◯12番(松原和生君) おはようございます。
    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕
  民主・未来を代表し、発言通告に基づきまして、順次お尋ねをいたします。
    〔私語する者あり〕
  まず初めに、本市の財政運営について主に歳入面からお尋ねをいたします。
  アメリカで発生したサブプライム問題や急激な円高、100年に一度と言われる経済危機の中で、お隣の愛知県豊田市では、市内に本社を置くトヨタ自動車の業績悪化に直撃される形で、新年度の当初予算案では前年に442億円あった法人市民税が16億円までに落ち込むとしています。減収幅は96%。歳入の中核を占める法人市民税が1年で426億円も減ることは、オイルショックやバブル崩壊の際にも経験しなかった、まさに未曾有の事態ということであります。(笑声)さらに、豊田市の新年度予算の歳出には、業績が悪化した企業に取り過ぎた市民税を返還する還付金が、これも190億円含まれているのであります。愛知県には自動車関連の産業に税収を頼る自治体も多く、今後、周辺にも同様の影響が広がると見られ、大変な状況となっています。
  岐阜市には外需依存度の高い製造業の比率が少なく、そのことはこれまで本市のウイークポイントとされてきましたが、今回に限っては結果的に真っ先に受ける直撃が比較的小さいといった皮肉な結果となっています。しかし、それでも影響はじわじわと確実にあらわれており、そうした環境のもとで編成された新年度予算の市税の主なものについて、個人市民税、法人市民税、固定資産税など、ともにマイナス予算となっています。歳入をはかり、そのバランスに基づいた歳出を組み立てる必要がある中で、その歳出についての目算を誤ることのないよう、本市におけるさまざまな影響をしっかりと分析しながら歳入を見込まねばなりません。
  そこで、以下、財政部長にお伺いをいたします。
  新年度の市税収入について、どのように社会経済情勢を把握し、本市への影響を分析され、具体的には、どのような指標に基づいて市税のマイナス幅を算出、予算を組み立てられたのか、お尋ねをいたします。
  さて、岐阜県ではこの新年度からの4年間を県の緊急財政再建期間と位置づけ、職員の給与削減にまで踏み込みながら行財政改革に取り組もうとしています。使える基金のほとんどを取り崩しながら新年度予算案を編成されたと聞きますが、2010年度以降は、現在考えられる財源対策を加味しても、なお、毎年300億円以上の不足が発生する見込みということであります。このような状況下、市には県からのお金で行う事業、また、県と協調して実施していく事業があるわけですが、県の動向が本市に及ぼす影響について、今後も含め、どのように考えておられるか、お尋ねをいたします。
  地方交付税であります。経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針の中で、交付税の不交付団体を人口20万人以上の市の半数以上とすることが掲げられています。この5年間、市町村合併が多く、団体の数では単純に比較しにくいため、人口の比率をもって見てみますと、不交付団体はその人口比率で15%から30%へと倍増しており、また、人口20万人以上の都市では、現在3分の1が不交付団体になろうとしています。岐阜市は残された都市の中では上位に位置しています。財政力指数が1を超える場合に財政的に自立した都市とみなされ、普通交付税の不交付団体となるわけですが、本市の財政力指数は、5年前の0.80から0.87まで上昇してきています。市岐商の運営費約4億円には交付税が含まれているはずだから、全部が全部市の持ち出しではないという他力本願の考え方を耳にしたことがありますが、岐阜市も近い将来に不交付団体とされることを視野に入れながら、今後の財政運営を考えていく必要があると思っています。地方交付税の今後についてどう認識しておみえか、お尋ねをいたします。
  新年度からコンビニ収納が導入されます。市県民税、固定資産税、都市計画税などがコンビニで納めていただけるようになるものです。市民の皆さんの利便性が高まることになります。しかし、市として1件当たり58円の手数料をコンビニに支払うことになります。民間企業での常識としては、利便性の向上はもちろんですが、便利になることによってこの支払い手数料の総額に見合う収納率の向上を見込むべきだと思いますが、そういった観点からコンビニ収納の効果についてどのように考えておられるか、お尋ねをいたします。
  次に、市岐商の学校法人立命館への移管についてお尋ねをいたします。
  11月議会の後、市長の辞職、市長の選挙、連日のマスコミ報道、誘致、存続、それぞれのグループが行った集会やチラシなどによって、この問題はいや応なしに市民の皆さんの間で認識をされました。この間、私も存続を求める匿名の電話をいただいたこともありますが、私が意見を交わした本当に数多くのしがらみのない市民の間では、市岐商の移管による立命館の誘致を求める声が大多数であったと認識をしています。特に私と同じ小学生の子どもを持つ子育て世代の中では、我が子の進学先の選択肢として期待をする声が多く、早い時期での移管を望んでいます。市岐商廃止の結論に至った理由、立命館誘致のメリットなどについてきょう重ねては申しませんが、岐阜市の未来のために何としても実現すべき話であると、この3カ月、現場の第一線で市民の声を聞いてきた中、改めてその意を強くしています。
  市長に数点お伺いをいたします。
  市長に再選された後、学校法人立命館と協議を重ねてこられましたが、どのような進展があったのか、お尋ねをいたします。
  県議会において、市岐商と県立高校の統合の可能性について質疑があったようですが、その内容と本市の考え方についてお尋ねをいたします。
  新聞社のアンケート調査結果を見ますと、立命館誘致に賛成の声が多いようですが、無償貸与、無償譲渡について、「ただ」という言葉から受けるイメージに抵抗があるようです。無償貸与、無償譲渡とされる理由と県内などでの先例について御説明をいただく必要があると思いますので、わかりやすい言葉で御答弁を願います。
  次に、建築確認審査の長期化による影響についてお尋ねをいたします。
  1つの事例を申し上げます。岐阜小学校校舎建築主体工事であります。工事請負契約の締結が6月議会で可決をされ、当初の地元説明会では、解体工事に引き続き8月の中旬から建築工事の着工だと説明がされていました。ところが、実際の着工は12月15日でありました。実に4カ月のおくれであります。幸いこの工事は早く完成しても来年の3月までは使う予定がないというゆったりしたスケジュールであり、結果として市民に直接の影響はありませんが、この建築工事の着工が4カ月もおくれた理由は、建築確認がなかなかおりなかったからであります。確認審査の長期化の影響は市内のさまざまな工事で発生しており、中心市街地活性化基本計画にも記載された新岐阜百貨店跡地の商業施設の完成予定が昨年末からことし後半にずれ込んだのも建築確認の長期化の影響であります。
    〔私語する者あり〕
  姉歯さんでしたかの
    〔私語する者あり〕
構造計算偽装事件を受けて建築基準法が改正されてから確認業務が複雑化し長期化したわけですが、その結果による着工のおくれが地域経済に及ぼす悪影響について各方面から指摘をされています。この間の建築確認審査に係る実態はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
  私は決して建築確認審査を甘くするということを言っているのではありません。しかし、市にでき得る改善に向けた取り組みや工夫は地域のために必要であります。その対応について、以上、まちづくり推進部長にお尋ねをいたします。
  次に、公共建築工事のスケジュールのおくれに関して、先ほどの岐阜小学校の事例を再び例にしてお尋ねをいたします。
  今回の物件がもしも年度内の完成を目指すものだったとしたならば、完成がおくれ、予算上は繰越明許となり、市民の皆さんに迷惑がかかるのであります。先ほど来、建築確認と申し上げています。同じ意味合いですが、法律用語では公共建築における建築確認のことを計画通知というのだそうです。今後はこの計画通知の段取りに要する時間が長期化していることを覚悟してスケジュールを組む必要があります。その結果、新年度に入札を行い、その後速やかに着工するためには、建築確認に当たる計画通知の手続のスタートを早めなければなりません。つまり前の年度の予算で行う実施設計の完成を3月末ではなく、12月くらいにしなければならなくなったということです。現状に合わせた市の建築工事における一連のスケジュールの見直しについてお尋ねをいたします。
  もう一点、最近、別の理由で着工のおくれを招いた事案が発生しています。わかりやすいものを例に取り上げますと、岐阜市民病院改築整備第1期工事、岐阜駅北口駅前広場西公衆トイレ建設工事、そして、岐阜公園総合案内所・休憩所ほか2棟建築工事です。これらは入札が不成立になり、再入札を行った結果、それぞれ着工がおくれたのであります。全社が辞退、札を入れた業者が1つもなかったわけでありますが、市の聞き取りによると、鋼材や木材などの資材単価の乱高下により、採算が合わないと判断されたのが主な理由とのことです。
    〔私語する者あり〕
  一方、さきの岐阜小学校の解体工事の方は43%で落札され、低入札価格調査委員会にかかりました。解体で発生する鉄骨が高くさばけることを見込み、43%で落札されたようであります。公共建築課が積算してから入札まで、およそ2カ月間のすき間にはまった乱高下です。市民病院や駅前広場のトイレは多くの市民が心待ちにする物件であり、岐阜公園総合案内所は観光岐阜の新しいシンボルと位置づけられるものです。現在は再入札が行われ、それぞれの工事が進行していますが、単品スライド制度が適切に行われることを周知するなど、お互いの信頼関係を持ってうまくいく方策を市民のために一工夫すべきと考えますが、この間の経過と今後の対応方についてお尋ねをいたします。ただいまの項目は英副市長にお伺いをいたします。
    〔私語する者あり〕
  次に、子ども医療費助成制度の拡大についてお尋ねをします。
  この件については、昨年3月議会の私の質問をデータを新しくしながら読み返す形となり残念であります。
  従来からの答弁では、国、県の制度であり、要望していきたいというものでした。つまり持ち出しには慎重になりながらも、必要性については以前から認めてみえるわけです。そして、本来、国、県がという話も正論であります。しかし、今もう待ってはいられないと、昨年と、そして、この3月議会、周囲の市町村が雪崩を打つように拡大に動いているのを御承知でしょうか。
  担当課に調査してもらいました。県制度は、入院、通院ともに小学校就学前まで無料ということですが、仮に各市町村の今回の当初予算が可決されたとした場合に、入院についてはいよいよ最後の2市町が拡大の予定であり、県内42市町村のうち42、つまり県内の全部が義務教育終了まで、それぞれ入院について独自の拡大を行うことになります。
  問題は通院についてであります。義務教育終了まで無料の所は、一昨年まで県内ではわずか8市町村と少数でしたが、昨年17市町が一気に拡大に踏み切り、新年度さらに4市町が拡大する結果、県内42市町村のうちで29、つまり県内の約7割が通院についても義務教育終了まで到達するのであります。隣接市町では、羽島市、瑞穂市、美濃市、本巣市、笠松町であります。
  また、下位争いですが、それでも各務原市は小学校卒業まで、関市と山県市は小学校3年生までに拡大しており、多くの市町が拡大に動いた結果、何と県制度である小学校就学前のレベルにとどまっているのは県内42市町村のうちわずかに4カ所だけ、42市町村のうちたった4カ所だけとなり、その中に岐阜市が沈んでいるのであります。
  県に要望すると言って待っているうちに、ほとんどの仲間は先に行ってしまいました。規模が大きいから違うという話も過去に聞きましたが、都市間競争のライバルのエリアである名古屋圏に存在する3つある中核市では、岡崎市と豊田市が義務教育終了まで、豊橋市が小学校卒業までに拡大しています。岐阜市近郊に住む友人がアパートを借りかえるに当たり、岐阜市以外で探すと言います。子育てのしやすいまちに住みたいから。周辺では、そうでないまちを探す方がこの件に関しては難しいくらいです。
  立命館から市岐商移管の提案を受けています。市長はその効果として、若い世代が居住地を選ぶとき、子どもの教育環境が大きな要素となっており、有名私学の誘致は名古屋圏や近隣市町から本市への居住を促す都市活性化策になると口にしてみえます。私は、この趣旨には大いに賛同をしています。しかし、同じ子どもに関する環境の著しいおくれを理由に、このまちだけはだめだと言って岐阜市を避けて住む人がいる。名古屋圏や近隣市町からの居住を促すどころではありません。逃げていきます。わずか数年油断をしているうちにこんなことになってしまいました。大変残念であり、待ったなしというところです。
  そこで、市長にお伺いをいたします。
  この2年間に県内の大多数の市町村が拡大に踏み切ったことで、県内42市町村のうち4市町だけが最低レベルに残され、その中に岐阜市が含まれる現状をどのように認識をされるか。また、教育立市によって若い世代を引き寄せ、まちの活性化につなげたいと当初予算提案説明の最初の1ページ目で述べられています。しかし、その子どもに関するわかりやすい環境整備が最低レベルで、市で言えば時計回りに南から羽島、瑞穂、本巣、山県、美濃、関、各務原の方がいいと言われる状態では、若い世代が避けていく、目指すまちづくりと相反する危機的状況ですが、いかがでしょうか。
  そして、今はできるだけ早急に最下位から脱出すべきと考えますが、そのお考えについてお尋ねをいたします。
  なお、この問題はこの1年間、民主党の私のほかに、自民党の広瀬議員、公明党の西垣議員も拡大を求めて質問をされています。過去には共産党さんも触れてみえますので、いわば全会一致をもって可決に至る状況であることをよくお考えいただき、御答弁を願います。
  次に、職員の勤務時間短縮による業務への影響についてお尋ねをいたします。
  4月から岐阜市職員の勤務時間を毎日15分ずつ短縮する条例改正案が上程されています。これは岐阜市が言い出したわけでなく、昨年の人事院勧告で国家公務員の勤務時間を1日実働8時間から7時間45分に15分短縮すると決められ、そして、総務省から市町村もそれに倣うようにという趣旨の通知があり、4月から実施をするものです。その分しっかりとレベルの高い仕事に努めていただきたいものです。
  さて、この通知によると、実施に当たり現在の行政サービスを維持する、そして、行政コストの増加を招かないことを基本とするとしています。今までどおりの仕事ならば、単純に考えて、毎日15分掛ける年間240日掛ける平均時間外単価2,335円掛ける対象職員数で、突然3億5,000万円の時間外手当が発生するとしたなら大変なことです。また、時間外手当の単価は、給与を勤務時間で割り、割り増し率をかけて算出します。その分母が15分小さくなるので、時間外の単価は約3%上昇するはずです。つまり時間外勤務をふやさないどころか、現在より3%時間外勤務を減らさなければ行政コストの増加を招くということになります。
  そこで、行政部長にお伺いをいたします。
  毎日15分ずつ全職員の勤務時間が減る中で、現在の行政サービスを維持し、行政コストの増加を招いてはだめという条件での勤務時間の変更ですが、具体的にはどのように対処されるのか、お尋ねをいたします。
  最後に、再度の市町村合併についてお尋ねをいたします。
  今から5年ほど前、地方分権時代の自立した自治体を目指し、岐阜市は、羽島市、岐南町、笠松町、旧柳津町、北方町との間で合併協議会を設置し、議論を進めていました。おおよそ前向きな協議が大詰めに差しかかるころ、椿洞の産業廃棄物不法投棄事件が発覚をしました。
    〔私語する者あり〕
岐阜新聞がその取材をもとに発行された「百年の負債 産廃不法投棄事件を追う」という本があります。──こちらであります。
  この中で、「合併構想の崩壊」、この一部を引用したいと思いますが、「事件は最悪のタイミングで発覚した。岐阜市など二市四町が、念願の政令指定都市に向けて進めていた合併協議は、最後の詰めを迎えていた。」、『説明会をクリアすれば、六月の合併調印が視野に入る。しかし、説明会の会場では、新市の構想でも行政サービス問題でもなく、一カ月前に発覚した産廃事件に質問が集中した。「撤去費用の負担額はいくらだ」「不法投棄を見過ごした岐阜市は信用できない」。各市町の職員は予想以上の逆風が吹くのを感じた。』、「まだ不法投棄の全容が分からない段階で、撤去費用の負担額が根拠もないまま独り歩き。反対グループの宣伝は百億円から二百、五百と増え続け、最後には一千億円という声も出た。住民説明会では複数の会場で、同じ人物が同じ産廃関連の質問をぶつけた。」、羽島での住民投票の結果は『合併反対が約一万八千票、賛成が約一万四千票で、職員らの予想を上回る大差がついた。これをきっかけに離脱の連鎖が始まり、住民意向調査で合意を取り付けていた笠松町は、あらためて行った住民投票で反対多数。住民投票で賛成を決めた岐南町は、議会が脱退を議決した。急激な反対ムードの盛り上がりに、両町幹部らは「産廃問題が痛かった」と口をそろえた。この流れで八月には北方町も脱退し、合併構想は崩れ落ちていった。』云々とあります。
  まさに当時の状況はそのとおりであったと議場の多くの皆さんが記憶をしておみえのことだと存じます。
  さて、この産廃の処理について一応のめどが立ち、税金を投入するということへの反省は決して忘れてはなりませんが、それは500億円でも1,000億円でもなく、国からの補助も得て、岐阜市の財政力の中で相手先の市町に迷惑をかけることなく、やりくりできることが明確となってきました。
  先月、岐阜県大野町の杉山町長が本巣市に合併協議を申し入れる意向を表明しました。全国で市の人口が9割、町村が1割という状態であることを訴えられ、窓口が開いているのは本巣市だとして提案されたそうであります。優遇措置などのある第二弾の合併特例法の期限である来年3月末までの合併成立を目指したいそうです。相手先が西濃圏域でないことなどから議会の反対に遭っているようですが、国の兵糧攻めと言える動きもあり、近い将来に必ず再度の合併の波が訪れることは間違いないと思っています。あの合併話を破談に追いやる引き金となった産廃問題にもめどがついた今、岐阜市として改めて周辺市町に対し広い心でウエルカムという態度を示しておくべきと考えますが、
    〔私語する者あり〕
再度の市町村合併への市長の思いをお伺いしまして、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)

◯議長(大野 通君) 市長、細江茂光君。
    〔私語する者多し〕
    〔細江茂光君登壇〕

◯市長(細江茂光君) どうも皆さん、おはようございます。
    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕
  ただいまの御質問にお答えをいたします。
  まず、市岐商と学校法人立命館の問題であります。
  市長選挙を終わりました2月4日に私みずから京都へ参りまして、学校法人立命館の長田理事長初め、関係者の皆様とお話をさせていただきました。その際には、市長選を通じまして多くの皆様からさまざまな御意見をいただきました。御意見や御要望などがありましたので、そんなものを御紹介したり、あるいは、もし市岐商を移管して立命館を誘致するというふうになった場合には、市岐商の伝統をしっかりと引き継いでいただきたいなどなどですね、幅広く意見交換をしたわけであります。
  その後も定期的に職員を派遣いたしまして、市岐商の受け皿として、在校生に対する配慮などを含めた観点からいろいろな協議を進めてきたわけであります。
  2点目の、県立高校との統合についての御質問にお答えいたします。
  県内の中学校卒業生、つまり高校入学予備軍でありますが、平成元年には3万6,330人、約3万6,000人強おられました。しかし、平成19年になりますと約2万800人ということですから、3万6,000人が2万人へと約43%減少しているわけでありまして、こういう状況を受けまして、県立高校の再編整備計画では、平成15年からの5年間で74校を63校へと11校統廃合されてきたわけであります。
  今後の県立高校の再編整備につきましては、この3月の県議会におきまして、県の教育長が当面の計画はないと答弁されております。また、市岐商と県立高校との統合につきましては、「岐阜市から正式な申し入れがあれば、その時点で検討する。」と答弁されております。しかし、今までに行われました県立高校統合の実態を見てみますと、2校を統合する場合、どちらかの学校は実質的には廃校となりまして、その廃校となった方の校地、校舎は、学校としては使用されなくなります。したがいまして、市岐商が県立高校と統合される場合、立命館高校に移管する場合とは異なりまして、実質的には廃止となることが想定されます。したがいまして、現在の場所で市岐商を新しい形で継承、発展させ、教育を活性化し、ひいてはまちの活性化につなげていくという政策目的の達成は困難であると考えております。
  3点目の、無償貸与、無償譲渡についてお答えをいたします。
  まちづくり、あるいは、まちの活性化のために有名私学を誘致されている事例は、県内初め、全国でも多く見受けられます。多くの自治体では土地の無償貸与あるいは無償譲渡を誘致の手法としておりまして、近隣では大垣日本大学高等学校・大垣日大の校地が無償貸与されているほか、幾つかの事例があります。さらには、無償貸与や無償譲渡に加え、建設費などを補助する自治体もあります。
  今回の立命館からの提案は、岐阜市との公私間協力、公と私の間での協力によって、物づくりに必要な理数系教育とグローバル化に対応するための国際化教育を2大特色とする学校をつくりたいという内容であります。これは岐阜市が校地を無償貸与し、校舎を無償譲渡することによって、耐震性や老朽化が課題となっている現校舎を立命館が解体し、次の時代を担う子どもたちを育てるため、最新の教育を行うにふさわしい科学と文化の薫りがする学校を立命館がその費用によって建設するというものであります。
  岐阜市では、小学校へのイングリッシュフレンド、あるいは中学校へのALT・外国語指導助手の派遣による小中学校の英語教育の充実、さらには、地域社会の学校教育への参画を推進するため、コミュニティ・スクールの設置、また、教材の開発、情報機器を活用した教育環境の充実など、教育立市を目指した義務教育の充実に努めております。市岐商を移管することによって、本市では義務教育への特化がさらに進むとともに、全国的にも知名度の高い立命館を誘致することは、こうした岐阜市の教育立市としての地域イメージを高め、
    〔私語する者あり〕
高齢化社会を支えてくれる若い、若年人口の流出防止及び他地域からの若年人口の流入促進、定住人口の増加が図られるものと考えております。
  このように岐阜市と立命館の公私間協力によって、県外からも注目される高校が岐阜市にできることから、校地の無償貸与あるいは校舎の無償譲渡をいたしましても、今までさまざまな方々の御質問にお答えしましたように、それ以上の効果が期待できると判断をいたしております。
  いずれにいたしましても、立命館からの移管の話をいただいたことはまさに千載一遇のチャンスであり、将来に禍根を残さない御判断をいただきますよう、議員の皆様方にも御理解と御協力をお願いしたいと思います。
  次に、子ども医療費助成の拡大についての御質問にお答えをいたします。
  議員も今御指摘のありましたように、少子化対策は国と地方が役割分担をしながら取り組んでいくべき課題でありまして、その中で子ども医療費の助成などについては、本来、国あるいは県において考えていただきたい分野だと考えております。また、多くの市町村の共通の認識でもあります。
  このような考え方に立ちまして、岐阜県市長会を通して、国に対しては子ども医療費無料化制度の創設を要望しておりますし、県に対しましては対象年齢の拡大をするよう要望してきているところであります。今後とも県内市町村と連携をいたしまして、国及び県に対し要望してまいりたいと考えております。
  一方、御指摘がございましたように、県内の市町村で子ども医療費の助成を拡大する動きが出てきていることは十分承知をいたしております。県内の市町村の中には、市民病院など公的病院を持たず、子ども医療費を拡大するなどの分野で力を入れている自治体もあるわけであります。しかし、岐阜市は、県内唯一でありますが、中核市といたしまして、岐阜市の皆さんのみならず、周辺市町を含めた地域の核としての役割がありまして、いわゆる広域的効果のある施設の充実、あるいは多様な施策というものを展開しているところであります。例えば、広域的施設であります市民病院には、先日もお話をいたしましたように、約128億円を投入し改築整備事業を進めておりますし、その院内には小児夜間急病センターを開設し、岐阜市のみならず、岐阜地域全体の地域の中核として小児時間外救急医療の充実にも取り組んでいるところであります。
  また、人口10万人当たりの病院の数、病床の数、医師の数など医療環境を見てみますと、さきにもお話ししましたように、本市は東海地方で第1位の水準にあります。このように本市は県内で唯一の中核市としての役割を果たしつつ、医療・保健サービス、あるいは待機児童ゼロの保育サービスなど、多様なサービスをバランスよく提供し、良好な子育て環境を総合的に充実させることで、若い世代に選ばれる都市を目指しております。
  御参考までに、その中核市の中で比較をしてみますと、本市の子ども医療につきましては、現在、入院は所得制限なしで義務教育終了まで実施しておりますが、この水準まで実施をしております中核市は、中核市39市の中で本市を含めて5市のみであります。また、通院につきましても、就学前までの実施の中核市は39市中31市と約80%でありまして、その中で本市は所得制限を設けていない、あるいは自己負担がないという点で依然として高い水準にあると考えております。
  大変厳しい財政環境の中にはありますが、現在は政策の選択によって都市が選ばれる時代でありますことから、より一層の行財政改革の推進により財政基盤を強化する中で、若い世代から居住地として選んでいただけるよう、国や県の動向を見ながら、また、本市の福祉政策、少子化対策を総合的に検討する中で、制度の拡充に向け真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
  次に、合併に係る本市の姿勢についての御質問にお答えをいたします。
  平成15年の6月に2市4町(まち)、2市4町(ちょう)の合併協議会を立ち上げまして、政令指定都市を目指して新たな岐阜市の誕生に努力をしてまいりました。2市4町の合併はかなわなかったものの、岐阜市と柳津町との合併によりまして、平成18年1月1日に新岐阜市がスタートしたことは御承知のとおりであります。
  岐阜市と旧柳津町との合併は、柳津地区へのものづくり産業の誘致、名鉄柳津駅の移転及び周辺整備など、合併なくしては容易にできなかったことを可能とし、旧岐阜市と柳津地区の双方にとって大きな成果をもたらしたものと考えております。また、最近では旧岐阜市と柳津地区の行政サービスを統一化するなど、新市としての一体感も生まれてきていると感じているところでありまして、この合併は成功であったというふうに考えております。
  市町村合併が推進されました最大の背景は、少子化や超高齢化が進展していく中で、扶助費を初めとします社会保障経費が増大するにもかかわらず、税収が伸びず苦しい財政運営を強いられていること、さらには、そのような状況の中で小規模自治体では世界レベルで発生する経済的変化に耐えることができないことなどがあると考えられます。そして、この危惧は夕張市で現実となり、また、昨年来の世界同時不況によって多くの市町村においてももはや対岸の火事ではなくなってきたのであります。
  平成11年3月の時点で3,232団体ありました。3,232団体あった市町村は平成の大合併により1,411減少いたしまして、平成18年3月末には1,821団体となっております。平成17年4月1日に施行いたしました新合併特例法では、旧合併特例法のような合併特例債による財政支援措置がないにもかかわらず、平成18年4月以降から平成22年2月1日までに新たな合併によって全国で50の自治体が減少する見通しとなっております。
  議員御指摘のように、岐阜市の北部地区の産業廃棄物不法投棄事案に対する岐阜市の負担は
    〔私語する者あり〕
懸命の努力によって、かつて新聞などで報道されたように何百億円あるいは1,000億円といった規模ではなく、100億円を下回る、100億円を下回る見込みであり、現在の行財政運営の中で十分に対応できるものとなっております。また、本市は従前から徹底した行財政改革に取り組んでおり、今般の経済危機下にもかかわらず、来年度も住民サービスを確保しつつ積極挑戦型予算を組むことができました。しかし、今後の行財政運営につきましては決して予断を許さない状況にあります。近隣自治体についても先行き不透明な経済状況の中で将来の財政見通しも同じく不透明であり、厳しい行財政運営を強いられているのではないかと推察しております。こういった各自治体の財政状況の中で、再度合併の議論が出てくる時期が遠からず訪れるであろうことは十分予想されるところであります。
  そうした中、近隣市町から双方の住民サービスの向上を目指して、あるいは当該市町と岐阜市双方の将来へのビジョンを踏まえた上での合併の御提案がございましたならば、そのもたらす成果などを十分見定めながら、岐阜市として積極的に協議に応じてまいりたいと考えております。
  いずれにいたしましても、各市町からの意向を尊重しながら進めていくべきであると考えております。

◯議長(大野 通君) 財政部長、岡本和夫君。
    〔岡本和夫君登壇〕

◯財政部長(岡本和夫君) 財政運営に関する4点の御質問についてお答えします。
  1点目の、市税の収入見込みについてでございますが、世界的な金融危機や円高の進行、輸出の減少、それに伴う設備投資や消費の落ち込み、雇用の不安など、景気後退が一層深刻化しております。これは岐阜市においても例外ではなく、市税収入の大幅な減少は避けられない見込みであります。
  御質問の法人市民税の収入見込みにつきましては、景気の後退などの影響を大きく受け、企業収益の大幅な減少が見込まれます。昭和49年のオイルショック以降最大の落ち込みになると見込み、本市では今年度と比べ18億5,000万円ほどの減となる48億5,000余万円を計上いたしました。この見込み額の算出に当たりましては、平成20年度の決算見込み額をベースに、総務省の地方財政計画、内閣府の月例経済報告、岐阜県の経済指標データなどの数値を参考に、経済状況等を考慮し算出いたしました。御指摘のように、岐阜市の産業構造特性、つまり製造業が少なくサービス業が多いことを反映し、本市では他都市と比べ減収の影響は少ないものと考えております。
  次に、固定資産税の家屋の収入見込みでございますが、平成21年度は3年ごとに行われます評価がえの年に当たります。在来の家屋、つまり既に建てられている家屋でございますが、国の基準に基づき減価率の見直しを行い、今年度に比べ5.4%の減と見込みました。また、20年中の新増築家屋につきましては、建築物価の高騰等の影響により減少傾向にございまして、前年度に比べ2.9%の小幅な増となっております。家屋全体といたしましては、今年度に比べまして2億4,000万円ほどの減、118億9,500余万円を見込みました。償却資産でございますが、急激な景気悪化に伴う企業の業績落ち込み、また、廃業あるいは休業の増加などによりまして、大幅な設備投資の減少が予測されます。加えて通常の減価償却による減少も見込みまして、1億1,000万円ほどの減となります24億7,000余万円を計上いたしました。
  2点目の、県の動向が本市に及ぼす影響についてでございます。
  国、地方におけます財政状況は、この経済不況によりまして税収の大幅な減収に加え、膨大な長期債務を抱えながら、高齢社会の進展に伴います社会保障費の増大などにより、非常に厳しい状況にあります。岐阜県におかれましては、財政調整基金が底をつき、構造的な財源不足の解消を目指すため、行財政改革指針案を発表され、緊急的な財政再建を進められるとのことでございます。
  議員御質問の本市への影響でございますが、本市の新年度予算へ直ちには県の財政再建に伴う影響はないものと認識しております。しかしながら、今後22年度以降に向けまして、県の動向を十分注視していく必要があると考えております。このため県の財政再建が市町村の住民サービスに影響を及ぼすものとならないよう、県内の他市町村と連携をとりながら、岐阜県市長会などを通じて県に働きかけていくことが必要であると考えております。
  3点目の御質問の、地方交付税の今後についてでございます。
  地方交付税は地方が共有する地方固有の財源でありまして、地方にかわって国により集められた税金の一部を一定の基準によって地方に配分されるものであります。この配分により地方団体間の財源の不均衡を調整し、教育、福祉、環境など、あらゆる行政分野において標準的な行政サービスの提供が可能となるよう制度設計されているものであります。
  この地方交付税でございますが、平成16年からの国の三位一体の改革によりまして、地方に3兆円の税源移譲がなされましたが、国庫負担金におきまして4.7兆円の削減、交付税に至っては5.1兆円、20%強の急激な削減がなされたところでございます。本市におきましても30億円弱の税源移譲がなされたものの、地方交付税は、平成15年度に130億円ほどございましたが、19年度には90億円と、40億円、率にして30%の減少となっております。加えまして、今後、地方分権改革の進行に伴い不交付団体になることも視野に入れながら財政運営を行っていく必要があります。
  こうしたことも踏まえ、さきの御質問者に市長がお答え申し上げましたように、本市ではかねてから出ずるを制すため、職員定数の削減、給与の適正化、民営化や市債残高の縮減など、他の自治体に先駆けてたゆまぬ行財政改革を進めてまいりました。また、本市が安定的に発展していく中で、さまざまな財源を確保するよう努めてまいりました。今後とも出ずるを制す施策は当然のこととして、戦略的に入りを図ることも重要であると考えております。先が見えない現在の状況にありまして、今後とも財政を取り巻く環境は非常に厳しいことが予測されます。議員御指摘のとおり、将来、交付税の不交付団体になることも視野に入れ、交付税に過度に依存することなく、自立した自治体の構築を目指し、将来世代にツケを回さない健全な財政状況の維持に今後とも努めてまいる所存でございます。
  最後に、4点目の、コンビニエンス収納の効果についてであります。
  平成20年度から軽自動車税のコンビニ収納を開始いたしました。この軽自動車税の納期内での納付は額にして4億2,400余万円で、導入前の3億8,800余万円に比べ、およそ3,600万円、率にいたしますと10%ふえております。納付件数におきましても、およそ5,500件の増でございます。納期内納付率につきましても前年度の77.1%に比べ、平成20年度は80.5%で3.4ポイント向上しており、導入にかかった費用は手数料も含めおよそ1,300万円ほどでございますが、市民の皆様の利便性向上と相まって、その効果は十分あったものと考えております。
  また、銀行振り込みではなく、納付書で納めていただく窓口納付に占めるコンビニ利用率は、当初の予想の20%を大きく上回る30.5%、それから、口座振替を含む全体で占める割合は24.7%でございまして、利便性の向上が図られたものと考えております。
  平成21年度は、滞納の未然防止及び収納率向上に十分効果があるという軽自動車税での実績を踏まえ、さらなる納税者の利便性確保と納税機会の拡大を図るため、市県民税及び固定資産税、都市計画税のコンビニ収納の実施を予定いたしております。
  以上でございます。

◯議長(大野 通君) まちづくり推進部長、小林孝夫君。
    〔小林孝夫君登壇〕

◯まちづくり推進部長(小林孝夫君) 建築確認審査期間の状況に関する御質問にお答えいたします。
  建築確認制度におきましては、構造計算偽装事件を受けた平成19年6月20日の建築基準法の改正によりまして、構造計算適合性判定制度の導入や審査指針の告示化などがなされ、また、これらの制度導入に伴いまして、建築確認審査期間が従前の21日間から最大70日間に改められたなど、建築確認や検査の厳格化が図られたことは記憶に新しいところでございます。
  この法改正直後における建築確認の状況は、審査側と設計側の双方に混乱が生じ、確認されるまで4カ月から5カ月を超える日数を要するものがありました。建築工事着工件数に影響が出ましたことも既にマスコミなどで報道されたところでありますが、本市におきましても相当の影響があったと認識しております。その後、国におきましては建築確認審査の運用指針や技術的助言などの円滑化に向けたさまざまな対応策を講じられ、今では審査側及び設計側の双方においてこれらの対応指針が浸透しまして、相当程度の審査期間の短縮が図られてきております。
  岐阜市におきましても期間短縮を図るため、昨年8月から構造計算の事前審査制度を廃止するとともに、設計図書の部分的な修正を可能な範囲で認めるなど、審査指針の弾力的な運用を行ってきたところでございます。こうした取り組みによりまして、現在におきましては、法改正直後と比較し、約1カ月半程度の審査期間の短縮が図られてきております。建築着工のおくれは地域社会に及ぼす影響が大きいものと認識しておりまして、今後とも審査側においても不断の努力を続けたいと考えております。また、設計者側に起因する設計図書の不整合を少なくするため、比較的多く見られる訂正事例や記入漏れ事例リストを作成し、窓口においてこれらを配布させていただくなど、設計者への指導、助言にも努めてまいります。

◯議長(大野 通君) 副市長、英 直彦君。
    〔英 直彦君登壇〕

◯副市長(英 直彦君) 公共建築工事のスケジュールのおくれに関する御質問にお答えをいたします。
  1点目の、計画通知の長期化による工期の見直しについてでございます。
  建築物の建築主が国、都道府県または建築主事を置いております市町村である場合におきましては、建築確認にかえて建築計画を建築主事に通知するという、いわゆる計画通知を行うこととされております。岐阜市も、この計画通知を行えばいいという、そういう自治体になっているわけでございます。平成19年に建築基準法が改正されておりますが、それ以前は、建築通知を行う場合には建築物の構造図及び構造計算に関する設計図書の提出は不要であると、こういう規定でございました。しかしながら、改正後におきましては、民間建築物と同様に、建築通知にありましても、こういった設計図書を添付し審査を受けなければならないと、こういう法改正がなされておりまして、建築通知における審査は以前と比較をして期間が必要となったと、こういうことでございます。このために工事の着手までに必要な期間も長くなってきております。したがいまして、設計業務委託の発注に当たりましては、計画通知の審査に要する期間を十分考慮をいたしまして、目標とする完成時期におくれが生ずることのないよう対応してまいりたいと考えております。
  2点目の、入札の不成立に関する御質問にお答えをいたします。
  平成20年度における本市発注の建設工事628件ございます。このうち入札が不成立となったものは8件、率にして1.3%でございます。このうち建築関係の工事で見ますと、発注件数が125件でございまして、このうち不成立のものは3件、率にして2.4%となっております。したがいまして、建築関係の工事で特に不成立の割合が高いということはないと思っているところでございます。
  こういった不成立となりました建築工事の入札の時期は昨年の6月から10月まででございまして、この時期は鉄鋼関係の資材が大幅に値上がりをした時期でございます。設計から入札までに約2カ月程度を要しておりますので、この間に建設資材が値上がりしたといったこと、あるいは工期が長い工事におきましては将来にわたって資材が値上がりすることを施工業者が懸念をしたといったこと、そういったことが不成立の原因として考えられるのではないかと思っております。
  現在では資材価格は比較的安定して推移しておりますが、今後とも市場価格の的確な把握や工事の施工難易度を踏まえた施工単価の設定等により、できるだけ実勢価格に近づけるよう努力をしてまいりたいと思っております。また、入札に応ずる施工業者に対しまして、設計数量を明示した内訳書を提示するなど、業者の見積もりを容易にするといったことも考えてまいりたいと思っております。
  なお、工事発注後に市場価格が大きく変動した場合には、昨年6月、国からの通知によりまして単品スライド条項が適用できることとされておりますので、この制度を活用し対応しているところでございます。

◯議長(大野 通君) 行政部長、山田 正君。
    〔山田 正君登壇〕

◯行政部長(山田 正君) 職員の勤務時間短縮に関しての御質問にお答えいたします。
  勤務時間の短縮に対する具体的な対応についてでありますが、まず1点目といたしまして、市民サービス維持の観点から開庁時間を今までどおりとすることであります。始業、終業の時刻を変更せず、休憩時間を45分から60分に延長することにより対応いたします。事務所や市民課などの窓口のある職場では、これまでどおり早出・遅出勤務を行うなどして対応してまいります。また、休憩時間につきましては、現在でも必要に応じて当番を決め、交代で休憩を取得しておりまして、今後も同様とすることで市民の皆様への影響はないものと考えております。
  2点目でございますが、コスト増を招かないための効率的な執務と時間外勤務の縮減であります。
  1日の勤務時間が今よりも15分短くなることから、職員一人一人が今まで以上にコスト意識を持ち、効率的、効果的な執務に努め、時間外勤務は必要最小限にとどめなければならないと考えております。
  現在、各職場においては、1、週や月ごとに業務スケジュールを作成し、定期的に進捗状況の報告を行うなど、計画的な業務執行を図ること。2、時間外勤務の事前命令、事後確認を徹底すること。3、OA機器の活用及び情報の共有化などを進め、事務の効率化を図ること。4、各種会議は、資料の事前配付を行うなど、合理的、効率的に運営し、会議時間の短縮に努めること。5、夜間や週休日等に行う必要がある会議などの業務については、可能な限り時差出勤や週休日の振りかえ代休制度を活用すること。6、管理職職員は、退庁時に声をかけるなど、ノー残業デーの徹底に努めること。さらには、7つ目といたしまして、特定の職員やグループに業務が集中しないようにグループや課内で柔軟に協力し合える体制を整えるとともに、必要に応じて、部外派遣制度の活用など、人的な対応をしていくことなどに取り組んでおりまして、その効果もあらわれてきております。
  今後も職員一人一人がさらに密度の濃い仕事に取り組むとともに、今まで以上に時間外勤務の縮減を図ることによって、勤務時間の短縮によって超過勤務手当が増加しないように努めてまいります。
    〔「議長、12番」と呼ぶ者あり〕

◯議長(大野 通君) 12番、松原和生君。
    〔松原和生君登壇〕

◯12番(松原和生君) それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
  あと持ち時間が5秒ですので、今後の市政運営について
    〔私語する者あり〕
しっかりと取り組んでいただきますように改めてお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。