検結果をもとに修繕対応を基本としつつ、修繕で対応できないもの、また、必要性が薄れているものについては撤去をいたしております。ここ3年間におきましてブランコ2基、滑り台1基、平均台1基、鉄棒1基を撤去し、その後、ブランコ2基、鉄棒1基を設置をしております。今後も撤去後の対応につきましては、学校側の要望をもとに安全性の確保を最優先し、グラウンドの広さ、設置目的、遊具の性格等のさまざまな角度から検討しながら設置してまいりたいと考えております。


◯副議長 (松原徳和君)  理事兼都市建設部長、河島和博君。
   〔河島和博君登壇〕


◯理事兼都市建設部長 (河島和博君)
 都市建設部の所管の公園における遊具に関する御質問にお答えします。
 現在、市内には371の都市公園があり、そのうち288カ所に遊具が設置してございます。その遊具の管理につきましては先ほど教育長が答弁したとおり、平成14年10月に策定され、平成20年8月に改訂されました国土交通省の都市公園における遊具の安全確保に関する指針に沿って策定された遊具の安全に関する基準に基づいて、毎年すべての遊具を点検しております。その結果、使用に支障があると判断された遊具につきましては、緊急的に使用禁止の措置を施した上で、できる限り修繕をし、使用していただいておりますが、どうしても修繕ができない遊具につきましては撤去しております。
 なお、指針の平成20年改訂の主な項目としましては、対象遊具が追加になったこと、遊具の標準使用期間と点検項目が明確に表示されたことであります。遊具の撤去に関しましては、毎年5月に開催しております公園管理を委託した地域団体への業務説明会の中で点検後に撤去する場合がありますとの説明をさせていただいております。
 また、点検の結果、問題のある遊具につきましては、これまで使用禁止の表示をしておりましたが、今後は撤去あるいは修繕を行う旨の表示も加えていきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、公園で遊ばれる子どもさんたちの安全確保は何よりも大切なことでありますことから、今後とも遊具の点検には万全を期してまいりたいと考えております。
 なお、これまでの遊具の撤去状況についてでございますが、平成21年度に31公園の41基、昨年度が10公園の19基、今年度は6公園の13基、計47公園の73基となっております。また、この3年間に遊具を撤去した公園のうち10公園に11基の遊具を設置してまいりましたが、今後も国の補助制度を活用し、利用状況や地域の皆様の御意見を伺いながら適切な遊具の設置を進めてまいりたいと考えております。
  〔私語する者あり〕

 

◯副議長 (松原徳和君)  副市長、成原嘉彦君。
   〔成原嘉彦君登壇〕

  〔私語する者あり〕


◯副市長 (成原嘉彦君)
 子ども遊び場の公園整備課への移管についてお答えをいたします。
 ただいま教育長と都市建設部長の答弁でありましたように、現在、市内には371カ所の公園と229カ所の子ども遊び場がございます。371カ所の公園は都市建設部が所管し、229カ所の子ども遊び場は教育委員会の所管となっております。この子ども遊び場は子どもたちが安全に屋外で遊ぶことができる広場を提供するという観点から、岐阜市において従来から設置してきているものでございます。この経緯を調べてみますと、これらのほとんどが地元の要望によりまして、敷地の提供を岐阜市が受けて岐阜市が遊具を設置した上で管理を地元自治会にしていただいているというものでございます。
 他都市における類似施設の管理状況を調査したところ、県内では近隣2都市、中核市では6都市において岐阜市と同じような管理形態がございました。それぞれ所管している部局は子ども未来部、子育て支援部、市民部、都市関係部などでございました。
 ところで、この子ども遊び場を移管して一体的に管理することがよいのではないかとの御指摘でございますが、いま一度この229カ所の子ども遊び場の生い立ちや形状、そして、土地の権利関係を調査して、その位置づけが児童福祉法で規定する児童厚生施設、すなわち児童遊園に該当するかどうか。また、岐阜市都市公園条例に規定する都市公園に該当するかどうか。さらに、このいずれにも該当しない純粋な子ども遊び場なのかどうかについて精査してみる必要がございます。この作業を早急に関係部局の担当者によるプロジェクトチームを立ち上げて行うこととしたいと思います。その上で関係部局の協議を行い、問題点と所管の整理をしてまいります。



◯副議長 (松原徳和君)  副市長、武政 功君。
   〔武政 功君登壇〕



◯副市長 (武政 功君)
 公共施設のライフサイクルコストについてお答えをいたします。
 厳しい財政下でコスト削減を求められる中、国におきましては公共事業により整備されます施設について、よりよいものをより安く提供するという観点からだけではなく、より耐用年数の長い施設、省資源・省エネルギー化に資する施設、環境と調和する施設などを推進するなど、施設の品質の向上を図ることにより、ライフサイクルを通じ、コストの低減や環境に対する負荷の低減を図ろうとしております。さらに、既存の公共施設に対しまして、より手厚い維持補修を行うことにより長寿命化を図る試みも進められておるとこでございます。
 本市におきましては公共施設の新設や大規模改修の企画、設計段階から、維持管理のしやすさや建設資材や設備機器等に更新時に入手しやすい汎用品を使用することで改修更新費用及び建設コストの削減を図っているとこでございます。
 一方、既設の公共施設につきましては、その多くが昭和40年代の高度成長期に建設され、既に40年近く経過し、近い将来、一斉に建てかえ時期を迎えることになります。これらの公共施設、建物を建てかえるには膨大な建設費が必要となりますことから、既存ストックの長寿命化改修、設備機器の適切な更新など、各施設の計画的な保守管理を行うことで更新費用の平準化にも努めているところでございます。また、これらの施設の多くは耐震性能が劣ることから、施設の安全確保のため、耐震補強工事を計画的に進めているところでございますが、その工事の際、エネルギー効率のよい設備機器への取りかえなど、ランニングコストの削減にも努めているところでございます。
 ライフサイクルコスト削減のための本市におきます具体的な取り組みといたしましては、基盤整備部におきましては橋梁点検を行い、劣化状況に応じて予防的な維持補修をするための橋梁長寿命化修繕計画、幹線道路の全面舗装改良、あるいは排水機場主要機器の計画的なオーバーホールを実施しております。
 都市建設部では公園施設点検を行い、劣化状況に応じて予防的維持補修をするための公園施設長寿命化計画を策定をしております。
 まちづくり推進部におきましては市営住宅の現状把握を行い、長寿命化及びライフサイクルコスト削減のための維持管理方針を取りまとめました公営住宅等長寿命化計画を策定しております。
 さらに、環境事業部におきましては廃棄物処理施設の計画的、効率的な延命化を図るための廃棄物処理施設長寿命化計画をそれぞれ策定、実行しているところでございます。
 今後も厳しい財政環境に置かれることが見込まれる中、一斉に老朽化を迎える公共施設について適切な維持管理を推進し、良質なストックの活用をすることで延命化を図っていくことが求められると考えております。さらに、建てかえが必要な施設につきましても、投資が過度に集中することのないよう戦略的で効率的な維持管理と更新を行う必要がございます。今後とも新規投資と維持更新費につきまして、御指摘のありましたライフサイクルコストの考え方に基づきまして、イニシャルコストのみならず、ランニングコストを含めた総合的な見地から経費の削減に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



◯副議長 (松原徳和君)  福祉部長、服部 剛君。
   〔服部 剛君登壇〕



◯福祉部長 (服部 剛君)
 生活保護受給者の就労支援についてお答えします。
 1点目の、就労支援が必要な受給者の現状についてでございます。
 対象者の現状としましては、平成20年のリーマン・ショック以降、働き盛りの世代の方が仕事を失い、生活保護を受給されるケースがふえております。そうした世帯を生活保護の分類ではその他世帯と呼んでおりますが、この世帯数はリーマン・ショック以前の平成19年度は29世帯であったものが、平成21年度には301世帯と10倍になりました。そのため平成22年度には就労支援員を新たに雇用し、生活保護受給者の就労支援体制を整えました。しかしながら、平成24年1月現在、生活保護世帯4,909世帯中、その他世帯は716世帯とさらに増加しております。こうした世帯の方を中心に就労可能で就労していない者の数は来年度は約780名ぐらいになると推計しております。さらに、今後、新たに生活に困窮され、生活保護の相談に来られる方は約600名ほどと予測しております。こうした方をいち早く就労に結びつけ、自立を促すことが最優先の課題であると考えております。
 2点目の、新年度の予算における新たな事業の内容についてでございます。
 まず、生活再生雇用事業でございます。
 この事業は生活保護受給者や生活保護の相談に来られた方で、働きたいけど働き先のない方に対して本市が直接雇用し、仕事を提供するものであります。公園の清掃業務や学校の校務員補助業務など4種類で、月平均11人の雇用を確保するものです。こうした業務は特に資格や経験も必要がなく、容易に就労につけるものと考えております。なお、この事業では月額7万5,000円から12万円ほどの収入を得ることができます。これにより生活保護にならなくて済んだり、あるいは生活保護を受けている方についても、その就労期間内に働く意欲を保持しながら新たな安定した就職先を探すことにより、最終的には生活保護からの自立を目指しております。
 次に、キャリアカウンセラーの配置です。
 就職の面接を何度も受けるものの、なかなか採用されない方に対しまして、専門の知識と経験を持ったキャリアカウンセラーが精神面も含めたアドバイスを行うことで就労に対する不安の解消を図り、就職に結びつけていきたいと考えております。
 次に、就労体験事業でございます。
 これは長期間就労していないなど、社会とのつながりが必要な方に対しまして、農業体験を通じて社会参加を促そうとするものであります。内容はNPO法人に委託しまして、農作物の植えつけから収穫、販売までを体験するものであります。この事業で就労意欲が喚起できた方を次の就労支援に結びつけたいと考えております。
 3点目の、継続的な支援対策についてでございます。
 岐阜労働局の協力によりまして、「はたらき支援ルーム」として生活福祉課内にハローワークの職員が常駐するコーナーを設けることといたしました。これまで生活保護受給者の就職活動に対しましては、就労支援員やケースワーカーがハローワークへ同行するなどの指導、支援を行ってきましたが、これによって、ハローワーク職員と生活福祉課の職員が一体となってワンストップで職業紹介や就労支援を効率的に行うことができるようになります。また、「はたらき支援ルーム」では生活保護の相談に来られた方も生活保護になる前の段階で、職業相談、職業紹介などの支援が受けられ、一層の効果が見込まれるものと考えております。
 また、就職された方については就職後も生活が安定するまではケースワーカーによるフォローを行っておりますし、今後も実施してまいりたいと考えております。
 今回の対策につきましては、今後、検証しながらより多くの方が就労につけるよう引き続き支援方法を検討してまいります。



◯副議長 (松原徳和君)  農林部長、山口嘉彦君。
   〔山口嘉彦君登壇〕



◯農林部長 (山口嘉彦君)
 夜間市場の存続についての御質問にお答えします。
 この夜間市場は地元住民からも根強い支持を得ておりまして、地産地消、地域の活性化という観点からも、岐阜市にとりまして必要不可欠なものと認識しております。しかし、警察署からは平成18年度以来、岐阜夜間市場組合に対しまして、道路事情、社会情勢の変化に伴い、今後は道路使用許可が難しくなることが考えられるため、将来計画を検討するよう指導されてきております。平成22年度までにつきましては市が認定支援する団体であるという支援文書を夜間市場組合に発行し、組合はその文書を添付し、道路使用許可申請をしておられました。平成23年度になり、夜間市場組合に対しまして将来計画を求められたものでございます。
 そこで、平成24年度の許可申請に当たり、昨年の12月に道路使用許可権者であります中警察署に出向き、平成24年度の道路使用許可更新に向け協議させていただきました。そこでは道路使用許可に当たり、交通の支障となるおそれのある場所ではイベントなどの短期許可が一般的であり、通年許可は例外的であること、特に真砂町通りは自転車も歩道を通行することもあるため自転車通行の支障となるおそれがあること、交通安全対策としてガードマンの常駐は最低限必要となることなどからの理由から、岐阜市には夜間使用に対する支援、夜間市場組合には将来計画を示すよう求められましたものでございます。
 以後、市と夜間市場組合と協議を進めてまいりました。夜間市場組合からは数店の出店規模ではガードマンの常設も困難であり、他の方策もいろいろ検討いたしましたが、道路事情、社会情勢の変化に伴い、現在の場所での近隣で出店場所を借りることが困難な場所では道路交通法の適用にならない道路敷での出店計画が市に提出されました。そこで、岐阜市といたしましては、交通の支障とならない現在の出店場所の近隣市有地に夜間市場を移転し、新たなにぎわいの創出になればと道路管理者と協議を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、各関係機関との調整期間が必要なため、平成24年度につきましては引き続き現在の場所での道路占用許可を受け、警察への道路使用許可を申請中であることを御報告させていただきます。
    〔私語する者あり〕
   〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕

 


◯副議長 (松原徳和君)  22番、松原和生君。
〔松原和生君登壇〕


◯22番 (松原和生君)
それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。要望並びに再質問をさせていただきます。
まず、遊具の設置と管理体制についてであります。
たった今、後ろの席の西川議員からも、「おれのところなんか遊具に張り紙、1週間後に撤去しますと書いた紙1枚が張ってあっただけで、自治会長さんからえらいしかられた。」という話を聞きました。しっかりとした対応をお願いいたします。
教育委員会では新年度に地域の皆様の御意見や御要望をアンケート等で伺いながら設置計画を検討するとのことですが、前年度あるいは今年度に行うべきであったと考えます。基準内の遊具で希望があれば、なるべく設置をする方向で考えると、昨日、担当課長からは聞いています。最近はグラウンドゴルフやペタンクなど、大人の遊び場としてのニーズもあろうかと思いますが、とにかく地元の思いを大切に進めていただくよう要望をいたします。
管理体制についてはプロジェクトチームを立ち上げて協議をしていくということでした。過去に市民体育課が所管をするその子ども遊び場を公園整備課に移管をして、かわりに公園整備課の所管する野球場、サッカー場、テニスコートなどのスポーツ施設を市民体育課に移管をするというバーターでの話し合いが行われたことがあると聞きます。大変わかりやすく、的を射た話だと思います。しかし、その話はスポーツ施設の場所の多数を占める河川敷など、国土交通省や県との賃貸契約の関係などが難しいという理由で頓挫したと聞きますが、同じ岐阜市の中で融通し合うか、又貸しが無理ならば契約書を締結し直すだけだとも思いますが、それはそんなに難しいものなのかどうか、ぜひ国土交通省御出身の武政副市長にお尋ねをしたいと思います。
次に、公共事業のライフサイクルコストの縮減についてであります。
御答弁については了解をいたしますが、模範解答を伺ったということではなくて、公共事業の今後あらゆる場面においてライフサイクルコストの問題意識を持ち続けていただくよう要望をいたします。
次に、生活保護受給者の就労支援についてです。
お答えにあった新たな取り組みについては応援したいと思います。雇用環境の悪化の中で簡単な話ではなかろうと思いますが、頑張っていただきたいと思います。
1点だけお伺いをいたします。
岐阜市のホームページで福祉部から生活福祉課をクリック、さらに、生活保護をクリックします。そこにある生活保護の説明ページに「よくある質問」という欄があります。その2番目の問い、「自動車は所有できるのか。」に対して、答え、「原則、自動車(バイクも含む)の所有、使用は認められません。」とあります。私も市民の生活保護の相談は何度も受けたことがあり、そのことについては知っています。しかし、生活保護受給者の就労支援という観点から見たときに、岐阜市は広く、居住地によっては車社会を前提とした今の時代に仕事が見つからない原因になりはしないかと心配です。そうした考え方の理由と今後の対応について福祉部長にお尋ねをいたします。
最後に、夜市の存続について、また、市政と警察行政についてであります。
私の周りの複数の方から「中警察署に対して批判ともとれる発言を続けて恨みを買うと、必ず根に持たれて仕返しされるぞ、黙っていた方がいいぞ。」という忠告をいただきました。まるで中警察署を暴対法の対象組織か何かのように(笑声)恐れたような言いようですが、私はそれは違う、「太陽にほえろ!」や「Gメン’75」などで見たように、「警察は市民の味方、私は大丈夫だ。」と伝えておきましたので、間違いのないようお願いいたします。
数日前、農林部の担当者が出店者を交えて出店計画の話し合いがついた、出店者の代表はもう事を荒立てないでほしいと思っていると私に対して言うので、確認のため、昨日の本会議終了後に真砂町に行きました。大変なにぎわいで次々に常連さんが見えて、そのたびに話が中断し、結局、ゆっくり話すのに30分以上がかかりました。原因の1つとされる心配された通行の支障や路上駐車などは全くなく、1台だけ道路にとめようとした車も御主人が飛んで行かれて注意をし、今回の問題の対応策として出店者が隣に借りられた駐車場スペースに誘導をされました。その後、伊奈波通りでも話を再確認してまいりました。答弁にあった話は円満解決などではありません。この先、4月からは営業できません。代案はこれしかありません。その代案に乗るなら少し相談に応じます。なくなるよりはましでしょう。こんな口車に乗せられながら、すべて農林部の職員のアドバイスのままにしたのだそうです。農林部は数日前に市長にも了解をとったと私に言いに来ましたが、市長に対しても出店者が了解した円満解決などと私にしたのと同じ都合のいい報告をしたからうなずかれたのではないですか。農林部の職員にアドバイスを受けたという内容は、一言で言うと移転の話に従いますから、せめて12月までだけ猶予して現在地にいさせてください。なお、国体開催期間中は自粛をいたしますという内容です。11月議会で国体推進部長は国体、あるいは障がい者スポーツ大会の開催期間中、全国からお見えになる方々に対して、歴史、文化に恵まれた岐阜市らしさを感じていただく風物詩の1つとして、また、地産地消を進める本市をPRする場の1つとして有用だと言われた答弁を聞いていなかったのでしょうか。
県議会議員から県警本部を通じて中警察署に聞き取りもしてもらったところでは、検討中ではあるが、現在の場所から撤去させるという判断は決定していないということです。みずから言い出すように誘導をしているのかもしれませんが、まさか農林部が1枚かまされるようではいけません。先ほどの途中経過は最悪の場合の次善の策としては伺っておきますが、現在地での存続に向けた引き続きの交渉への決意について農林部長にお伺いをいたします。
以上で2回目の質問を終わります。

 

◯副議長 (松原徳和君)  副市長、武政 功君。
   〔武政 功君登壇〕


◯副市長 (武政 功君)
 公園の管理に関連しまして、河川におけますスポーツ施設設置の手続に関する御質問にお答えをいたします。
 国、または県の管理といたします河川区域内にスポーツ施設を設置する場合の手続でございますが、河川管理者であります国、県に対しまして2つの許可を得る必要がございます。河川法第24条に基づく土地の占用の許可、そして、河川法第26条第1項に基づきます工作物の新築等、2つの許可になります。御質問にありましたように、スポーツ施設を市の所管課を変えるという場合についてでございますが、申請者につきましてはどちらも岐阜市、岐阜市長でございますので、河川管理者に対する担当部署の変更の報告というのは求められる可能性がございますが、それ以外の手続については特に必要ないものと考えます。
 以上でございます。

 

◯副議長 (松原徳和君)  福祉部長、服部 剛君。
   〔服部 剛君登壇〕


◯福祉部長 (服部 剛君)
 生活保護に関する再質問にお答えします。
 自動車は資産としてとらえておりますので、生活保護を受けておられる方の自動車の保有、使用は原則認めておりません。ただし、自営業を営むための事業用の自動車でありますとか、障がい者の方が通勤、通院、通学される場合などで自動車以外にその方法がないというときは例外的に認められる場合もございます。就職活動に対します支援としましては、先ほど申しましたように、「はたらき支援ルーム」を市役所内に設置するなど、利便性を図ることで対応してまいります。

 

◯副議長 (松原徳和君)  農林部長、山口嘉彦君。
   〔山口嘉彦君登壇〕


◯農林部長 (山口嘉彦君)
 さきに答弁したとおり、平成24年度につきましては現在の場所での道路使用許可申請中でありまして、中警察署の道路使用許可に対します考え方につきましては再度確認し、引き続き夜間市場組合と協議しながら夜間市場の存続について努力してまいります。

   〔「議長、22番」と呼ぶ者あり〕

 

◯副議長 (松原徳和君)  22番、松原和生君。
   〔松原和生君登壇〕

 

◯22番 (松原和生君)
 生活保護受給者の就労支援に関連しての通勤や就職活動における自家用車の所有、使用についてでありますが、国の制度であって難しいことは十分わかりますが、ただ、それが原因で就労できないということになっては、これはいけないと思うわけでありまして、この点については、今後必要に応じて検討を加えていただきたいというふうに思います。
 夜市の存続について、また、市政と警察行政についてであります。
 中警察署は現地存続を求める利用者のたくさんの署名を添えたそういう要望書を個人情報だからといってかがみの部分しか受け取らず、署名は突き返したそうであります。私は道路改良の要望など、最近だけでもたくさんの署名をつけた要望書を市に提出してきています。中警察署の対応を聞いて、個人情報保護法で署名は受け取ってはいけないものなのかどうか、行政部長さんに確認をしたところ、個人情報保護法違反になるのはその署名を第三者に見せるなどの場合だけであって、本市では当然に受け取るものだということです。

   〔私語する者あり〕
今度一度県警本部にでも確認をしてみたいと思っています。
 引き続き努力していただくとの答弁ですが、農林部の職員がまるでほかに選択肢がないような言い方でアドバイスをしたという案について、中警察署が近い将来、撤去を求める理由とされることのないように、その点については確認をしておいていただきたいと思います。
 昨日は真砂町の夜市で大粒のイチゴを買って帰りました。物すごい太さの大根やネギや里芋などなど、見るだけで手にとってみたくなる手づくりの生鮮野菜がいっぱいに並んでいます。
   〔「味もええやらあ。」 と呼ぶ者あり〕
はい。(笑声)伊奈波通り、真砂町、若宮町、ちょっと若宮町はきのう寄りませんでしたので、自信がないんですが、伊奈波通り、真砂町、きょうの帰りにでもお立ち寄りいただければ、きっと満足いただけるものとお勧めをいたしまして、今回の私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)